
就職活動を少しでも有利に進めようと考え、インターンに応募している人は一定数存在します。しかし、必ずしもインターンの選考を通過できるわけではありません。なかには全落ちしてしまい、不安を抱えている人もいるでしょう。
「全落ちしてしまったら今後の就職活動や選考に響くのか」「どうしてインターンの選考に落ちてしまったのかわからない」といった疑問・不安を抱えている人は少なくありません。
本記事ではインターンで全落ちをした人に向けて、その理由・今後の進め方などを解説します。すぐにできること・再度受ける際の注意点なども含めて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インターンは全落ちしても大丈夫?
インターンシップに全落ちしてしまっても、決して焦る必要はありません。インターンの結果が、その後の本選考に決定的な影響を与えることは稀だからです。
なぜインターンシップに通過できなかったのかを冷静に分析し、次につなげてください。以下のような点に注目して、具体的な課題を見つけることが第一歩です。
・エントリーシートの内容が企業に響かなかった
・企業研究が不十分だった
人気の高い大手企業や有名企業の場合、インターンの倍率は100倍を超えることも珍しくありません。これは能力が低いわけではなく、応募者の数が非常に多いという事実の裏返しです。また中小企業やベンチャー企業のように、知名度は高くなくても採用人数が限られていることも少なくありません。その結果、倍率が高くなるケースもあります。
インターンシップはあくまで通過点であり、本選考に向けて自身の課題を発見して改善するための貴重な機会です。今回の結果を冷静に受け止めて分析した内容を本選考での対策に活かすことで、納得のいく結果につなげられるでしょう。経験を糧に、前向きに就職活動を進めてください。

インターンに全落ちしてしまう主な理由とは?
インターンに全落ちする主な理由を紹介します。
有名な企業や人気な企業ばかり受けている
インターンシップに全落ちしてしまう理由のひとつは、有名な企業や人気の企業ばかりに集中して応募している点です。このような企業は多くの学生から注目されるため、必然的に応募が殺到して倍率が非常に高くなります。
結果として、競争率の高さゆえに通過が難しくなるという状況に陥りやすいのです。特に大手企業やテレビCMなどでよく目にする企業は、誰でも知っているため応募が集中します。決して能力・準備が不足しているわけではありません。
自己分析が十分に行えていない
インターンシップに全落ちしてしまう主要な理由として、自己分析が不十分である点もあげられます。
自己分析は、自分の強み・弱み・興味・価値観・将来何をしたいのかを深く理解するプロセスです。これが十分にできていないとインターンシップの応募段階で、「なぜこの企業で働きたいのか」「このインターンで何を学びたいのか」といった志望動機の明確化ができません。
企業は学生が単に応募しているだけでなく、明確な目的意識を持ってインターンに参加しようとしているかを見ています。不十分な自己分析では、面接などで質問された際に説得力のある回答ができなかったり、入社への熱意が伝わりにくくなったりするでしょう。
結果として、「うちの会社に本当に興味があるのか?」という疑問を抱かれかねません。その結果、選考通過が難しくなってしまうのです。
企業研究や業界研究が足りていない
インターンシップに全落ちする主な理由として、企業研究や業界研究の不足もあげられるでしょう。これは単に企業の事業内容を知っているだけでなく、その企業の強み・弱み・企業文化・業界内での立ち位置まで深く理解しているかどうかに直結します。
不十分な研究ではエントリーシートや面接で「なぜこの企業でなければならないのか」という志望動機の明確化ができません。また企業が直面している課題・将来性に関する質問にも、深掘りした回答ができなくなってしまいます。
結果として企業側からは「会社への熱意が感じられない」と判断されかねません。結果として、選考通過が難しくなるでしょう。表面的な情報だけでなく、企業の未来を自分事として考えられるレベルまで深く掘り下げた研究が求められます。
Webテストの点数が悪い
Webテストの点数が悪いことも、インターンシップに全落ちする理由のひとつです。
多くの企業ではES提出後にWebテストを実施し、足切りとして利用しています。ここで基準点に達しないと、どれだけESの内容が高評価であっても次の選考には進めません。事前の対策が不十分では、この最初の関門でつまずいてしまう可能性があります。
ESで差別化ができていない
エントリーシート(ES)でほかの応募者と差別化ができていない点も、インターンシップに全落ちする理由でしょう。画一的な内容や企業への熱意が伝わらないESでは、採用担当者の目に留まりにくいからです。
面接の対策ができていない
インターンシップに全落ちする主な理由として、面接対策の不足もあげられます。面接で自身の魅力や志望度を十分に伝えられなければ、次のステップには進めません。
面接では質問に対して、「論理的かつ具体的に回答できるか」「入社への熱意が感じられるか」が重要視されます。不十分な自己分析や企業研究では、想定外の質問に詰まってしまったり、表面的な回答しかできなかったりしかねません。
また、声のトーン・表情・姿勢といった非言語的な要素も、印象を大きく左右します。
模擬面接を重ね、客観的なフィードバックを得ましょう。自身の課題を克服して自信を持って本番に臨むことが、選考突破の鍵となります。

インターンに全落ちした人でもすぐにできること
インターンに全落ちした人でもすぐにできることを確認していきましょう。
選考なしのインターンに参加する
インターンに全落ちした場合にすぐにできることのひとつは、選考なしのインターンに参加することです。
参加ハードルが低いため、企業の雰囲気や仕事内容を気軽に体験できます。今後の就職活動の参考にもなるでしょう。
自己分析をもう一度徹底して行う
インターンに全落ちした場合、自己分析をもう一度徹底して行うことをおすすめします。今回の結果は、自分自身の強み・弱み・本当にやりたいことが明確になっていないサインかもしれません。
これまでの経験を振り返り、以下の問いに注目して深く掘り下げて考えてみましょう。
・どんな仕事に興味があるのか
・自分のどんなスキルが活かせるのか
ノートへの書き出し・マインドマップ作成など、さまざまな方法を試すことが効果的です。自己分析を深めることで今後の企業選びや、エントリーシート・面接でのアピールポイントがより明確になります。自信を持って次の選考に臨めるようになるでしょう。
ESを見直す
エントリーシート(ES)を徹底的に見直すことも重要です。ESは第一印象を左右する重要な書類であり、この改善が次の選考突破につながります。
まずは応募した企業のESと、その企業の求める人物像を改めて照らし合わせてみましょう。内容が企業の理念や事業と本当に合致しているか、客観的に評価してみてください。
次にそれぞれの設問に対して、具体的なエピソードが盛り込まれているかを確認しましょう。具体的な行動と成果を、数値や事実で示すことが重要です。
また、文章全体の論理的な一貫性・誤字脱字も入念にチェックします。可能であれば第三者に読んでもらい、客観的なフィードバックをもらうことも有効です。
ESの質を高めることで、魅力がより明確に伝わるようになります。
Webテストの対策をする
Webテストの対策を徹底することもおすすめです。多くの企業が選考の初期段階でWebテストを導入しており、ここで基準点に達しないと次のステップに進めません。
市販の対策問題集やオンラインサービスを活用し、繰り返し演習を行ってください。問題形式に慣れ、制限時間内に正確に解答する力を養いましょう。
特に苦手分野は重点的に復習し、確実に点数を取れるようにしておくことが重要です。
面接の練習をする
インターンに全落ちした人がすぐにできることとして、面接の練習を重ねることは非常に有効です。
模擬面接を繰り返し行い、自分の言葉で志望動機や自己PRを話せるように準備しましょう。大学のキャリアセンターや就活支援サービスを活用して、客観的なフィードバックをもらうことも重要です。
質問への回答だけでなく、話し方・表情・姿勢なども意識して練習することで、本番での自信と落ち着きにつながります。

インターンに全落ちした後の気持ちの切り替え方
全落ちした際の気持ちの切り替え方を紹介するので、参考にしてください。
友人に相談する
インターンに全落ちして落ち込んだ時、友人に相談することは非常に有効な気持ちの切り替え方です。
一人で抱え込まず、信頼できる友人に正直な気持ちを打ち明けてみましょう。同じ就職活動をしている友人であれば共感してくれるだけでなく、自身の経験から具体的なアドバイスをくれるかもしれません。異なる分野の友人も、客観的な視点から新たな気づきを与えてくれることがあるのでおすすめです。
話すことで自分の感情を整理でき、「何が不安なのか」「どうすれば良いのか」が明確になることもあります。「みんなも同じように悩んでいるんだ」と知ることで、孤独感が和らぎ、前向きな気持ちになれるでしょう。
友人との会話は、単なる愚痴の吐き出しではありません。次のステップに進むための大切な時間といえます。
リフレッシュしてみる
インターンシップに全落ちしてしまった時は、一度リフレッシュしてみることが大切です。落ち込んだままでは、次の行動にも影響が出てしまいかねません。
好きな音楽を聴いたり映画を観たりといった、気分転換になることを試してください。普段忙しくてできていない趣味に没頭するのもよいでしょう。美味しいものを食べに行ったり、少し遠出をして気分を変えたりすることもおすすめです。
インターンに全落ちした人でもできる就活の進め方
インターンに全落ちした人でもできる就活の進め方を紹介します。
OB・OG訪問をする
インターンに全落ちしてしまっても、OB・OG訪問は有効な就活の進め方といえるでしょう。実際にその企業で働く先輩から、以下のような点を直接教えてもらえるからです。
・職場の雰囲気
・企業文化
・選考のポイント
業界・職種を問わず、ウェブサイトや採用情報だけでは分からない点は多数あります。生の声は、企業への理解を深めるうえで非常に貴重です。また、OB・OG訪問を通じて顔と名前を覚えてもらうことで、本選考時に有利に働く可能性もあります。
積極的にアプローチして具体的な情報を集め、今後の就職活動に役立てましょう。
秋・冬のインターンに参加する
秋・冬のインターンに参加することは、就活を進めるうえで有効な選択肢です。
この時期のインターンは企業の採用活動と連動しているケースが多く、本選考への優遇措置が設けられていることもあります。
夏に経験した反省点を踏まえ、自己分析や企業研究を深めてから臨むことで、参加できる可能性が高まります。
ここで成功体験を積むことが、自信にもつながるでしょう。
本選考までのスケジュールを立てる
本選考までのスケジュールを具体的に立てることも、就活を効率的に進めるうえで重要といえるでしょう。
まず、以下の点を中心にして準備にどれくらいの時間をかけるかを明確にしてください。
・企業・業界研究
・ES作成
・Webテスト対策
・面接練習など
志望企業の選考開始時期や締め切りを把握し、そこから逆算して計画を立てるのがおすすめです。
いつまでに何をどこまでやるのかを細分化することで、焦りを軽減して着実に準備を進められるでしょう。
別の業界も視野に入れる
別の業界も視野に入れることも、有効な戦略です。視野を広げることで自身の新たな興味や適性、そしてこれまで気づかなかった魅力的な企業と出会える可能性があります。
「なぜその業界にしか興味がなかったのか」を、もう一度考えてみてください。共通する「軸」を見つけることで、関連する他業界へもスムーズに移行できます。
新たな視点を持つことで、就職先の選択肢が大きく広がるでしょう。

インターンで落ちた企業を再度受ける時の注意点
インターンで落ちた企業を再度受ける際の注意点を紹介します。
同じアプローチは避ける
インターンで一度落ちた企業に再度挑戦する際は、同じアプローチは絶対に避けましょう。前回の応募で不採用になったということは、その時のあなたのやり方では企業の求める基準に達しなかったということです。
前回と全く同じアプローチの仕方では、結果も同じになる可能性が高いといえるでしょう。新たな視点やアピールポイントを見つけ、伝え方を変える必要があります。企業への貢献意欲をより具体的に示すといった、さらなる工夫が求められます。
前回の不採用からの成長を書く
インターンで一度落ちた企業に再度挑戦する際は、前回の不採用からどのように成長したかを具体的に示すことが重要です。単に「成長しました」と伝えるのでは、十分とはいえません。前回の選考で何が課題だったのかを自己分析し、それに対する努力と成果を明確に伝えましょう。
具体的なエピソードを盛り込むと、説得力が増します。企業は、あなたの学びの姿勢や成長意欲を高く評価するでしょう。
企業の研究を深めて挑む
インターンで一度落ちた企業に再度挑戦する際は、企業研究をこれまで以上に深く掘り下げて挑むことも重要です。単に事業内容や製品を知るだけでは、企業に響くアピールはできません。その企業の最新のニュースリリース・IR情報・社長のインタビュー記事なども、徹底的に読み込みましょう。
特に注目すべきは、企業が抱える課題点と解決方法です。また競合他社との比較を通じて、その企業の独自の強みや差別化要因を明確に理解することも重要なポイントとしてあげられます。
深い企業研究は、エントリーシートや面接で「なぜこの企業でなければならないのか」という志望動機に説得力を持たせるだけではありません。より具体的な提案や質問につながります。これにより企業への真剣な熱意と高い理解度を示すとともに、前回の不採用からの成長をアピールする強力な武器となるでしょう。
インターン全落ちに関するよくある質問
インターン全落ちに関するよくある質問を紹介します。
夏のインターンと冬のインターンではどちらの方が難しいの?
夏のインターンは期間が長く、選考も早期化・激化する傾向があります。そのため、入念な準備が必要です。
一方の冬のインターンは、募集人数が少ない場合もあります。本選考に近い位置づけだからです。
インターンに参加する際には、夏・冬を問わず徹底した事前準備が重要といえるでしょう。
そもそもインターンに参加しなくてもいいの?
インターンシップに必ずしも参加する必要はありません。実際に、インターンに参加せずとも本選考で内定を勝ち取る学生はたくさんいます。
しかし、インターンは企業や業界の理解を深める貴重な機会です。また、自身のキャリアを具体的に考えるうえで役立ちます。インターンが本選考に直結したり、優遇措置があったりする可能性もゼロではありません。
もし参加できなかったとしても企業説明会やOB・OG訪問、徹底した業界・企業研究などで情報は集められます。また、自己PRを磨くことも十分に可能です。
大学院生でも全落ちすることはあるの?
大学院生でもインターンに全落ちすることは十分にあり得ます。
大学院生は、専門性が高いと思う人もいるかもしれません。しかし人気の企業や業界のインターンシップは学部生・院生問わず非常に倍率が高く、選考は狭き門です。また企業が求めるスキルや人物像と、あなたの研究内容や経験が一致しない場合も考えられます。
企業は、大学院生だから優遇するのではありません。あくまで求める人物像に合致するかどうかで判断します。
全落ちしてもそれを自己分析や企業研究を深める機会と捉え、本選考に活かすことが重要です。

まとめ
インターンの全落ちについて解説しました。
インターンで全落ちしたからといって、必要以上に落ち込む必要はありません。全落ちは決して珍しいことではないからです。それよりも、落ちた理由を分析して次へつなげることのほうが重要です。
本記事で紹介した全落ちする理由・就活の進め方・気持ちの切り替え方などを参考にして、就職活動に取り組んでください。
