
大学生活の中で「インターンシップに参加してみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、どこから始めればよいのか分からず、一歩を踏み出せずにいる学生も少なくありません。
本記事では、インターンシップの基本知識から探し方、参加までの具体的な流れまで、初心者にも分かりやすく解説します。将来のキャリアを考える第一歩として、ぜひ参考にしてください。
そもそも大学生が参加するインターンとは
大学生にとってインターンシップは将来のキャリアを考える上で重要な機会となります。しかしインターンシップには短期と長期の違いがあり、それぞれ目的や内容が大きく異なるのが特徴です。
長期インターンと短期インターンは何が違う?
長期インターンシップと短期インターンシップでは実施目的やプログラム内容に大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解して自分に合った形式を選択することが重要です。
長期インターンシップの目的は実務経験を通じてビジネススキルや専門スキルを身につけることです。そのため営業企画やマーケティングなど社員と同様の業務を行います。プロジェクトへの参加も求められるため、より実践的な経験を積めるでしょう。
一方で短期インターンシップは企業理解や業界理解を深めることを主な目的としています。会社説明会やワークショップ、社員との座談会などが中心的な内容となります。
項目 | 短期インターン | 長期インターン |
期間 | 半日~2週間程度 | 1ヶ月以上 |
目的 | 企業・業界理解 | 実務経験の習得 |
内容 | 説明会・ワーク中心 | 実際の業務に従事 |
報酬 | なし(交通費程度) | 時給・月給制 |
短期インターン
就職活動を控えた学生たちにとって、短期インターンシップは「企業の入り口」とも言える存在です。わずか半日から最長2週間という限られた時間の中で、企業が精魂込めて作り上げた学習プログラムを体験することができます。
この短期間に凝縮されているのは、その業界や職種の「エッセンス」です。会社の歴史や事業内容の紹介に始まり、業界全体のトレンドや課題について深く掘り下げていきます。現場で活躍する社員との直接対話の機会や、チームワークを試すディスカッション、そして実際の業務を模したワークショップなど、バラエティに富んだコンテンツが待っています。
興味深いことに、大学3年生の多くがこのタイプのインターンシップを選択しています。開催期間には幅があるものの、特に1~3日間の集中型プログラムが圧倒的な人気を誇っています。参加企業数を絞れば、学業への負担もそれほど心配する必要はありません。
この「手軽さ」こそが短期インターンの最大の利点かもしれません。複数の企業を比較検討したい学生にとって、効率的に情報収集ができる絶好のチャンスです。一方で、時間に制約がある忙しい学生であれば、本当に心を惹かれる企業や業界に的を絞って参加するという戦略的なアプローチも十分に有効でしょう。

長期インターン
1ヶ月以上という長いスパンで取り組む長期インターンシップ。これは単なる企業見学ではありません。学生が実際のビジネスの現場に身を置き、本格的な実務スキルを磨くための貴重な機会なのです。
短期プログラムとの決定的な違いは何でしょうか。それは「本物の仕事」に携わりながら、しっかりと対価を得られるという点にあります。まさに有給のアルバイトスタッフとして、企業の戦力の一部になれるのです。
学生という立場でありながら、チームの正式メンバーとして扱われる―これが長期インターンの醍醐味です。重要なプロジェクトの一翼を担ったり、お客様との直接的なやり取りを経験したり。時には新しいアイデアの企画から実行まで、責任あるポジションを任されることもあります。もちろん、その働きに見合った報酬も時給や月給という形でしっかりと支払われます。
では、なぜこれほど多くの学生が長期インターンに魅力を感じるのでしょうか。答えは「リアルな職場体験」にあります。きれいにパッケージされた会社説明会や、表面的な企業研究では決して見えてこない「生の企業文化」に触れられるからです。この体験こそが、将来のキャリア選択において最も価値ある情報源となります。
職場の人間関係の築き方、会議での意思決定の流れ、日々の業務にかかる実際の負担感。こうした「働くことの現実」を肌で感じられるのは、長期インターンならではの特権です。

インターンの申し込み時期はいつから?
インターンシップには申し込み時期があり、タイミングを逃すと参加できない場合があります。特に人気企業のプログラムは早期に募集が締め切られることが多いため、事前の情報収集と準備が重要です。適切な時期を把握して計画的に行動しましょう。
一般的に「サマーインターンシップ」「秋冬のインターンシップ」の開催時期と申し込み時期は以下の通りです。
インターンシップの種類 | 申し込み時期 | 開催時期 |
サマーインターンシップ | 4月頃~ | 6月頃~ |
秋冬インターンシップ | 9月末頃~ | 10月頃~ |
短期インターンの場合
短期インターンの場合の申し込み時期は以下の通りです。
サマーインターンの申し込み時期
サマーインターンシップの応募ピークは6月から7月となっています。大学3年生の春から情報収集とエントリーが始まるため、早めの準備が必要です。
人気企業のプログラムは募集開始と同時に定員が埋まることもあります。興味のある企業については、採用サイトやSNSをこまめにチェックしましょう。エントリーシートの準備も春の時期から始めておくことをおすすめします。
ウィンターインターンの申し込み時期
ウィンターインターンシップのピーク応募時期は12月から1月です。秋から準備を始めるのが望ましいタイミングといえます。企業によっては10月末から募集が始まる例もあるため、早めの情報収集が重要です。サマーインターンシップに参加できなかった場合の貴重な機会でもあります。
長期インターンの場合
長期インターンシップは通年募集されることが多く、見つけたらすぐ応募することが重要です。短期インターンシップのように決まった募集時期がないのが特徴です。特に学年やタイミングよりも「募集が終了しやすい」点に注意が必要です。
人気のポジションや条件の良い募集は、すぐに定員に達する可能性があります。長期インターンシップの募集サイトを定期的にチェックし、興味のある募集を見つけたら迷わず応募しましょう。タイミングを逃すと次の募集まで待つ必要があります。

大学生がインターンに参加すると給料は出る?
インターンシップへの参加を検討する際、給料の有無は重要な判断材料の一つです。短期と長期では報酬体系が大きく異なるため、参加前に必ず確認しておきましょう。また無給の場合でも交通費支給などの条件もあるため、詳細な確認が必要です。
短期インターンの場合
短期インターンシップの多くは無給となっています。体験型やワーク中心のプログラムには報酬がない傾向があります。
これは短期インターンシップが「就業体験」を主な目的としているためです。企業側も教育コストをかけてプログラムを提供しているという側面があります。
報酬の有無だけでなく、得られる経験や学びの価値も含めて参加を検討しましょう。
長期インターンの場合
長期インターンシップでは有給であることが一般的です。時給制や日給制、成果報酬制など様々な報酬体系があります。
実務レベルの貢献に対して報酬が支払われるため、アルバイトと同様の感覚で収入を得られます。時給は地域や業界によって異なりますが、一般的なアルバイトと同程度からそれ以上の場合が多いです。

大学生がインターンに参加するメリットは?
インターンシップへの参加は、将来のキャリアを考える上で多くのメリットがあります。短期と長期それぞれに異なる利点があるため、自分の目的に合わせて選択することが重要です。ここでは具体的なメリットについて詳しく解説します。
短期インターンのメリット
短期インターンのメリットは以下の通りです。
本選考で有利になる
短期インターンシップへの参加は、本選考で有利に働くケースがあります。実際の企業との接点が評価につながる場合があるためです。
インターンシップでの積極的な姿勢や発言が印象に残り、選考時に良い評価を受けることもあります。早期選考に招待される特典がある企業も存在します。
そのまま内定をもらうケースもある
成果を上げた学生がインターンシップから内定を得るパターンもあります。特にベンチャー企業などで多く見られる傾向です。
短期間でも優秀な成果を示すことができれば、企業側から声をかけられる可能性があります。グループワークでリーダーシップを発揮したり、優秀なプレゼンテーションを行ったりすることが評価されます。
短い時間で実際に業界、企業への理解が深まる
短い時間でも実際に業界や企業への理解を深めることができます。企業の文化や仕事の流れを実体験として知る機会になります。説明会や資料だけでは分からない企業の雰囲気を感じられます。社員との直接的な交流を通じて、リアルな職場環境を知ることができるでしょう。
学業と両立できる
短期間で終わるため、授業期間でもスケジュール調整がしやすく負担が少ないという利点があります。長期休暇を利用すれば学業に支障をきたすことなく参加できます。
複数の企業のプログラムに参加することも可能なため、比較検討の材料を多く集められます。時間的制約が少ないため、部活動やサークル活動との両立も図りやすくなっています。
長期インターンのメリット
長期インターンのメリットは次のとおりです。
就職活動での強いアピールポイントになる
長期インターンシップの経験は、就職活動において大きなアピールポイントになります。実務経験がある旨を履歴書に記入できるためです。面接でインターンシップの経験を具体的に述べることができます。
インターンシップで携わった具体的なプロジェクトや成果を示すことで、自分の能力を効果的に伝えられます。実際のビジネス経験があることは、他の学生との大きな差別化要因となるでしょう。
将来の進路を具体的にイメージできる
インターンシップで実際の業務を体験することにより、自分に適した業界や職種を発見するきっかけを得られます。現場での働き方を直接見ることで、理想と現実のギャップを理解できるでしょう。
また社員の方々と接することで、その業界特有の文化や価値観も肌で感じられます。これらの経験を通じて明確なキャリアイメージを持てるようになり、就職活動における志望動機もより具体的で説得力のあるものになります。
収入アップを目指せる
アルバイトと似た感覚で稼げるだけでなく、会社で実務経験を積むこともできます。一般的なアルバイトよりも時給が高く設定されている場合も多くあります。スキルアップしながら収入も得られるため、時間を有効活用できます。
そのまま就職につながる可能性もある
インターンシップ先で実績を積むことで、内定直結型の採用につながる可能性があります。そのままの流れで正社員オファーを受けるケースも実際に存在します。企業側も学生の能力や人柄を十分に把握できるため、リスクの少ない採用が可能になります。
学生側も企業の実情を理解した上で就職できるため、入社後のミスマッチを防げます。特に即戦力として活躍できることが証明されれば、優遇された条件で採用される場合もあります。

大学生がインターンに参加するデメリットは?
インターンシップには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。参加前にこれらの点を理解しておくことで、後悔のない選択ができるでしょう。短期と長期それぞれの注意点を把握し、自分の状況と照らし合わせて判断することが重要です。
短期インターンのデメリット
短期インターンのデメリットは以下の通りです。
給与をもらえないインターンが多い
短期インターンシップでは無給のケースが一般的です。「就業体験」が主目的であるため、労働対価としての報酬は期待できません。交通費や昼食費の支給があるケースもありますが、時間的な投資に対する金銭的なリターンは限定的です。アルバイトと比較すると経済的なメリットは少なくなります。
業務の一部しか経験できない
短期間という制約があるため、会社の業務全体を深く理解することは困難です。「体験」の域に留まることが多く、実際の仕事の全体像は見えにくくなります。
表面的な理解に終わってしまい、期待していたような深い学びが得られない場合もあります。過度な期待は禁物といえるでしょう。限られた時間の中で最大限の学びを得るためには、事前準備と積極的な姿勢が不可欠です。
職場の雰囲気を味わいにくい
特に1日形式やオンライン形式では、社員との交流が限定されます。実際の職場文化や雰囲気が伝わりづらいという問題があります。
普段の職場の様子や社員同士の関係性を知ることは難しく、企業選択の判断材料として不十分な場合があります。短時間では見えない企業の真の姿を把握するのは困難です。
人間関係を構築しづらい
短期間で終わるため、他の学生や社員と深く関わる機会が少なくなります。関係構築が難しく、長期的なネットワーク形成には限界があります。就職活動で有利になるような人脈を作ることは期待できません。継続的な関係を築くためには、別途努力が必要になります。
長期インターンのデメリット
長期インターンのデメリットは以下の通りです。
学業やプライベートとの両立が難しい
週3日から4日の出勤が求められる場合が多いため、学業をおろそかにする可能性があります。授業やゼミとの時間調整が難しくなることもあります。
部活動やサークル活動、友人との時間も制限される可能性があります。大学生活のバランスを保つことが課題となるでしょう。時間管理能力と優先順位の設定が重要になります。
責任がある仕事を任されるプレッシャー
アルバイトとは異なり実務を経験できる反面、ミスが許されないプレッシャーを感じることがあります。ビジネスとしての厳しさに直面する場面も多くなります。
学生気分のままでは対応できない責任の重さを感じることもあるでしょう。プロフェッショナルとしての意識と行動が求められます。ストレス耐性や精神的な強さも必要になってきます。
想像と違う仕事を任される場合がある
「マーケティングをしたいと思って入ったら、ずっと資料作成だけだった」など、期待していた仕事内容とギャップが生じるケースもあります。業務内容をよく確認してから参加しないと、モチベーション低下につながる可能性があります。
倍率が高い
長期インターンシップの倍率は平均10倍以上となっています。企業規模や募集ポジションによっても合格難易度は大きく異なります。大手企業やフルリモート求人になるほど、内定率は極端に低くなる傾向があります。人気職種の場合は倍率が50倍を超えることもあります。
企業規模という観点では、中小企業よりも大手有名企業の方が合格率は低くなります。大手有名企業の長期インターンシップは、参加したい学生が非常に多いためライバルも増加します。

大学生がインターンを探す方法は?
インターンシップを探す方法は複数あり、それぞれに特徴とメリットがあります。一つの方法に頼らず、複数の手段を組み合わせることで、より多くの機会を見つけることができます。自分に合った探し方を見つけて、効率的に情報収集を行いましょう。
大学のキャリアセンターで探す
学内にあるキャリアセンターは信頼できる情報源の一つです。担当者に相談することで非公開求人が得られる可能性もあります。
大学と企業との間に築かれた信頼関係により、質の高いインターンシップ情報が集まります。担当者からのアドバイスも受けられるため、初めてインターンシップに参加する学生には特におすすめです。
知人に紹介してもらう
大学のOBやOG、サークルの先輩やゼミのつながりから紹介してもらえるケースもあります。相談してみることの大切さを理解しておきましょう。
人脈を通じた紹介は、一般応募よりも選考で有利になる場合があります。企業の内部情報も事前に得られるため、ミスマッチを防ぎやすくなります。普段から先輩や教授との関係を大切にしておくことが重要です。
企業のHPを検索してみる
大手企業からベンチャー企業まで、企業公式サイトにだけ掲載されるインターンシップ情報もあります。気になる企業のサイトは定期的にチェックすべきです。
採用ページやニュース欄に最新情報が掲載されることが多いため、ブックマークしておくと便利です。SNSアカウントをフォローして情報を逃さないようにすることも効果的です。
就職サイトから探してみる
リクナビやマイナビなどの就活サイトにはインターンシップの特集ページがあります。「一括応募」機能など便利な機能も用意されています。
検索機能を使って業界や職種、開催地域などの条件で絞り込むことができます。複数企業の情報を効率的に比較検討できる点も大きなメリットです。

大学生がインターンに参加するまでの流れ
インターンシップに参加するためには、計画的な準備と段階的なステップが必要です。早めの行動開始と丁寧な準備が成功のカギとなります。ここでは参加までの具体的な流れを5つのステップに分けて詳しく解説します。
インターンシップに参加するまでには大きく5つのステップがあります。
②エントリー・マイページ登録をする
③ES(エントリーシート)を準備する
④選考(書類・適性検査・面接)を受ける
⑤インターンに参加する
インターンの情報を集める
就活サイトや企業の採用ページ、大学のキャリアセンターが主な情報源となります。SNSやOB訪問なども有効な手段です。
大学生にとっては「早めの行動」が最も重要なポイントです。人気企業のプログラムは募集開始と同時に定員が埋まることもあります。
エントリー・マイページ登録をする
就職サイトや企業のサイトを参考にして、エントリー時期を正確に把握しておくことが必要です。企業の情報を効率的に受け取る環境づくりが重要になります。
マイページ登録は早めに済ませておき、最新情報を逃さないようにしましょう。メール通知の設定も忘れずに行ってください。複数企業に同時にエントリーする場合は、管理表を作成して整理することをおすすめします。
ES(エントリーシート)を準備する
大学生向けのインターンシップではES提出が一般的になっています。志望動機や自己PR、学生時代に力を入れたことなど準備すべき項目があります。
企業ごとに求められる内容が異なるため、事前に過去の選考情報を調べておきましょう。文字数制限や提出形式も確認が必要です。添削を受けられる機会があれば積極的に活用し、質の高いESを作成しましょう。
選考(書類・適性検査・面接)を受ける
SPIやWebテスト、面接(個人・グループ)など企業ごとに選考内容が異なります。事前準備の重要性を理解しておきましょう。
筆記試験対策は早めに始めて、継続的に学習することが重要です。面接対策では想定質問への回答準備と模擬面接の実践が効果的です。企業研究も入念に行い、志望動機を明確にしておきましょう。
インターンに参加する
インターンシップ当日には意識すべき点があります。服装や持ち物、時間厳守、基本的なマナーの確認が必要です。
特に初日は第一印象が重要であるため、社会人としての基本的な心構えを持って臨みましょう。積極的な姿勢と学ぶ意欲を示すことが大切です。メモを取る習慣や質問を準備しておくことで、より充実した経験を得られます。

まとめ
インターンシップは、大学生にとって将来を考える貴重な機会です。短期インターンシップでは業界理解と企業文化を知ることができ、長期インターンシップでは実務経験を通じたスキルアップが期待できます。申し込み時期については、サマーインターンシップは4月頃から、秋冬インターンシップは9月末頃からエントリーが始まります。長期インターンシップは通年募集のため、興味のある募集を見つけたらすぐに応募することが重要です。
報酬面では、短期インターンシップは多くが無給ですが、長期インターンシップでは給与が支給されるのが一般的です。メリットとしては、就職活動でのアピールポイントになることや、将来の進路を具体的にイメージできることが挙げられます。一方でデメリットとして、学業との両立の難しさや責任の重さを感じる場合もあります。
インターンシップを探す方法は、大学のキャリアセンター、知人の紹介、企業の公式サイト、就職サイトなど複数あります。参加までの流れは、情報収集からエントリー、選考を経て実際の参加まで計画的に進める必要があります。ぜひこの記事を参考に、自分に合ったインターンシップを見つけて積極的にチャレンジしてみてください。きっと理想のキャリアを描くための第一歩となるはずです。

