
面接は就職活動の中でも特に緊張しがちな場面ですが、できるだけ自信を持って自分の魅力をアピールしたいですよね。
面接時の第一印象で選考結果が大きく変わってしまう場合もありますので、印象が良くなる基本マナーをしっかり押さえておくことが大切です。
そこでこの記事では、自信を持って面接に臨むために、基本マナーや事前準備、面接時のミスを防ぐ方法を詳しく解説します。
近年増加しているWeb面接のやり方やマナーについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
はじめに:面接は第一印象がすべて
面接の結果は、面接官があなたに対して持つ印象によって大きく変わります。
特に、面接が始まってすぐの第一印象が良好であれば、そのまま最後までスムーズに進むことが多くなります。
まずは面接の目的とマナーの重要性について再確認しながら、第一印象の影響について見ていきましょう。
面接の目的とマナーの重要性
まずは面接の目的について確認しておきましょう。
採用担当者が応募者の性格や人柄、適性を確認したり、コミュニケーション能力や対応力を評価するために行われます。面接を受ける側としても、選考書類に記入するだけでは伝わらない自分の強みや魅力をアピールする機会になります。
緊張する場面で自己管理ができる能力も評価されるため、基本マナーを意識した準備をしっかり行うことで、面接官から良い印象を持ってもらいやすくなるでしょう。
第一印象の影響(見た目・話し方・態度)
第一印象は主に以下の3つのポイントが大きく関わります。
- 見た目
- 話し方
- 態度


見た目については、服装や髪型などの身だしなみが重要です。面接室に入室した最初の数秒間である程度の第一印象が決まってしまいますので、面接が始まる前に身だしなみのチェックをして整えておくことが大切です。たとえば、寝癖が付いていないか、ネクタイは曲がっていないか、靴が汚れていないか、女性の場合適度なメイクをしているかなどをチェックしておきましょう。
また、話す内容だけでなく話し方によって印象が大きく変わります。明るい声でハキハキ話すように心がけ、自信がなさそうにボソボソ話したり、語尾が聞こえにくくならないよう気をつけましょう。
表情や姿勢、歩き方などの態度によっても印象が変わります。意識して口角を上げるようにすると、表情と話し声の両方が明るい印象になるためおすすめです。椅子の背もたれにもたれたり、猫背になったりしないよう姿勢にも気を配りましょう。
面接前の準備:スムーズなスタートのために
少しでも余裕を持って本番に臨むためには、面接前の事前準備が大切です。
当日の持ち物や服装と身だしなみ、面接会場での受付についてしっかり確認しておきましょう。
持ち物チェック
まずは面接の当日の持ち物をチェックしておきましょう。
どんな面接でも必要になることが多い基本的な持ち物は、以下のとおりです。
- バッグ(A4サイズの冊子が入るサイズ)
- スマホ
- エントリーシート、履歴書(コピーも持っておく)
- 会社案内、面接会場の地図
- ハンカチ、ティッシュ
- 筆記用具
- 腕時計
また、必要に応じて以下の持ち物も持っていくとよいでしょう。
- スマホの充電器
- 印鑑と朱肉
- 携帯用の鏡やエチケットブラシなど
- 折りたたみ傘
服装と身だしなみ
スーツの着こなし
スーツの着こなしは男性と女性でそれぞれ気を付ける点が異なります。
男性の場合、スーツの色は落ち着いた色のグレーかネイビーで、柄やストライプのない無地のものを選びましょう。前ボタンが縦1列になったシングルボタン配置のテーラードスーツがオーソドックスな着こなしです。
女性の場合は無地のテーラードスーツで、色はグレーやネイビーに加えてベージュやライトグレーでもよいでしょう。パンツスーツまたは膝だけのタイトスカートが基本的な着こなしです。
髪型
身だしなみで特に気を付けたいのが髪型です。
男性の場合、まず寝癖がついていないかを確認し、ワックスやジェルを使って髪型を整えておきましょう。寝癖がない場合でも、整髪料で髪につやを出しておくと印象が良くなります。
女性の場合、ある程度のカラーリングは許容されることが多いですが、明るすぎる茶髪は避けるようにしましょう。過度なカラーリングで髪が傷んでいると印象が悪くなるため注意が必要です。
靴・鞄
靴や鞄は当日着るスーツとデザインが合っているものを選び、実際に鏡で確認してみましょう。
鞄はA4サイズが入るサイズを選び、あまり大き過ぎるものは避けた方が無難です。キーホルダーなどのアクセサリーなどは外しておくようにしましょう。
靴はスーツに合った色合いなら革靴だけでなく紐で結ぶタイプでも問題ありません。面接の前日までに、汚れていたりかかとが磨り減っていないか確認しておきましょう。
アクセサリー・メイク
男性の場合は、結婚指輪以外のアクセサリーはできるだけ外しておいた方が無難です。
女性の場合は指輪やネックレス、ピアス、ブレスレットなどのアクセサリーが許容される場合もありますが、応募先の企業によって判断が異なります。目立ちすぎないよう控えめのデザインのものを選ぶか、外せるものは外しておくとよいでしょう。
事前リサーチの重要性
面接でスムーズに自分の魅力をアピールするために、応募先の企業について事前にリサーチをしておくことが大切です。
具体的には、企業情報や企業が求める人物像、面接形式について調べておくことが大切です。
面接形式が事前に分かっていれば落ち着いて本番を迎えることができ、面接官からの質問にも的確に回答しやすくなります。
また、応募先の企業の沿革や企業文化などに詳しくなっておくと、面接官にも意欲の高さが伝わり、印象が良くなるでしょう。
面接会場への到着時間と受付の流れ
面接会場の受付では、カウンターに案内係がいる場合や、無人で内線電話やインターフォン、または画面を操作する受付システムを使用する場合があります。
受付に「本日の◯時から、◯◯(部署名)の◯◯様と面接の約束をしております、◯◯です。」と伝え、担当者の案内に従いましょう。
面接時の基本マナー
面接官に良い印象を持ってもらうためには、面接時の基本的なマナーに気を付けることが大切です。話す内容だけに気を取られないよう注意しましょう。
以下で入室時、面接中、退室時のそれぞれの基本マナーについて解説します。


入室のマナー
入室のマナーは第一印象に影響する重要なポイントです。以下の3点に注意して入室しましょう。
- ドアのノックのしかた
- 入室の流れ
- 椅子の座り方
以下でそれぞれ順番に解説していきます。
ノックの回数とタイミング
面接が行われる部屋に入室する際にはドアのノックを行いましょう。ノックする回数は3回が一般的です。
ノックの音が大きすぎても小さすぎてもよくありませんので、適度な力で丁寧に3回ノックを行いましょう。
入室の流れ
ノックをすると面接官から「どうぞ。」などと入室を促されます。入室する前のドアの外から「失礼いたします。」と伝えてから、丁寧にドアを開けて入室しましょう。
次に、面接官の方を向き、「本日はよろしくお願いいたします。」などと伝えながらお辞儀をします。その後、用意された椅子のところまで進みます。
椅子に座るタイミング
椅子に座る前に、自分の名前を伝えながら挨拶を行い、もう一度お辞儀をしてから座ると印象が良くなります。
「本日はお時間を頂きありがとうございます。◯◯と申します。よろしくお願いいたします。」と伝えてお辞儀をします。
そうすると、面接官から「どうぞ。」などと着席するよう促されますので、「失礼します。」と伝えてから着席しましょう。
鞄は椅子の横に置くのが一般的ですが、置く場所が指定されている場合は指示された場所に置くようにしましょう。
面接中のマナー
面接中は以下の3つのポイントに注意しましょう。
- 姿勢、表情、視線
- 話し方
- 言葉遣い
それぞれ具体的に解説します。
姿勢・表情・視線のポイント
面接中は椅子に座った状態で会話をしますが、背もたれにもたれず、背筋を伸ばした状態で椅子に浅く座ります。猫背になると印象が悪くなりますので、自宅で着席時の姿勢を鏡で見ながら練習するとよいでしょう。
男性は足を肩幅を目安に広げて、手は軽く握って足の上に乗せるようにします。女性は足を閉じた状態で、手は指先を伸ばしたまま膝の上で重ねるのが基本です。
面接官が話していたり質問をしているときは、視線は面接官の目を見ながら、口を引き締めて、相手の話を真剣に聞くようにしましょう。
話し方のコツ
自分が話すときは、明るいハキハキとした話し声で、面接官に聞こえやすくなるように意識しましょう。また、適度に面接官の目を見てアイコンタクトを取りながら話すことも大切です。
話すスピードは少しゆっくりめになるように意識して、早口にならないよう気を付けましょう。
言葉遣い(正しい敬語・避けるべきフレーズ)
言葉遣いのマナーとして、まずは正しい敬語を使うよう心がけましょう。
自分自身を指す一人称は男女共通で「わたくし」または「わたし」を使います。語尾を「です・ます」とする丁寧語で話し、尊敬語、謙譲語を正しく使うことが大切です。
また、フォーマルな場に相応しくないカジュアルなフレーズは避けるようにしましょう。
「御社」と言うべきところを「こちらの会社」と言ったり、二重敬語など、敬語のミスもマイナスの印象になります。
退室時のマナー
面接が終了した後の退室時のマナーも見られています。
最後まで気を抜かず、基本マナーを徹底するようにしましょう。
退室の流れ
面接が終了したら、面接官に挨拶を行います。まず椅子から立ち上がって「本日は、お忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。」と伝えてお辞儀をします。
次に、鞄を持ってドアに向かって進み、ドアの前で再度面接官にお辞儀をします。面接官の方を向き直って「失礼いたします。」と伝えてお辞儀をします。お辞儀の後に面接官とアイコンタクトを取ると印象が良くなるでしょう。
ドアの締め方
静かにドアを開けて面接室から出たら、大きな音が出ないよう気を付けながら静かにドアを閉めましょう。
面接で失敗しないために:事前に防げるミスとは?
ここからは、面接で失敗しないために、事前にミスを防ぐ方法を見ていきましょう。
面接前の事前準備の段階で防げるミスと、面接中のミスをしないための防止策を解説しますので参考にしてください。


面接前に防げるミス
身だしなみチェック不足
すでにお伝えしたように、面接の結果を左右する第一印象を決める要因として、身だしなみは重要なポイントです。
特に、入室してすぐの視覚的な印象の影響は大きいため、身だしなみのチェック不足が原因で印象を悪くしてしまう可能性があります。
到着時間がギリギリになる
面接会場への到着時間がギリギリになったり、遅刻してしまわないよう注意が必要です。
開始時間の5分前には受付を済ませるのが基本ですが、途中で道に迷う可能性もあります。事前にルートを調べておき、不安な場合は早めに出発するようにしましょう。
上記でお伝えしたように、受付の前にトイレなどで身だしなみの最終チェックをする時間があれば安心できます。10分〜15分前に到着するように移動するとよいでしょう。
面接中に起こりやすいミスと防止策
相手の話を聞き逃す
自分が話す内容ばかり気にしていると、相手の話を聞き逃してしまう場合があります。面接官の話を聞いておらず会話が噛み合わない状態では、コミュニケーション能力や協調性が足りないと評価されてしまうかもしれません。
回答が長すぎる/短すぎる
面接官の質問に対する回答が長すぎると要点が伝わりにくく、短すぎると熱意や内容の薄さを感じさせてしまいます。
敬語のミスが多い
面接の本番ではどうしても緊張してしまうため、普段使い慣れていない敬語を無理に使おうとすると混乱してミスにつながることがあります。
Web面接のマナー:オンラインだからこそ気を付けること
ここからは、ビデオ通話を使ってオンライン上で面接を行うWeb面接のマナーについて解説します。
以下でWeb面接の事前準備から面接前、面接中、面接終了後のマナーをそれぞれ解説します。


事前準備
静かな環境を整える
Web面接は自宅で行うのが一般的ですが、できるだけ静かな環境を整えておくことが大切です。面接中に騒がしい音がしたり、突然の大きな音で面接が中断してしまうと、印象が悪くなってしまう場合があります。
面接を行う部屋のドアや窓はしっかりと閉め、家族にも面接を行うことを伝えて協力してもらいましょう。また、面接中にスマホの着信音やバイブ音がするのも印象が良くないため、電源を切っておいた方が無難です。
機材のチェックをする
面接の本番までに余裕を持って機材のチェックをしておきましょう。
たとえば、よくある失敗例として以下のようなことがあります。
前日までにデバイスや機材のチェックを行い、面接中のトラブルを未然に防ぐことが大切です。
服装も対面と同じくきちんとする
Web面接でも、対面面接と同じように服装をきちんと整えることが大切です。
自宅で行う場合でも、特に指定がなければ服装は上下スーツを着るのが基本です。髪型や女性のメイクなど基本的な身だしなみも徹底するようにしましょう。
また、対面面接と同じようにスーツを着て身だしなみを徹底することで、気持ちが引き締まり、好印象な受け答えがしやすくなることも期待できるでしょう。
Web面接開始時のマナー
適切な姿勢とカメラの位置
面接時の姿勢は、対面面接と同じように背筋を伸ばして椅子に浅く座るようにします。背もたれにもたれたり、猫背になったりしないよう注意しましょう。
カメラの位置で気を付けることは、カメラとの距離と角度です。
まず、Web面接の画面には証明写真のように胸元から上が自然に収まるようにして、小さくなりすぎないよう注意します。
明るく聞き取りやすい声を意識
面接中に自分が話すときは、明るく聞き取りやすい声を意識します。口角を上げるようにして、普段よりもゆっくり話すようにしましょう。
Web面接中のマナー
アイコンタクトの代わりにカメラを見る
Web面接では面接官がその場にいないため、面接官の目を見て話すことができません。アイコンタクトの代わりに、カメラのレンズを見るようにしましょう。
面接官の話を聞くときは、適度にカメラのレンズを見ながら相槌を打つようにします。自分が話すときも、カメラのレンズを面接官の目だと思ってアイコンタクトをしながら話しましょう。
話すタイミングを意識
Web面接はインターネット回線で映像と音声を転送していますので、会話にタイムラグが発生することがあります。面接官が話し終わる前に話し始めてしまったり、話すタイミングが面接官と同時になったりしないようタイミングをしっかりと意識しましょう。
相槌やリアクションを意識的にする
Web面接は画面越しに会話を行いますので、表情やリアクションが相手に伝わりにくいという注意点があります。相槌やリアクションは意識的に行い、少しオーバーなぐらいで丁度よいと考えておきましょう。
Web面接終了時のマナー
退室の流れ
Web面接終了後の流れは、対面面接と大きく変わります。対面の場合は面接終了後に立ち上がって挨拶とお辞儀をしますが、Web面接では立ち上がるとカメラに顔が映らなくなってしまいますので、座ったまま挨拶をします。
なお、先にどちらが接続を切るかはケースバイケースです。面接官が先に退室することもあれば、こちらが先に退室するよう促されることもあります。いずれの場合でも、自分で判断せず面接官の指示に従うようにしましょう。
接続を切る前に「失礼します」と伝える
Web面接ツールの接続を切る際には、カメラを見ながら丁寧に「失礼します。」と伝えます。最後まで緊張感を失わず、丁寧に対応するようにしましょう。
よくある質問Q&A
最後に、面接についてのよくある質問とその回答を紹介します。
面接の当日に想定外の出来事が発生した際に、どのように対処すればよいか事前に確認しておきましょう。


対面面接に関するQ&A
Q.1面接当日に遅刻しそうになったらどうすればいい?
電話では、できるだけ落ち着いて丁寧な言葉遣いで話し、重要な点を簡潔に伝えるよう心がけましょう。急な出来事への対応力として評価される場合もあります。
また、公共交通機関の遅延で遅刻した場合は、遅延証明を受け取っておくようにしましょう。
Q.2緊張しすぎてうまく話せないときの対処法は?
また、面接の前日までに事前準備をしっかりしておけば、本番で緊張しにくくなります。応募先の企業について詳しく調べたり、想定される質問をリストアップしたり、話す内容をまとめておけば、緊張しながらも過度に焦ることなく話すことができるでしょう。
Q.3面接で言葉が詰まったらどうする?
無理に話そうとして混乱したまままとまりのない話をするよりも、素直に時間をもらえるよう伝える方が印象が良くなる場合が多いでしょう。
面接中に緊張するのは誰にでも起こることで、緊張することでかえって誠実な印象になることもあります。少し言葉が詰まるだけで大幅なマイナス評価になる心配はありませんので、焦らず落ち着いて対応しましょう。
Web面接に関するQ&A
Q.4Web面接中に通信トラブルが起きたら?
すぐに改善しない場合は、インターネット接続を確認し、ビデオ通話のアプリを再起動するなどして再接続を試みましょう。
それでも解決しない場合は、企業からの指示を待つか、事前に共有されている連絡先にメールや電話で状況を伝え、指示を待ちましょう。緊急時のために事前に連絡先を確認しておくことも重要です。
まとめ

この記事では、面接の事前準備や当日の基本マナーなど、面接のやり方について詳しく解説しました。
面接時の基本マナーや第一印象は、就職活動の結果を大きく左右する重要なポイントです。
まずは服装や髪型などの身だしなみを整え、持ち物などの事前準備をしっかりと行いましょう。また、受付から面接本番、退室までの基本マナーを再確認し、自信を持って本番を迎えられるようにすることが大切です。
近年ではWeb面接も増えていますので、オンライン通話での話し方や相槌の打ち方、アイコンタクトのやり方なども知っておくと安心です。
ぜひこの記事を参考にしながら事前準備を行い、余裕を持って面接の本番を迎えられるようにしてください。