
「学生時代はずっと接客業でアルバイトをしていたのだけど、自己PRになる?」
「接客業の経験をどうしたら就職活動で活かせるの?」
就職活動でどのように自己PRをしたらいいのか考えている時、学生時代に接客業で働いていた経験は活かせないかと考えることがあります。
結論から申し上げますと、接客業で働いていた経験は就職活動の自己PRとして、大いに活用することが可能です。
なぜなら、接客業をしていたというだけでなく、接客業を通じて何を身に付けたか、身に付けたことを入社後にどう会社のために活かせるかということが、就職活動の中では最も大切だからです。
そこでこの記事では、接客業の経験をどのように自己PRで活かすべきか、活かせる強みやそれをアピールする方法まで詳しく紹介します。
接客業を通してあなたが身に着けた強みを、しっかりと応募先企業にアピールすることで、就職活動を成功に導きましょう。
そもそも自己PRは何を話す?自己紹介などとの違いは?
そもそも自己PRとは何を話せばいいのか、自己紹介とどう違うのかがわからないと、正しい自己PRはできません。
自己PRとは、「自分自身の強みを応募先企業にPRする」ことです。
自己紹介は、自己PRよりももっと軽く、自分という人間はどこの誰であるかということを軽く紹介するものです。
【自己PRと自己紹介の違い】
自己PR | 自己紹介 | |
目的 | 自分の強みを相手にアピールする | 自分はどんな人間かという人物像をしってもらう |
応募先企業が見るポイント | アピールした強みは入社後に会社のために活かせるかどうか | 第一印象とおおまかな人柄を確認する |
自己PRでは、自分にはどのような強みがあり、応募先企業に入社後は、強みを活かしてどのように会社に役立ちたいかを伝えます。
ただし、伝える強みが本当に自分に備わっているかという根拠を元に伝えなくては、信憑性にかけてしまいます。
その根拠として、接客業での経験を活用することができるのです。


接客業経験は自己PRで使える!その理由を5点解説!
接客業経験は、就職活動を行う上での自己PRで使うことができます。
接客業経験が自己PRで使える理由は次の5つです。
①マナーや接客力が身に付いている証明になる
②気配りができる
③マネジメントスキルが身に付いている
④臨機応変な対応ができる
⑤傾聴力が磨かれている
それぞれ詳しくみていきましょう。
①マナーや接客力が身に付いている証明になる
接客業経験が自己PRで使えるのは、マナーや接客力が身に付いている証明になるからです。
接客業は、お客様と接する仕事ですから、お客様に対して失礼のないよう基本的なマナーを身に付ける必要があります。
敬語で話す、立つときは左手を前にして手を重ねる、など接客する上で必要となるマナーを、先輩スタッフなどから教えられているでしょう。
また、お客様対応など接客力も身についている証明にもなります。
企業で働く上で、相手が個人客か法人客かは会社によって異なりますが、顧客対応は必ず行わなくてはなりません。
②気配りができる
接客経験がある人は、気配りができるという点も、自己PRで使うことができます。
接客では、お客様に気配りをすることが必須です。
グラスの水はなくなっていないか、お皿を下げるタイミングはいつがいいか、商品がキレイにならんでいるか、など様々な場面で気配りが求められます。
接客経験でそのような気配りを行っていたことは、就職活動での自己PRでも強みとなるのです。
③マネジメントスキルが身に付いている
マネジメントスキルが身に付いているという点も、自己PRで活用していきましょう。
接客業では、普通に接客をこなすだけでなく、長く勤めているうちにバイトリーダー的な立場となり、新人教育やフロアの責任者のような役割を任されることがあります。
人にものを教えることや、現場をうまく回すために周囲に目を向けることは、マネジメントスキルとしてとても難しいことです。
そのようなスキルを入社前から身に付けているということは、とても大きな強みです。
接客業で働く中で、マネジメントスキルとしてアピールできる経験がある場合は、ぜひ自己PRで伝えるようにしていきましょう。
④臨機応変な対応ができる
接客業での経験を自己PRに使える理由として、臨機応変な対応ができるという点も挙げられます。
接客業では、決められたマニュアルがあったとしても、一人一人違う方を相手にする中で、様々な突発的事項が起こります。
例えば急に大勢のお客様が来店したり、グラスが落ちて相手がケガをしてしまったりと、ルーティーンワークでは対応できない事態も起こることがあるのです。
そのような事態に対して、臨機応変に対応し、解決することができた経験は、とても大きなものです。
入社後も、仕事をするうえで突発的なトラブルが起こることはままあります。
そのような時に、ある程度接客業で場数を踏んでいることで、落ち着いて臨機応変な対応ができるのは、自己PRとして活用できるでしょう。
⑤傾聴力が磨かれている
傾聴力が磨かれているという点も、接客業での経験が自己PRで活用できる理由のひとつです。
仕事をするうえで、とても重要な能力だとされており、傾聴力を身に付けるための社員教育を行う企業もあります。
接客業では、自分が上手に話せることが大切だと思われることもありますが、それよりもお客様の話をしっかり聞き出すことが大切です。
なぜなら、お客様の話を聞き、今抱えている悩みやニーズをきちんと把握しなければ、自分よがりの商品提案しかできないからです。
接客業での経験で、お客様の話を聞く上で大切な相槌のタイミングや、聞く姿勢などを身に付けていることは、傾聴力が磨かれているエピソードとして大きな強みとなる経験となります。


接客業経験が高く評価される職種は何?
接客業経験が就職活動での自己PRに活用できることがわかったところで、特に接客業の経験が高く評価される職種を紹介します。
接客業経験が高く評価される職種は、次の3つです。
①営業職
②コンサルタント職
③接客業
それぞれの職種がなぜ、接客業経験が高く評価されるのかを解説していきます。
①営業職
営業職は、接客業と同じく対人でのコミュニケーション能力が必須となる職種です。
営業職にも様々あり、同じ担当者と深く付き合う場合や、販路を新規開拓し新しい顧客との対応がメインとなる場合などがありますが、対人でコミュニケーションをとり、相手のニーズを引き出して自社の商品を売り込むという点は同じです。
人とのコミュニケーションが必須であるという点で、接客業でお客様と日々接してきた経験を活かすことができます。
接客業で身に付けた基本的なマナーはもちろん、臨機応変な対応力、傾聴力も営業職で活かすことができるため、接客業経験が高く評価されるのです。
②コンサルタント職
コンサルタント職も、接客業経験が高く評価される職種のひとつです。
コンサルタント職は、なによりもコミュニケーション能力が必要な職種です。
どんな業種であっても、コンサルティングを行うには、クライアントの話を聞き、抱えている問題や今後どうしていきたいかを理解する必要があります。
そのような業務を行う上で、接客業で培った傾聴力はとても大きな武器となるのです。
接客業でお客様の話を聞き、相槌をうち共感することで、信頼関係を築くことができていれば、コンサルタント職でも経験を活かして働くことができます。
③接客業
当たり前ですが、接客業での経験を最も評価してくれるのは、同じく接客業です。
接客業といっても、飲食業、アパレル、美容関係と多岐にわたりますが、どれであってもお客様とコミュニケーションをとることは必須です。
接客スキルが高ければ高いほど、接客業での経験を評価してもらうことができます。
接客業への就職活動で、接客業経験を自己PRに活用する際は、自分がお客様に対してどのような心配りをしていたか、どのような点に気を付けて接客していたかなどを具体的に伝えると、より評価に繋がります。
接客業経験を活かしたいなら、接客が必須となる業種を目指すのもよいでしょう。
接客業経験を魅力的に伝えよう!3つのポイントを徹底解説!
ここからは、接客業経験を自己PRで活用する時に、より魅力的に伝えるためのポイントを3つ解説していきます。
接客業で働いていた経験があるだけでは、自己PRとして魅力的ではありません。
接客業を通して「どんな経験をしたか」「どんな力を身に付けたか」を具体的かつわかりやすく伝えることで、より効果的な自己PRとなります。
接客業経験を魅力的に伝えるためのポイントは次の3つです。
①PREP法を意識してみる
②「企業でどのように活かせるか」を意識する
③エピソードは具体的に伝える
それぞれ詳しくみていきましょう。
①PREP法を意識してみる
飲食業経験を魅力的に伝えるには、まずPREP法を意識して伝えるようにしてみましょう。
P=結論
R=理由
E=具体例
P=結論
の順で文章や話し方を工夫することで、相手にわかりやすく伝えることができます。
最初に結論を伝え、次に結論に至った理由を話します。
より説得力を持たせるために、具体的なエピソードを入れた上で、最後にもう一度結論を述べるのです。
接客業の経験を就職活動で活用するのであれば、飲食業で身に付けた強みを結論に、具体例のところに、飲食業で経験したことを入れるようにします。
②「企業でどのように活かせるか」を意識する
接客業の経験を魅力的に伝えたい場合は、経験したことを「企業でどのように活かせるか」という点を意識することも大切です。
接客業でどれだけ経験を積んでいたとしても、応募先企業にとって大切なのは「その経験を活かして自社で何をしてくれそうか」ということです。
ただ接客業で培った経験だけを話していても、応募先企業に魅力的な人材だとは映りません。
③エピソードは具体的に伝える
エピソードは具体的に伝えることは、接客業の経験を魅力的に伝えるために必要なポイントです。
自己PRでは、あなたの強みや魅力を伝えることが大切です。
接客業での経験は、その強みを信頼性があるものだと感じてもらうために活用します。
強みが本当のことであり信頼できると感じてもらうためには、その強みを活かしてがんばった具体的なエピソードが重要なのです。
エピソードが具体的であることで、本当に経験したことであるということが伝わり、あなたの強みが口だけでなく、本当に備わっているものだと思ってもらえます。


実際に自己PRを作成しよう!接客業経験で自己PRを作成する流れ
それではここからは、実際に自己PRを作成するための流れを紹介していきます。
自己PRを作成する時は、PREP法を意識して次の5つのステップで進めていくことがおすすめです。
ただし、自己PRではR(理由)とE(具体例)がほぼ同じ内容になるため、結論を先に伝えた上で、なぜそう言えるのかを具体的なエピソードをもとに話すという流れを意識しておくとよいでしょう。
Step1:伝えたい長所を最初に述べる
Step2:長所を発揮できた接客業経験の概要を述べる
Step3:当時の目標・課題を明確化する
Step4:解決に向けての自分の行動とその結果を述べる
Step5:話した長所を仕事にどう活かせるかを述べる
それぞれのステップについて詳しく解説していきます。
Step1:伝えたい長所を最初に述べる
接客業経験に限らず、自己PRを行う時は必ず最初に伝えたい長所を最初に述べるようにします。
応募先企業が聞いているのは、あなたの強みや長所です。
ですから聞かれている答えにまず最初に応えなくてはなりません。
最初に長所を言うことで、話の要点が伝わりやすくなるというメリットもあります。
逆に、理由やエピソードから話し始めてしまうと、どのような結論になるのかわかりにくく、話したいことが相手に理解されにくい可能性があります。
まず最初に「私の長所は傾聴力が高い所です」というように、P(結論)である自分の長所から伝えるようにしましょう。
Step2:長所を発揮できた接客業経験の概要を述べる
P(結論)である長所を伝えたら、次はR(理由)です。
なぜ、それがあなたの長所であると言えるのか、E(具体例)を交えながら話していきましょう。
ここで大切なのは、なるべく具体的なエピソードを簡潔に伝えることです。
具体的なエピソードを理由として入れることで、あなたが伝えた長所が本当に備わっているものだという信頼性が高まります。
「アパレルで販売員として接客業を行う上で、ただ言われたものを出すのではなく、お客様の要望を聞き出し、それに合った提案をするように心がけることで身に付けました」
というように、強みの裏付けとなるエピソードを、簡潔に伝えられるようにしておきましょう。
Step3:当時の目標・課題を明確化する
次に話すべきことは、接客業をしていた時にどんな目標や課題を持っていたかを明確にするということです。
目標や課題を持って取り組んだ経験があることは、社会人として必要な目標設定能力があると示すことができます。
また、応募先企業に入社後、どのように課題に取り組んでいくかという姿勢をアピールすることにも繋がるため、必ず伝えることが大切です。
「最初はお客様が何を求めているのかがよくわからず、ただその時期のおすすめ商品を提案するだけでした。そこでもっとお客様が求めているものを聞き出し、察知できるようにしなくてはいけないと思いました」
というように、接客業を通じて立てた目標や課題を端的に伝えましょう。
Step4:解決に向けての自分の行動とその結果を述べる
目標や課題を伝えたら、それを解決するために自分はどのような行動をし、どんな結果が生まれたかを話します。
行動の部分では、期間、人数、内容などなるべく具体的に伝えるようにしましょう。
具体的であればあるほど、あなたが何をしたかをイメージしやすくなり、努力や行動力を評価してもらいやすくなります。
面接などでは、本当のことを話しているかを確かめるため、エピソード部分について突っ込んだ質問をされることもあります。
ここで曖昧な答えを返してしまうと、エピソード自体が「嘘なのでは?」と疑われてしまうこともあるのです。
質問されたことにきちんと答えられるよう、エピソードを整理し、まとめておくようにしましょう。
Step5:話した長所を仕事にどう活かせるかを述べる
自己PRの最後は、話した長所を応募先企業で働く上で、仕事にどう活かせるか、活かしていきたいかを述べます。
自己PRで伝える長所とは、あくまで応募先企業で働く上で強みとなるものです。
どんなに素晴らしい長所でも、応募先企業で活用できなければ就職活動で強みとなることはありません。
応募先企業でどのように長所を活かせるかということは、企業研究や業界研究を行っておくと、考えやすくなります。
応募先企業で自分の長所をどう活かしてがんばるかということを伝えて、自己PRをより魅力的にしていきましょう。


ここに注意!接客業経験を自己PRにするときに気をつけるポイント
接客業経験を自己PRにする時、気を付けなくてはいけない注意点があります。
注意点を知らずに自己PRを考えてしまうと、知らず知らずのうちに企業から魅力的だと思ってもらえないものとなってしまい、就職活動が成功から遠のいてしまうこともあります。
接客業経験を自己PRにする時に気を付けるべきポイントは次の4つです。
①接客業として当たり前のことがPRになっていないか
②結論が一番最初に来ているか
③バイトリーダーの経験だけが自己PRになってないか
④売上増加などの良い点が自分だけの手柄になっていないか
それぞれ詳しくみていきましょう。
①接客業として当たり前のことがPRになっていないか
接客業経験を自己PRにする時に気を付けて欲しいのが、「接客業として当たり前のことがPRになっていないか」です。
例えば丁寧な言葉遣いといったマナーや、接客スキルが身に付いたことは、数多くいる接客業経験者の中では当たり前のことであり、自己PRとしての魅力にはなりません。
応募先企業にとっては、当たり前のことを書かれても魅力的には思わないだけでなく、それだけしか身に付けられなかったのでは?と評価が下がる可能性もあります。
②結論が一番最初に来ているか
ESなどに自己PRを書くときは、必ず一番最初に結論を記入するようにしましょう。
結論から伝えることがとても大切であることは「Step1:伝えたい長所を最初に述べる」でもお伝えしました。
結論から伝えることで、話の意図が伝わりやすくなります。
話の意図が伝わらなくては、あなたの長所もわかってもらえません。
どんなによいエピソードや長所を書いていたとしても、応募先企業に理解してもらえなければ自己PRの意味はないのです。
結論から最初に書くことで、格段に文章は読みやすく、わかりやすくなります。
必ず一番最初に結論として、あなたの長所を伝えるようにしましょう。
③バイトリーダーの経験だけが自己PRになってないか
接客業経験を自己PRに活用する時の注意点三つ目は、バイトリーダーの経験だけが自己PRになっていないかということです。
バイトリーダーになったことをさぞすごいことのように書いてしまうことがありますが、大企業の管理職等とは違い、バイトリーダー経験を大きな武器として就職活動で活かすことはできません。
重要なのはバイトリーダーとして「どんな課題に取り組んだか」「どんな成果を出すことができたか」ということです。
④売上増加などの良い点が自分だけの手柄になっていないか
売り上げ増加などの良い点を伝える時、自分だけの手柄のように伝えてしまうのも注意が必要です。
なぜなら、売り上げ増加はあなただけの力ではなく、他のスタッフの努力などの結果でもあるからです。
その点を考慮せず、すべてが自分の手柄のように話してしまうと、傲慢で協調性のない人柄なのでは?と評価が下がる可能性もあります。
あなた自身が努力したことを伝えることはとても大切ですが、周囲に協力してもらったこともきちんと話すとよいでしょう。
実際の自己PRはどんな感じ?PREP法を用いた例文をOK版、NG版で比較しよう!
この章では、実際に接客業経験を活用した自己PRがどのようなものかを具体例を用いて紹介します。
PREP法を用いて、OKなものと、NGなもの、2種類作成しました。
あなたの自己PR作成の参考にしてみましょう。
①OK例:チームワーク×レストランの就業経験
②OK例:問題解決力×カフェスタッフの就業経験
③NG例:結論が最初に来ていない場合
④NG例:エピソードが乱雑で伝わらない場合


まとめ
接客業経験を就職活動での自己PRに活用できるか、活用する時のポイントや自己PR作成の流れ、注意点などを紹介しました。
接客業経験があることは、社会人として必要なマナーや接客スキルを身に付けた上で、問題解決のため様々なことに取り組んだことをアピールすることに繋がります。
接客業でどんな努力をし、力を入れてきたかを伝えることで、応募先企業で活躍できる人材であるとアピールすることが可能です。
接客業で働いた経験を就職活動の武器とするため、まずは自己分析を行い、エピソードを掘り下げておきましょう。
