
「新卒1年目で転職はアリ?」新卒の転職のリアルから成功への鍵を全て紹介!
新卒で企業に入社した人のなかには、さまざまな理由から転職を考える人もいるでしょう。このようなケースは決して珍しいことではなく、入社1年目で転職をする人もいます。
しかしその一方で、「新卒1年目で転職してもいいのか」「転職をする人はどのような理由があるのか知りたい」といった不安・悩みを抱えている人も少なくありません。
本記事では、新卒1年目における転職の実態について解説します。転職の可否・判断ポイント・時期・理由なども含めて網羅的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
新卒で転職はできるのか?
新卒で転職したいと思う人がいる一方で、本当に転職できるのかどうか不安を抱えている人も少なくありません。
結論から申し上げますと、新卒1年目での転職は可能です。法律的な制約がないため、新卒として企業に入社して1年経っていなくても退職できます。
また業界・業種を問わず若手人材の確保が活発化していることから、この背景を考慮して早期退職をする人は少なくありません。
- スキル・経験不足
- 待遇面での不利
- ネガティブな印象
若手の人材確保が活発化していますが、早すぎる退職は「忍耐力がない」といったネガティブな印象を与えかねません。企業側が求めるスキル・経験に達しておらず、給料をはじめとする待遇面で不利になる可能性があります。

新卒の転職の実態
新卒の転職の実態を、厚生労働省が公表しているデータにて確認してみましょう。なお、このデータは2021年3月卒業者をもとに作成されました。これ以降のデータは、2025年7月現在存在しません。データ自体は古いものですが、参考程度と考えてください。
学歴 | 離職率 | ||
1年目 | 2年目 | 3年目 | |
大卒 | 12.3% | 12.3% | 10.3% |
短大等卒 | 18.5% | 14.1% | 12.0% |
高校卒 | 16.7% | 12.2% | 9.4% |
中学卒 | 31.4% | 11.1% | 8.0% |
上記一覧から、いずれの学歴もほぼ新卒1年目の離職率が高くなっていることがわかります。
新卒で転職をおすすめするケース
仕事内容が合わない
新卒で仕事が合わないと感じて転職するケースは、決して珍しいことではありません。
仕事が合わないと感じながらも我慢し続けていると、以下のようなデメリットが発生します。
- 成長の機会を失う
- 精神的な負担を抱え込む
- モチベーションが著しく低下する
上記のなかでも成長の機会を失う点は深刻であり、将来のキャリア形成においてマイナスになりかねません。
仕事内容が入社前の聞いていた話と違う
仕事内容が入社前に聞いていた話と違う状況も、新卒1年目で転職を推奨するケースとしてあげられるでしょう。その主な理由は、以下の通りです。
- 企業への信頼喪失
- キャリアプランの崩壊と時間の浪費
- ストレスの増大
「話と違う」と思いながら仕事を続けていると、企業への信頼喪失とともに不満・ストレスが増大し続けます。このような状態が続くと、体調を崩すといった支障が発生しかねません。
またキャリアプランはすでに崩壊しており、貴重な新卒社会人としての時間の浪費です。キャリアプランの再構築にも、労力と時間がかかるでしょう。
やりたい仕事が違うと気づいた
就職活動の時点で念入りに企業研究・自己分析をしていても、入社後にやりたい仕事が違うと気づくことは誰にでもあります。その場合も、早めに転職をしたほうがよいでしょう。
- モチベーションの枯渇
- 時間の浪費
- 精神的な負担
やりたい仕事に気づいていながらも我慢をして続けていると、上記のようなデメリットが発生します。

新卒で転職をおすすめしないケース
先輩などが話す不満や転職の話に影響を受けた
先輩などが話す不満・転職の話に影響を受けた場合は、新卒での転職はおすすめしません。その主な理由として、以下のような点があげられます。
- 他人のフィルターを通した情報
- 自分自身の問題とのすり替えが起きやすい
- 短絡的な思考の可能性大
聞いた話は全て他人のフィルターを通した情報であり、自身が体験したことではありません。このようなケースでは短絡的な思考に振り回されている可能性が高く、転職をしても失敗するリスクが高いでしょう。
仕事がつまらない
仕事がつまらないという理由で転職に踏み切ることは、あまりおすすめしません。その理由は、以下の通りです。
- 成長過程の一部
- どの仕事にも「つまらない」と感じる部分あり
- 忍耐力の欠如と判断される可能性大
仮に好きな仕事をしていたとしても、「つまらない」と感じることはあります。特に新卒の場合、業務の基礎を身に着ける段階にあることからつまらないと感じることは多いでしょう。成長過程として誰もが通るべき道であるにもかかわらず、「つまらない」という理由で退職をすると、次の転職先で忍耐力の欠如と判断される可能性があります。

新卒で転職するのに適した時期
新卒での転職に適した時期について解説するので、参考にしてください。
4月入社を目指すなら1〜3月
4月入社を目指す場合、おすすめは1〜3月です。その理由として、以下のような点があげられます。
- 第二新卒採用が活発化する時期
- ポテンシャルを重視する傾向が高め
- 入社後の戦力化支援の期待大
新卒市場の競争が激化していることから、第二新卒採用を積極的に行う企業は多めです。
また1〜3月は新卒採用と重なるため、企業側は入社後の新人研修などの準備も整っているでしょう。新卒で退職し、第二新卒として転職をした際には新卒同様の研修を受けられる可能性が高いといえます。
10月入社を目指すなら7〜9月
新卒での転職をおすすめする時期は、4月入社だけではありません。10月入社を目指すケースも多く、その場合は7〜9月が適しているのです。その主な理由として、以下のような点があげられるでしょう。
- 下半期の採用ニーズが高まる時期
- ポテンシャル重視の第二新卒採用継続
- 短期間で入社できる可能性大
企業のなかには、10月〜3月の下半期に向けて人材増強をするところが少なくありません。その場合、即戦力として希望するケースが多く、第二新卒採用が継続されるばかりか積極的に採用しようという企業も増加します。
新卒で転職するのに避けた方がいい時期
新卒での転職で、避けたほうがいい時期を紹介します。
人事が忙しい4〜6月
新卒で転職をする際、4〜6月はおすすめしません。その最大の理由は、人事にとって多忙な時期だからです。
- 新卒採用と入社対応でパンク状態
- 既存社員が新卒のフォローに追われる時期
- 中途採用の求人数は減少傾向
業界・企業の採用業務は、人事部が担当します。4〜6月は、新卒として採用した人たちのフォローをしなければなりません。そのため、新たな採用業務に割く時間がない状態です。
また人事が多忙な時期という背景から、中途採用の求人数も減少する傾向にあります。
次年度の採用計画を立てる10〜12月
新卒で転職を考える際、10〜12月も避けたほうがいい時期といえるでしょう。その主な理由は、以下の通りです。
- 新規採用計画の策定時期
- 年末年始の長期休暇
- 年末調整や社内イベントで多忙
【みんなに聞いた】新卒の転職の理由
新卒の転職理由を確認していきましょう。
労働条件面の不満がある
労働条件面での不満があるケースは、転職理由としてありがちといえます。
新卒で労働条件に不満があり転職を考えるのは、健全な判断です。特に以下のような点で不満がある場合は、転職を視野に入れて行動を起こしたほうがよいでしょう。
- 長時間労働
- 低い給与
- ハラスメント
- 入社前の説明と異なる
- 許容できない環境
例えば「毎日終電まで残業を余儀なくされる」「手取りで生活できないレベル」といった状況は、将来の健康やキャリアに悪影響を及ぼします。
人間関係が良くない
人間関係も、転職を考える際にあげられる理由のひとつです。
仕事内容以前に、職場の人間関係が原因で精神的に追い詰められることは少なくありません。具体的な例として、以下のようなケースがあげられるでしょう。
- 上司からの理不尽な叱責や無視
- 同僚からの陰口やハラスメント
- 部署内の協力体制の欠如
仕事があわない
仕事があわないと感じて、新卒で転職を考える人もいます。将来のキャリアパスに影響する可能性が高いため、真剣に考えるべき理由といえるでしょう。
例えば、クリエイティブな仕事がしたくて入社したとします。しかし実際にはルーティンワークばかりだった場合、仕事へのモチベーションが続きません。
給与が低い
給与の低さは生活にも大きな影響をおよぼすため、現実的な理由といえます。具体的な例として、以下のようなケースがあげられるでしょう。
- 基本給が低く、残業代もほとんど出ない
- 生活費をまかなうことが難しい
- 同年代と比較して給与が低いと感じる
給与は生活基盤に影響することから、不満を抱えたまま働くことは、健全とはいえません。
聞いていた求人内容と違う
聞いていた求人内容と違うという理由は、企業への信頼に関わる重要な理由かつ問題です。
例えば、以下のようなケースがあげられます。
- 残業なしと聞いていたが、毎日残業を余儀なくされる
- 希望していた職種とは異なる部署へ配属された
- 面接時に聞いていた福利厚生が適用されない
他の仕事をしたくなった
別の仕事がしたくなったという理由は、自己理解が深まった証です。そのため、ポジティブな転職理由といえます。
例えば、入社時に営業職に就いたとしましょう。その職種を通じてマーケティング部に興味をひかれた場合、新たな可能性を発見できた証拠です。
勤務地に不満がある
勤務地に不満があるケースは、状況によってはやむを得ない理由といえるでしょう。
- 希望しない地方へ転勤を余儀なくされた
- 通勤時間が片道2時間を超える
- 家庭の事情で勤務地から遠く離れた場所へ引っ越しすることになった
勤務地は、生活基盤にかかわる要素です。
残業代や給与が払われない
残業代・給与が支払われないケースは、労働基準法に違反します。法的な問題を含んだケースであるため、早急な対応をしなければなりません。
成長できない
成長できないと感じて転職を考えることは、将来のキャリアパスを見据えた健全な理由といえます。具体的な例として、以下のようなケースがあげられるでしょう。
- 研修などがまったくない
- チャレンジできる機会がない
- 毎日同じことの繰り返しでスキルアップが見込めない
体調不良など
体調不良は、自身の健康状態を守るという意味で重要な判断といえます。
具体的なケースは、以下の通りです。
- 仕事のストレスで眠れない日が続く
- 過労で持病が悪化した
- 通院が必要になった

新卒が転職するのにおすすめの業界5選
新卒の転職におすすめの業界を紹介します。
①広告業界
広告業界は、企業の商品・サービスを世の中に広めることを目的とした業界です。
未経験でもポテンシャル評価がされやすい点が、メリットとしてあげられるでしょう。必要とされる主なスキルは、以下の通りです。
- 柔軟な発想
- 創造力
- トレンドに敏感
新しいアイデアを考えたり、スピーディーな変化を楽しめたりする人に向いています。
②IT業界
IT業界は、情報技術を活用して現代社会を支える基盤ともいえる業界です。
成長産業であることから、未経験者でも積極的に採用する求人が豊富な点がメリットといえます。専門スキルが身につき、リモートワークが可能な企業も多めです。
③商社業界
商社は、国内外におけるさまざまな商品・サービスの取引を仲介する業界です。
幅広い業界の知識・スキルが身につく点は、メリットとしてあげられるでしょう。海外への駐在・出張も多く、グローバルな視点とネットワークを構築できる点も魅力です。商社業界は、全体的に給与水準が高い傾向にあります。
④金融業界
金融は、お金の流れを扱う業界です。銀行・証券・保険・資産運用など、多種多様なビジネスを展開しています。
成果に応じた評価がされやすいことから、若手でも高収入が目指せる点はメリットです。また証券アナリスト・FPといった資格も豊富にあり、取得をすれば将来は独立も視野に入れてキャリアパスが築けます。
⑤人材業界
業界・職種を問わず、さまざまな企業では事業を運営するために人材を確保しなければなりません。そのサポートや個人のキャリア支援を行うのが、人材業界です。
さまざまな人の人生に深く関わりながら仕事をこなすため、大きなやりがいを感じやすいという特徴があります。成果報酬型を採用している企業もあり、頑張り次第で収入が増やせる点もメリットといえるでしょう。

新卒で転職する時誰に相談する?
新卒で転職する際の相談相手について紹介します。
家族や友人
家族や友人は、新卒で転職を考えている時に最も身近で相談しやすい存在です。性格や価値観を理解しているため、客観的かつ親身なアドバイスをもらえるでしょう。精神的な支えにもなり、安心して話せる環境でストレスを軽減できます。
職場の先輩や同僚
職場の先輩や同僚は、現在の会社の内部事情や業務内容を最もよく理解している身近な人です。転職の相談をした際には、具体的なアドバイスが期待できるでしょう。
彼ら自身の転職経験談を聞くことで、社内でのキャリア形成の可能性や外部に転職した場合のリアルな状況を知るいい機会になります。
ハローワーク
ハローワークは、厚生労働省が運営する公共の職業紹介所です。新卒の転職においても利用可能で、以下のような手厚いサポートが無料で受けられます。
- 求人紹介
- 職業訓練の案内
- 履歴書添削
- 面接対策
地域に密着した求人も多く、Uターン・Iターン転職を考えている場合にもおすすめです。
転職エージェント
転職エージェントは、専任のキャリアアドバイザーが転職したい人の希望やスキルに合った求人を紹介してくれるサービスです。
新卒の転職においても、非公開求人を含む幅広い選択肢を提案してもらえます。また、以下のようなサポートも無料で受けられるのでおすすめです。
- 履歴書
- 職務経歴書の添削
- 面接対策
- 企業との条件交渉
新卒で転職する際の周囲への伝え方
新卒で転職する際の周囲への伝え方を確認していきましょう。
上司への伝え方
退職の意思を伝える際はまず直属の上司に、直接口頭で打診します。
その際、引き止めに遭う可能性もあるかもしれません。転職の意志が固まっている場合は、以下の点を簡潔に伝えてください。
- 退職時期の目安
- 転職理由
同僚への伝え方
同僚には、退職の意思を上司に伝えた後に報告するのがマナーです。
個人的な事情や前向きな理由を簡潔に伝えます。このとき、迷惑をかけることへのお詫びと感謝の気持ちを伝えることを忘れないでください。
親への伝え方
親へ転職を伝える際は、まず不安にさせないように落ち着いて話すことが重要です。
感情的になってはいけません。なぜ転職を決意したのか、次のキャリアで何をしたいのかを具体的に説明しましょう。
漠然とした不満だけでは、親の不安をあおることになりかねません。「自分の成長のため」「より良い環境で働きたい」といった前向きな理由を伝え、具体的な転職活動の進捗も共有すると安心してもらえます。

新卒で転職を成功させるコツ
新卒で転職を成功させるコツを紹介するので、参考にしてください。
自己分析やスキルの向上を目指す
新卒での転職成功には、徹底した自己分析が不可欠です。なぜ転職したいのか、どんな仕事なら活躍できるのか、具体的な希望を明確にしましょう。
同時に現職で身につくスキルを意識し、以下のような汎用性の高いスキルの習得に努めることもポイントです。
- PCスキル
- コミュニケーション能力
- 専門知識
転職理由を明確化する
新卒での転職を成功させるには、転職理由の明確化が必須です。
「なぜ辞めたいのか」だけでは、十分とはいえません。以下のようなポイントを中心に、具体的に言語化しましょう。
- 転職して何を実現したいのか
- 次の会社でどう貢献できるのか
- 今後どのように成長していきたいのか
転職活動中は仕事を辞めない
新卒の転職では、転職活動中は現職を辞めてはいけません。収入が途絶え、経済的な不安から冷静な判断が難しくなるからです。
在職中であれば、収入が途絶える心配はありません。精神的な余裕を持って活動できるでしょう。また、企業側は「すぐに働ける」人材より「計画的に転職する」人材を評価する傾向があります。
企業研究を徹底する
新卒の転職成功には、徹底した企業研究が不可欠です。
企業のビジネスモデル・文化・求める人物像だけでは、十分とはいえません。口コミサイトやSNSなども活用し、リアルな働き方や雰囲気を把握しましょう。

まとめ
新卒1年目での転職事情について解説しました。
新卒1年目での転職は、決して珍しいことではありません。しかし、2年目以降の転職者と比較すると条件などで厳しい面があります。転職を成功させるためには、徹底した事前準備が必要といえるでしょう。
本記事で紹介した転職に向いている時期・成功のコツなどを参考にして、徹底した準備で成功率を高めてください。
