
大学生の新卒のなかには、コンサル業界への就職を希望する人がいます。その理由として収入面・経験面があげられるでしょう。このようなメリットを考慮した場合、コンサル業界は魅力的な業界です。
しかしその一方で、「新卒でコンサル会社への入社が可能なのか」「コンサル業界に向いているのかわからない」といった疑問・不安を抱えている人も少なくありません。
本記事では、大学生向けのコンサル業界新卒採用事情について解説します。新卒で入社するメリット・デメリット・向いている人なども含めて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
新卒でコンサル会社に入社することはできるのか?
大学生のなかには、卒業後にコンサル会社への就職を希望する人が一定数存在します。しかし新卒でコンサルへの入社が可能なのか、疑問を抱いている人も少なくありません。
結論から申し上げますと、新卒でのコンサル会社への入社は可能です。ただし、ほかの業界と比較すると特徴的な点がいくつかあります。
コンサル会社へ新卒で入社する際の、採用試験などについて確認していきましょう。
新卒採用が少ない
そもそも、コンサル業界における新卒採用はあまり多くありません。その主な理由は、以下の通りです。
- 即戦力志向
- 育成コストの高さ
- 少数エリート採用
コンサル会社の主な業務内容は、クライアントの課題・問題に対する解決策の提案および実行です。クライアントは、短期間でクオリティの高い成果を求めています。
このような業務内容・条件に対応できる従業員を育成するためには、時間とコストを要するのが現状です。
選考フローが独特
コンサル会社のなかには、新卒でも応募可能なところもあります。しかし、その場合に実施される選考フローは独特です。
- 会社説明会・イベント
- ESの提出
- 筆記試験・Webテスト
- グループディスカッション
- ケース面接
- インターンシップ
- 個人面接
上記は多くのコンサル会社で実施される選考フローですが、そのなかでも特徴的なのがケース面接でしょう。
ケース面接とはフェルミ推定と呼ばれる、市場規模などを推定する思考法に基づいたビジネス課題が与えられます。応募者は、これに対してその場で論理的に思考して解答しなければなりません。
周りにエリートが多い
新卒でコンサル会社への就職を目指す場合は、周りにエリートが多い点を考慮しましょう。エリートといっても、有名大学からの応募者だけではありません。
以前は、有名大学出身のほうが採用されやすいとされてきました。しかし近年、その傾向は変わりつつあります。
即戦力を求めている点については、すでに解説しました。コンサル会社側は、新卒で即戦力として期待できる人材なら学歴問わず採用したいと考えています。そのため、大学卒ではない人材を採用するケースも少なくありません。


コンサル会社に新卒で入社するメリット
新卒でコンサル会社に入社するメリットを紹介します。
一般的な会社ではできない経験が積める
一般企業ではできない経験が積める点は、メリットとしてあげられるでしょう。主なメリットの具体的な内容は以下の通りです。
メリット | 概要 |
顧客が経営層 | ・経営の本質に触れることが可能 ・ビジネスマナーの習得が可能 |
変わりやすい環境 | ・プロジェクト参加が短期間 ・多種多様な業界がクライアント |
コンサル会社のクライアントは基本的に企業の経営層であり、短期間で結果を出さなければなりません。また、業界の垣根を越えてさまざまなクライアントに対応します。
一般企業でこのような経験ができるケースは、あまり多くないでしょう。
高収入が見込める
高収入が見込める点も、メリットのひとつです。
コンサル業といってもさまざまな種類がありますが、主な職種における平均年収は以下の通りです。
職種 | 平均年収 |
経営コンサルタント | 903.2万円 |
ITコンサルタント | 752.6万円 |
キャリアコンサルタント | 591万円 |
人材コンサルタント | 903.2万円 |
広報コンサルタント | 591万円 |
M&Aコンサルタント | 903.2万円 |
(参考:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)))
国税庁が公開している「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円でした。上記の一覧表で紹介したコンサルタント職は、いずれもこの平均を上回っています。
スキルアップが早くできる
スキルアップが早くできる点も、メリットとしてあげられるでしょう。その理由として、以下のような点が考えられます。
- 業務量が多い
- 高度なインプットとアウトプットサイクルが求められる
- 論理的思考と問題解決能力の徹底した訓練ができる
- 社内研修が充実している会社が多い
コンサルタント業界での1年間の経験は一般企業の3年分に等しいといわれますが、その理由となっているのも上記にあげた点です。
またクライアント獲得競争が激化しており、優位性を保つためにも圧倒的なスピードでスキル・専門知識を習得しなければなりません。多くのコンサル会社ではそのような環境が整っているため、スキルアップが早くできるのです。
経験を武器に転職できる
経験を武器に転職できる点も、メリットといえるでしょう。コンサル業界で求められるスキルは、ほかの業界・職種でも重視されるものばかりだからです。
例えばコンサル業界で必須とされる課題解決能力は、他業界の営業部門でも必要なスキルのひとつとしてあげられます。
起業のスキルを身に着けられる
起業のためのスキルが身に着けられる点も、メリットといえます。クライアントの多くは、企業の経営層だからです。
自社が抱える課題・問題の解決を求めるクライアントの多くは経営者であり、経営する側の視点での捉え方・考え方が求められます。
仕事を通じて経営のノウハウが身につく職種は、決して多くありません。経営者のそばで仕事をすることでノウハウ・スキルが身に着く点は、メリットといえるでしょう。
コンサル業界の文化に馴染める
コンサル業界の文化に馴染める点も、メリットとしてあげられます。
コンサル業界はクライアントが抱える経営課題を解決するとともに、付加価値も提供しなければなりません。これらの最適化を目的として、以下のような独自ルールが形成されてきました。
- ファクトベース(事実に基づく思考)とロジカルシンキング(論理的思考)の徹底
- 仮説思考と高速PDCA
- クライアントファーストとプロフェッショナリズム
- アサインメントベースの働き方
- 情報収集力とキャッチアップ力の重視
これらは、一般企業ではあまり導入されていないルールであり文化です。このような独特の文化・ルールに触れることで習慣付けられ、ほかの業界・職種に転職しても即戦力となって活躍できるでしょう。
自信を身につけられる
自信につながる点も、メリットとしてあげられる要因です。
コンサル業界の新卒採用は積極的には行われておらず、入社は難しい傾向があります。そのような難関を突破して入社できれば、その事実だけで自信につながるでしょう。
また、コンサル業界は成果主義が基本です。インセンティブ制度なども導入されており、成果を上げれば目に見える形で成果が実感できます。成果というわかりやすい指標を基準にして成功を積み重ねることでも、自信が培われていくでしょう。

コンサル会社に新卒で入社するデメリット
新卒でコンサル会社に入社することで得られるのは、メリットだけではありません。
ここでは、デメリットにフォーカスして紹介します。
業務内容が難しい
業務内容が難しい点は、デメリットといえるでしょう。クライアントが希望する結果を出さなければならないからです。
コンサル業界の主な業務内容は、クライアントが抱えている経営課題への具体的な解決策の提案と実行ですが、これらは決して簡単なことではありません。
特に提案内容は実行可能かつ成功率の高いものでなければならず、この両方を兼ね備えた有効な解決策を提案するためにはある程度の経験が必要不可欠です。
長時間労働になる場合がある
長時間労働の点もデメリットとしてあげられます。コンサル業界は、クライアントファーストをルールとしているからです。
経営者がコンサル会社に相談する時間帯は、一般的な営業時間が終了した後が多いでしょう。状況によっては、土日といった休日に対応しなければならないこともあります。
さらに、短期間でクライアントが希望する結果を出さなければなりません。それを満たすためには、長時間労働を余儀なくされます。
他業界への転職で年収が下がる場合がある
他業界転職時には、年収が下がる可能性があります。コンサル業界の年収が、他業界と比較して高めに設定されているからです。
また、前述で長時間労働になる場合がある点について前述で解説しました。時間外勤務が増加すれば、その分残業手当や休日出勤手当などが加算されます。
他業界に転職すると、基本給が下がる点に付け加えて時間外労働時間も減少するでしょう。全体的な年収がコンサル業界のそれと比較して下がってしまう点は、デメリットといえるかもしれません。
事業会社での経験が積めない
事業会社での経験が積めない点は、デメリットといえます。このデメリットについては、ピンとこない人もいるかもしれません。
コンサル会社の業務内容はクライアントが抱える課題の解決であり、そのためには以下のような点を重視しながら進める必要があります。
- クライアント視点での課題分析
- 課題解決のための効果的な提案
- クライアントを納得させられるプレゼン
- 提案の実行およびアドバイス
これらはその事業の背景・クライアントの立場を考慮しなければなりません。しかし事業会社での経験がない場合には、このような視点で考えることが困難であり、苦労を強いられることになるでしょう。
プライドが高くなってしまうことがある
プライドが高くなってしまう可能性がある点も、デメリットといえるかもしれません。
コンサル業界は成果主義であることから、多くの成功を積み重ねることで自信が培われます。しかし、なかには過剰な自信から高いプライドを持ってしまうケースも少なくありません。
業務ではさまざまな業界の経営層に対応するため、ある程度のプライドは必要です。しかし高すぎると「独りよがり」「鼻持ちならない」と思われてしまうので、謙虚さを忘れないようにしましょう。

コンサル業界に向いている人はどんな人?
コンサル業界に向いている人の特徴を紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力が高い人は、コンサル業界に向いています。コンサル業界では、クライアントが抱える課題を知ることから仕事が始まるからです。
課題・問題点を知らなければ、有効性の高い提案はできません。しかし企業が抱える課題・問題を初対面の人に積極的に話す人はあまり多くないでしょう。
勉強することが苦じゃない人
勉強することが苦にならない人も、コンサル業界に向いているといえるでしょう。コンサル業界では、高い学習意欲が求められるからです。
クライアントはさまざまな業界で活躍する人であり、依頼内容に合わせてその業界について深掘りして学習しなければなりません。有効性の高い解決策を提案するためにも、業界のことを詳しく知る必要があります。
また解決策には社会情勢を考慮しなければならないケースも多く、常に変動する情勢を学び続けることが重要です。
論理的思考力がある人
論理的思考力がある人は、コンサル業界をおすすめします。ロジカルシンキングは、コンサル業界で最も必要とされるスキルのひとつだからです。
クライアントに解決策を提案する際、明確な根拠を提示しなければなりません。根拠が提示できなければ解決策は机上の空論であり、説得力・信ぴょう性に欠けます。
課題を見つけ解決するのが好きな人
課題の発見と解決が好きな人も、コンサル業界に向いています。この2つの好きなことは、コンサル業界での業務内容のメインだからです。
コンサルの主な仕事は課題・問題を解決するための提案と実行ですが、そのためには課題・問題点を的確に把握しなければなりません。
またクライアントは早期解決を求めていることが多く、スピーディーな対応が必要不可欠です。
課題の発見と解決が好きな人はスピーディーな対応が期待できるため、コンサル業界に向いているといえるでしょう。
人の意見に耳を傾けることができる人
人の話を聞くことが得意な人も、コンサル業界をおすすめします。クライアントの話を聞かなければ、課題・問題点の正確な把握が難しいからです。
クライアントが思っている課題・問題と、実際のそれとが異なるケースは少なくありません。正確に把握するためには、クライアントの話に耳を傾ける必要があります。
相手の話を遮ることなく、最適なタイミングで合いの手を入れて話を聞くことが得意な人は、課題・問題の本質も正確に把握できるでしょう。
向上心のある人
向上心のある人も、コンサル業界がおすすめです。
クライアントは自社が抱える課題・問題の早期解決を求めていますが、実際にはそれだけではありません。単なる解決だけではなく、さらなる向上を求めているケースは意外と多いのが現状です。
向上心のある人は、このようなクライアントの本心に寄り添った提案・行動ができます。クライアントから高い満足度も得やすいので、向いているといえるでしょう。
ポジティブな人
思考がポジティブな人も、コンサル業界に向いています。提案した解決策が、必ずしも成功するとは限らないからです。
綿密な調査・分析から導き出した解決策ではありますが、絶対に成功するという保証はありません。状況によっては思うような結果が得られなかったり、そもそも解決が困難だったりするケースもあります。
またクライアントは早期解決を望んでいますが、目に見える成果が出るまで時間がかかることもあるでしょう。その場合には、クライアントから問い詰められることも少なくありません。

コンサル業界のやりがい
コンサル業界のやりがいはどこにあるのでしょう。
具体的なやりがいについて紹介します。
チームで成し遂げられる達成感
チームで成し遂げた際に得られる達成感は、やりがいのひとつです。
コンサル会社で請け負うクライアントからの依頼はチームで対応することが多く、ひとりですべてを担うことはあまりありません。
クライアントが抱える課題や解決策の提案、実行といったさまざまな局面にチーム全体で取り組みます。時には、想定外のトラブルが発生することもあるでしょう。
グローバル規模で様々なことに触れられる
コンサル業界のなかでも、外資系のコンサル会社では、グローバルな視点で多様な業務や文化に触れる機会が豊富にあります。
海外に本社・支店があるケースも多く、世界中の同僚と接することもあるでしょう。また、海外プロジェクトへの配属を任命されることもあるかもしれません。
このように、グローバル規模で業務が行える点にやりがいを感じている人もいます。
コンサル業界志望におすすめな資格
コンサル業界志望におすすめの資格について紹介するので、参考にしてください。
中小企業診断士
主催者 | 一般社団法人中小企業診断協会 |
特徴 | ・経済産業省が所管する国家資格 ・中小企業支援法に基づいた経営に関する幅広い知識とスキルの証明 ・日本版MBAと称されることあり ・取得難易度は高め ・合格後は15日以上の実務補習受講をするか、実務に従事して中小企業診断士として登録 |
メリット | ・体系的な経営知識の習得が可能 ・高い信頼性とブランド力あり ・キャリアアップや転職に有利 ・独立開業の道を切り開くルートのひとつ ・AIに代替されにくいスキル |
URL | https://www.jf-cmca.jp/contents/007_shiken.html |
キャリアコンサルタント資格
主催者 | ・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 ・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会 |
特徴 | ・厚生労働省が所管する国家資格 ・実質的な知識と技能の証明 ・専門家としての信頼性の担保 ・受験資格に養成講習修了または実務経験が必要 ・5年ごとの更新制 |
メリット | ・専門家としての信頼性が向上 ・傾聴力やコミュニケーション能力の向上 ・自己理解と自己成長の促進 ・多様かつ柔軟なキャリアパス |
URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consultant01.html |
PMP(プロジェクトマネジメント資格)
主催者 | Project Management Institute(アメリカの非営利団体) |
特徴 | ・世界的に認められた国家資格 ・プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明 ・国際的な認知度と信頼性あり ・資格は更新制 ・業界や業種を問わない汎用性 |
メリット | ・グローバルなキャリア展開の可能性あり ・キャリアアップや年収アップの可能性あり ・業務の効率化とプロジェクト成功率の向上 |
URL | https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/ |
IT系資格(AWS認定・ITストラテジストなど)
IT系のコンサル会社への就職を希望する場合は、コンサルタント関連の資格だけではなく、IT系の資格も取得しておいたほうがよいでしょう。
AWS認定・ITストラテジストなど、IT系の資格は多岐にわたります。どのような方面が得意なIT系コンサル会社なのかを事前に調べ、業務内容などに準じた資格を取得しておきましょう。
MBA(経営学修士)
主催者 | 世界中の大学院のビジネススクール |
特徴 | ・ビジネススクールで取得できる経営学の大学院修士号 ・ケースメソッド教育が中心 ・フルタイムやパートタイムなどさまざまなプログラム形式あり ・高い学費と時間投資が必要 |
メリット | ・問題解決能力と意思決定能力の向上 ・リーダーシップとマネジメント能力の強化 ・キャリアアップと年収アップ ・グローバルな視点と異文化理解の育成 ・企業の知識とスキルの習得が可能 |
コンサル業界の仕事
コンサル業界の仕事について、確認していきましょう。
アナリスト
コンサル業界のアナリストは、プロジェクトの基礎を支える役割を担います。主な業務内容は以下の通りです。
業務内容 | 具体例 |
情報収集 | 市場調査、業界分析、競合分析など |
データ分析 | 定量データの集計、可視化など |
また分析結果を基にPowerPointなどを用いて提案資料や報告書を作成して、クライアントへのプレゼンテーション準備やミーティングの議事録作成なども行います。常に論理的思考力と正確性が求められるポジションです。
コンサルタント
コンサル業界のコンサルタントは、クライアント企業の経営課題の特定と解決策を立案・実行支援する役割を担います。
具体的な業務内容・手順は以下の通りです。
手順 | 業務内容 |
戦略・施策の構築 | アナリストが収集・分析したデータをもとに構築 |
提案 | クライアントの経営層に構築した戦略・施策をプレゼンテーション |
最終的な成果にコミット | ・プロジェクトの進捗管理 ・参加メンバーへの指示 ・クライアントとの折衝 |
論理的思考力に加え、高いコミュニケーション能力や問題解決能力が不可欠な役割といえるでしょう。
マネージャー
コンサル業界のマネージャーは、プロジェクトの現場責任者です。担当するプロジェクトの成功に対して、全責任を負わなければなりません。
具体的な業務は多岐にわたりますが、以下はその一例です。
業務内容 | 例 |
プロジェクト管理 | 計画策定、進捗・予算管理、リスク対応など |
チームマネジメント | メンバーの育成及び指導、タスクの割り振りなど |
クライアントとの折衝 | ニーズ把握、信頼関係の構築、提案および合意の形成など |
自身も専門性を発揮するとともにアナリストやコンサルタントの業務をレビューし、最終成果物の品質を担保します。また新規案件の獲得に向けた提案活動や営業活動にも関与し、ファームの売上にも貢献する重要な役割です。
パートナー
コンサル業界のパートナーは、ファームの最高責任者層です。
その役割は多岐にわたりますが、そのなかでも最も重要な業務として以下の4つがあげられるでしょう。
- 新規クライアントの開拓
- 既存クライアントとの関係維持による案件獲得
- プロジェクトの最終的な品質と成果の全責任
- 戦略的な方向性の決定
加えて、ファーム全体の経営戦略の策定や組織運営にも深く関わり、コンサルタントの採用、育成、評価を通じて人材育成を推進します。ファームの顔として、業界の第一線で活躍し、知識や経験を活かしてコンサルティング業界を牽引する存在です。
コンサル業界の職種
コンサル業界の職種について解説します。
シンクタンク系
シンクタンク系コンサルティングとは、実践的なコンサルティングを行う調査・研究機関としてのシンクタンクのことです。
(例)NTTデータ経営研究所、野村総合研究所など
戦略系
戦略系コンサルティングは、企業経営の根幹にかかわる戦略に特化しています。
(例)ボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニーなど
FAS(Financial Advisory Service)系
FAS系コンサルティングは、主に財務に特化した専門的な解決策を提案する点が特徴です。
(例)PwCアドバイザリー、経営共創基盤など
IT系
IT系は、クライアント企業の課題をIT活用によって解決します。
(例)ガートナージャパン、フォーチャーアーキテクトなど
HR系
HR系は、人に関する課題解決を専門とするコンサルティングです。
(例)マーサージャパン、ウイリス・タワーズワトソンなど
総合職系
総合系コンサルティングは、企業のあらゆる課題に対して戦略立案から実行支援まで幅広いサービスを提供します。
(例)EY、アビームなど
新卒に人気なコンサルティング会社
コンサル業界は中途採用が多めですが、新卒を採用しているところがないわけではありません。
新卒に人気が高いコンサルティング会社を紹介するので、参考にしてください。
外資系コンサル会社
コンサルティング会社のなかでも、外資系コンサル会社にフォーカスして紹介します。
アクセンチュア
アクセンチュアは、世界最大級の総合コンサルティング会社です。
支援範囲は経営戦略・IT・オペレーションといった多岐にわたり、一般企業だけではなく政府機関にも支援を行っています。
新卒採用で求める人材像は、意欲的に新しいチャレンジを繰り返したい人です。企業とともに積極的に自己成長したい人に向いているでしょう。
日本アイ・ビー・エム
日本アイ・ビー・エムは、世界有数のIT企業であるIBMの日本法人です。
AI・ハイブリッドクラウド・セキュリティといったIT系のコンサルティングを行っています。そのため、コンサルとともにIT系の知識も必要不可欠です。
新卒採用では、クライアント企業が抱える課題解決を通して、社会システムそのものも作り変えていくことに積極的な人材を求めています。
デロイトトーマツコンサルティング
デロイトトーマツコンサルティングとは、イギリスロンドンに拠点を持つデロイト・トイシュ・トーマツの一員としてコンサルティングサービスを提供する日本支部です。
クライアントの持続的な成長を支援することが得意であり、社会的な課題解決などにも貢献しています。
この会社が新卒採用で求める人物像は、当たり前を疑い、信念と誠実さをもって課題にコミットできる人です。
KPMGコンサルティング
KPMGコンサルティングは、KPMGジャパンのなかでもアドバイザリー分野を担っています。
リスクマネジメント・ビジネストランスフォーメーションといったコンサルティングサービスが中心です。
KPMGは、クライアントに寄り添うとともに社会から信頼されるサービスの提供を目指しています。新卒でも、この会社が大切かつ目指していることに共感できる人が求められるでしょう。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、BIG4と呼ばれる総合コンサルティング会社です。
得意な分野は会計系ですが、デジタル・公共サービス領域のコンサルティングも行っています。
求める人物像は、常にクライアントに寄り添いながら課題解決にこだわりを持つ人です。
日系コンサル会社
日系コンサル会社にもフォーカスして確認していきましょう。
アビームコンサルティング
アビームコンサルティングは、日本に拠点を置いてアジアを中心に展開するグローバル総合コンサルティング会社です。
IT・戦略といった幅広い分野のコンサルティングサービスを提供しています。
採用時に求める人材の定義は、以下の通りです。
- 個およびチームの力を最大限発揮する働き方を目指す人
- 未来に軸足を置いた変革を実現したい人
- 専門性を深めて進化していきたい人
上記のような人物像にあてはまると判断される人材が、採用される確率が高いでしょう。
野村総合研究所
野村総合研究所とは、東京に本社を持つ情報サービス企業です。
IT戦略・業務改革などの幅広い分野におけるコンサルティングサービスを提供しています。
野村総合研究所が求める人物像は、挑戦し続ける意志と自ら考えて行動する主体性を持った人です。受け身ではなく、自分で考えて積極的に行動する人を希望しています。
船井総合研究所
船井総合研究所は、中小企業を中心に経営におけるコンサルティングサービスを提供する会社です。
戦略提案だけではなく、実行支援まで行って企業成長をサポートしています。
そのような船井総合研究所が求める人物像は、自ら主体的に一番を目指していく人です。一社員としてではなく、積極的に頂点を取りに行く人を求めています。
シグマクシス
シグマクシスは、変革を目指す企業のサポートをするコンサルティング会社です。
DX・SX・MXの3つの変革を主軸として、企業の事業創設・課題解決などの支援を行っています。
シグマクシスが求める人物像は、自らゴールを設定して達成する努力ができる人です。未知を恐れずに価値の創造に喜びが感じられる人を求めています。
ベイカレント・コンサルティング
ベイカレント・コンサルティングは、2014年に日本で設立された総合コンサルティング会社です。
テクノロジー・サステナビリティ・デジタルといった幅広い分野におけるコンサルティングサービスを提供しています。
ベイカレント・コンサルティングが求める人物像は、プロフェッショナルとして高いパフォーマンスでクライアントの満足を引き出せる人です。クライアントファーストでの主体的な行動ができる人を求めています。

新卒でコンサル業界に行くための対策
新卒でコンサル業界に就職するための対策を紹介するので、参考にしてください。
コンサル業界のインターンシップに参加する
新卒でコンサル業界への就職を望む場合は、インターンシップに参加することです。
コンサル会社のなかには選考フローの一環として、インターンシップを導入しているケースが少なくありません。数日間かけて行われる疑似体験プログラムに参加することで、早期内定・最終選考パスが得られる可能性があります。
新卒就活イベントに参加する
新卒就活イベントへの参加も、対策のひとつとしてあげられるでしょう。イベント参加も、選考フローに導入されていることが多いからです。
新卒就活イベントは、コンサル業界へ就職する初めの足掛かりの役割も担っています。このイベントに参加することでインターンシップ参加につながる場合もあるので、実施されている場合は必ず参加しましょう。
コンサル業界に強い就活エージェントに相談する
コンサル業界に強い就活エージェントを利用する方法もおすすめです。
エージェント会社は独自のルート・情報を持っており、コンサル業界に強いエージェントであれば新卒での就職も有利になるでしょう。

まとめ
新卒におけるコンサル業界の採用事情について解説しました。
コンサル業界は一般的に即戦力となる人材を求める傾向が強く、中途採用が中心です。そのため、新卒向けの採用枠が少ないという背景があります。
しかし、新卒でのコンサル業界への就職が不可能というわけではありません。コンサル会社のなかには、新卒枠として採用試験を実施しているところもあるので、そのような会社に応募するとよいでしょう。
重要なポイント
- 新卒採用は少ないが不可能ではない
- 選考フローが独特(ケース面接など)
- 高収入とスキルアップが大きなメリット
- 長時間労働などのデメリットも理解が必要
- 論理的思考力とコミュニケーション能力が重要
本記事で紹介したおすすめの資格・人気の会社・対策などを参考にして、積極的にコンサル業界での採用試験に挑戦してみてください。

