
就職活動を進める中で、面接や履歴書などの「自己PR」でお悩みの方も多いのではないでしょうか?
「自己PRってどう書けばいいの?」「話の組み立て方が分からない」「強みやアピールポイントの見つけ方は?」など、疑問点が出てくると思います。
この記事では、面接に受かるための自己PRの書き方や評価のポイント、自己PRで話すセールスポイントの選び方などを詳しく解説します。
ESや履歴書などに記入する自己PRや、短所を聞かれたときの答え方も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
企業が自己PRを聞く理由とは?


履歴書や職歴だけでは分からない性格や能力などの魅力や、社内で円滑に働くことができるか、強みを活かして活躍できるかといったことを判断しています。
以下で自己PRはどのように評価されるのか詳しく見ていきましょう。
自己PRの評価ポイントを知ろう!
以下で企業側が自己PRから求職者をどのように評価するのか見ていきましょう。
自己PRを通じて何を判断されているのか、基本的な評価ポイントを解説します。
人柄・性格
採用担当者が自己PRで評価している主なポイントは、応募者の人柄や性格です。
履歴書や職務経歴書ではその人の得意な分野やスキルは判断できますが、職場環境に馴染めるかどうか、募集している職種に向いているかといったことは分かりにくいため、自己PRで判断しています。
また、自己PRのエピソードから、誠実さや責任感、粘り強さといった基本的な人間性や、困難な状況でどのような行動を取る人なのかも判断しようとしています。
応募者のセールスポイントと自社との相性
応募者のセールスポイントが自社の求める人材像とマッチするかを判断しています。
たとえば、チームワークを重視する会社であれば、協調性や集団の中で協力しながら成果を出したエピソードが高く評価されやすくなるでしょう。営業職の募集であれば、コミュニケーション能力や行動力、粘り強さなどが重視されやすくなります。
担当する業務や社内の雰囲気と相性のよい人は、職場に馴染みやすいため、すぐに活躍できるようになります。逆に、自社との相性が悪いと早期退職につながるリスクがあるため、自己PRを通じて見極めが行われています。
入社後に能力を発揮できるか
応募者が入社後に能力を発揮して、会社に貢献できるかという点も評価ポイントです。
人柄や性格、セールスポイントが自社と相性がよいものならば、その人が持っている性格や強みがしっかりと発揮されれば業務での活躍が期待できるでしょう。
自己PRに過去の経験や具体的なエピソードを盛り込むことで、採用担当者に能力を発揮しているイメージを持ってもらいやすくなります。
コミュニケーション能力
自己PRを通じて応募者のコミュニケーション能力も評価されています。
ビジネスの現場で行われる報告や連絡、顧客との商談や交渉などでは、自分が伝えるべき情報を相手にとって分かりやすく、簡潔に伝える能力が求められます。
このようなコミュニケーション能力は社会人に必須なので、自己PRの書き方や伝え方からどの程度のコミュニケーション能力を身に付けているのか判断しています。


自己PRは「強み・長所」や「自己紹介」とは別物!
採用担当者が「強み・長所」を聞くのは、応募者の性格的な特徴や能力について知りたいからです。たとえば、「責任感が強い」「目標達成に向けて粘り強く取り組める」といったその人の特徴を知りたがっています。
一方で自己PRでは、「入社後に強みや特徴をどのように活かせるか」「社内でどのように貢献できるか」を判断するのが目的です。単なる自分の特徴の紹介ではなく、その特徴が企業にどのような価値をもたらすのかを示す必要があります。
PREP法で書く自己PR

以下で、PREP法を使用した自己PRの書き方を解説します。
PREP法はビジネスの現場でよく使われる文章作成方法で、以下の順番で伝えたい内容を組み立てていくのが特徴です。
2. 理由(Reason)
3. 例(Example)
4. 結論(Point)
以下でより具体的に詳しく見ていきましょう。
①Point ―自分のセールスポイントを伝える―
PREP法の最初の「P」は「Point(結論)」を表しています。自己PRでは、最初に自分のセールスポイントをシンプルで明確に伝えましょう。
私の最大の強みは、困難な状況でも粘り強く取り組む継続力です。
この部分では、「私の強みは○○です」というように、シンプルなフレーズで言い切る表現を使いましょう。曖昧な表現や「〜だと思います」といった不確実な言い回しではなく、自信を持って断言することが重要です。
最初に結論を分かりやすく述べることで、何が言いたいのかが明らかになるため、聞き手が話の全体像を把握しやすくなります。最初の段階で結論がわかっているため、その後の説明も理解しやすくなるのがメリットです。
②Reason ―理由を説明する―
2番目の「R」は、「Reason(理由)」の頭文字です。最初に自分のセールスポイントを伝えた後に、なぜそれが自分の強みと言えるのか、その理由や根拠を説明する部分です。
目標達成のためには粘り強さと柔軟な対応力が重要だと考えているからです。また、相手の立場に立って提案を改善する姿勢も大切だと信じています。
このように、単に「私の強みは○○です」と伝えるだけでは説得力が足りないため、具体的な理由を伝えて聞き手が納得しやすいようにします。
この部分では、自分の価値観や考え方、性格的な特徴や行動パターンなどを説明するとよいでしょう。
③Example -例を出す―
PREP法の「E」は「Example(具体例)」の頭文字です。この部分で、自分の強みを実際に発揮したエピソードを具体的に紹介しましょう。
大学2年次のゼミ研究で、地域活性化プロジェクトのリーダーを務めることになりました。プロジェクト成功のためには地元商店街の協力が不可欠でしたが、当初は協力店舗がほとんど集まらず、イベント開催が危ぶまれる状況でした。この課題を解決するため、毎週末、商店街を直接訪問し、100店舗以上に企画説明を行いました。断られた際も諦めず、店舗側の懸念点や改善点を丁寧に聞き取り、その都度提案内容を修正しながら粘り強く交渉を続けました。その結果、最終的に30店舗の参加協力を獲得することができ、当初の目標を達成。地域イベントを成功させ、参加店舗からも高い評価を得ることができました。


たとえば、「粘り強さ」や「コツコツと努力を積み上げる力」をアピールするときに、単に「私の強みは粘り強さです」と伝えるだけで終わると強い印象を残すことができません。
この場合は、「大学1年生のときは400点だったTOEICのスコアを、語学の苦手意識を克服するために、毎日30分粘り強く勉強を続けて、800点まで伸ばすことができました」というエピソードを加えると、よりイメージしやすくなります。
また、この記事の後ほどで詳しく解説しますが、エピソードに実際の数字や固有名詞を盛り込むことで、さらに具体性と信憑性を出すことができます。
④Point -もう一度自分のセールスポイントを伝える―
PREP法の4番目の「P」は、最後にもう一度「Point(結論)」を述べる部分です。自己PRの締めくくりとして、自分のセールスポイントを改めて強調し、入社後に自分が強みを活かしてどのように活躍しているかを伝えましょう。
御社でも、新規プロジェクトや困難な業務に直面した際も、諦めることなく創意工夫を重ねながら責任を持ってやり遂げる姿勢で貢献したいと考えています。どのような状況でも最後まで取り組み、成果につなげる力を発揮します。
最後にもう一度結論を伝える理由は、自分のセールスポイントをあらためて印象づけるためです。人間の記憶は最初と最後に聞いた情報が印象に残りやすいため、重要なメッセージを最後にもう一度はっきりと伝えることで、より強い印象を与えることができます。
また、最初の「Point(結論)」と全く同じ内容を繰り返すのではなく、入社後に自分がどのように活躍しているか、入社後の抱負や意欲も添えて伝えるとさらに効果的な締めくくりになります。
PREP法を活用した前と後の自己PRを比べてみよう!
以下でPREP法を活用していない添削前の自己PRと、PREP法を活用して書き直した自己PRの例文を記載しますので、それぞれを比較してみましょう。
添削前の自己PR
添削後の自己PR


自己PRで話すセールスポイントの選び方
自己PRには自分の強みや特長などのセールスポイントを効果的にアピールすることが大切です。
しかし、自分のセールスポイントとして何を伝えればよいのか分からないという人も多いでしょう。
以下で、自分のセールスポイントを見つける方法やコツを詳しく紹介しますので参考にしてください。
セールスポイントは1つに絞る
やり方としては、まず自分のセールスポイントを複数考えてみて、その中で最も応募先の企業に関係するものを1つ選びましょう。そのセールスポイントについて、アピールの表現方法や印象的になるエピソードを徹底的に充実させていきます。
逆に、限られた文字数の中で複数のセールスポイントをアピールすると、どれも表面的で中途半端になってしまいます。
「自分にはたくさん強みがある」とアピールしたい人もいるかもしれませんが、採用担当者の立場から考えると、それぞれの内容が薄くなると本当の強みが何なのか判断しにくくなります。
特別な経験である必要はない
セールスポイントやそれを裏付けるエピソードは、特別な経験である必要はありません。
他の人がしていないような珍しい経験を無理に探すのではなく、自分の強みがよく現れていたり、学びや成長が得られた経験を探しましょう。
たとえば、アルバイトやサークル活動、ゼミの研究など、ほとんどの学生が経験しているような体験でも問題ありません。重要なのは、その中で自分がどのような課題に直面し、どのように解決したかという点です。
一見すると日常的な経験の中にも、そのときの自分の取り組み方や学びの深さによって、十分に魅力的な自己PRを作ることができます。逆に、身近な経験の方が、面接官も共感しやすく、具体的な質問もしやすいというメリットもあるでしょう。
成果ではなく課題への取り組み方を重視
アピールするセールスポイントは、過去の成果や結果よりも、そのときの課題への取り組み方を重視することが大切です。
たとえば、大学時代のサークル活動についてアピールするときは、「競技大会で1位になった」といった順位そのものよりも、「サークルのメンバーと助け合いながら、それぞれ苦手とする部分を練習し、優勝はできなかったものの、これまでで最高の成績を残すことができた」といった課題への取り組み方のプロセスを中心に組み立てましょう。
そうすると、「自分から声をかけてメンバーをまとめたリーダーシップ」であったり、「長期間の練習スケジュールを考えて学業と両立させた計画性」といったセールスポイントがしっかりと伝わります。
数字や固有名詞を用いる
自己PRの説得力を高めるためには、できるだけ数字や固有名詞を用いて具体性を持たせるようにしましょう。具体的なデータや名称を使用することで、エピソードの信憑性が向上し、聞き手もイメージしやすくなります。
自己PRで使える数字の例としては、アルバイト先や学園祭で運営したお店の売上金額、サークルやイベントなどの参加人数、継続的に取り組んだ期間などがあります。
たとえば、単に「売上を向上させました」ではなく、期間と売上の2つの数字を用いて「3ヶ月間で売上を15%向上させました」と伝えると、どれだけの改善があったのかが明確になります。
義務的な場面で発揮された能力や特徴にする
セールスポイントは、自分が義務的に取り組まなければならない場面で発揮された能力や特徴を選ぶことが効果的です。
義務的な場面とは、たとえばアルバイトや大学の授業、サークル活動、ボランティアなどが考えられます。逆に義務的でない場面とは、個人的な趣味や娯楽、家族での旅行や友人との遊びなどです。
義務的な場面での行動は、その人のビジネスでの能力を正確に表しやすく、入社後の働きぶりを予測しやすいという特徴があります。
また、義務的な場面では、自分の考えだけでなく、他者との協力や集団での目標達成も求められます。コミュニケーションスキルやチームワーク、リーダーシップなど、ビジネスで重要な能力をアピールしやすくなります。
一方で、趣味や自分の興味のある分野での成果は、「好きなことだから頑張れたのではないか」と受け取られるかもしれません。
短期より長期のエピソード
短期間の出来事よりも、長期間にわたる取り組みからセールスポイントを選ぶことが効果的です。
たとえば、単発のアルバイトでの経験よりも、1年間続けた長期アルバイトでの経験の方が、より説得力を持って自分の特徴や強みをアピールできます。
短期間での経験では、課題があったとしても一時的な取り組みだったから乗り越えられたのかもしれず、その人の本質的な能力を判断するには情報不足になってしまいます。
集団や対人関係での経験を選ぶ
自己PRのセールスポイントは、自分だけの個人的な経験よりも、集団や対人関係での経験を選ぶことが重要です。
たとえば、サークル活動やアルバイト、大学の授業のグループワーク、インターンシップなど、集団での経験は効果的なアピールになります。
企業に入社した後のビジネスの現場では、上司や部下、同僚、顧客など社内外の多くの人と協力しながら成果をあげていきます。チームの中で強みを発揮したり、集団で課題を解決する能力が重視されるため、セールスポイントもそれに合わせて選びましょう。
応募企業で生かせそうな能力を選ぶ
応募する企業で活かせる能力を選ぶことも重要です。
まず、企業研究や業界研究をしっかりと行い、応募する企業がどのような事業を行っていて、どんな人材が求められているのかを把握しておきましょう。企業が求める人物像に合致する特徴を自分のセールスポイントとしてアピールできれば、自社と相性が良いと評価されやすくなります。
たとえば、営業職を募集している企業であれば、セールスポイントはコミュニケーション能力や相手に配慮する能力、行動力や粘り強さなどを選ぶとよいでしょう。
セールスポイントを探そう!


セールスポイントの選び方のコツが分かったところで、実際に自分のセールスポイントを探してみましょう。
セールスポイントの効果的な探し方として、以下の5つの方法がおすすめです。
自己分析ツールを活用する
自己分析ツールは、自分の性格のタイプや特徴、強みや長所、短所などを客観的に把握できる便利な方法です。
専門家が作った分析ツールを活用することで、自分の長所を再確認したり、気付いていなかった強みを発見できる可能性があります。
利用方法は簡単で、パソコンやスマホの画面に表示される質問に直感的に答えていくだけで、その場で診断結果を表示してくれます。
たとえば、自分の長所だと思っている性格が、自己分析ツールの結果にもはっきりと出ていれば、自信を持ってセールスポイントとしてアピールできるでしょう。
自己分析ツールには、性格診断や強み診断、価値観診断など、様々な種類があります。複数のツールを活用することで、より詳しく自分自身を理解できるようになります。
過去の経験を書き出してみる
過去の経験を書き出して、それぞれの経験から学んだことや発揮した能力を整理することでセールスポイントが見つかることもあります。
まず、大学に入学してから現在までの、学業、アルバイト、サークル活動、ボランティアなど過去の経験を思い出して、紙やパソコンの画面に書き出してみましょう。
それに加えて、「なぜこのことに取り組んだのか」「どのような課題や挫折があったか」「課題をどのように解決したか」「そこから何を学んだか」も書き出していきます。
この作業をしていくと、普段から自分が無意識のうちに発揮している長所や特徴、困難な状況への対処方法のパターンが見えてきます。
マインドマップを作成する
マインドマップは、自分の頭の中の思考を紙やパソコンの画面などに書き出して、視覚的に整理したり、新しい気付きを得るためのツールです。
まず、紙とペンを用意して、中央にメインテーマとなるキーワードを書きます。そこから連想されるテーマをメインテーマの周囲に配置していき、関連性のあるテーマ同士を線で結び、思考のつながりを可視化していきましょう。さらに、それぞれのカテゴリーから具体的な経験、学んだこと、発揮した能力などに細かく枝を分けていきます。
自己PRのセールスポイント探しでは、まず中心に「自分」を置き、そこから「学業」「アルバイト」「サークル活動」「趣味」「友人関係」など関連するカテゴリーを配置して線で繋いでいきます。
たとえば、アルバイトやサークル活動、学業のグループ発表で共通して「リーダーシップ」を発揮していることに気付くかもしれません。
このように、過去の記憶や人間関係などから連想してマインドマップを作ることで、自分の性格や内面的な特徴を整理することができます。
短所からの逆発想
自分の短所や苦手なことから逆発想してセールスポイントを見つける方法もおすすめです。自分が短所として認識している特徴は、裏を返せば強みになることが多いからです。
たとえば、「心配性」「慎重すぎる」という短所は、「リスクに備える能力」「計画的に物事を進められる」という強みになります。同じ特徴が、悪い出方をすると失敗の原因になり短所と認識されますが、ポジティブな出方をすれば長所にできる可能性があります。
短所から逆発想して長所とする際のポイントは、実際にその性格が良い結果をもたらした具体的なエピソードが見つかるかどうかです。たとえば、「大学の試験対策やグループ発表などで慎重に計画を立てた結果、予想外のトラブルにも対処できた」といったエピソードがあれば、自信を持ってセールスポイントにすることができます。
友人や家族に聞いてみる
友人や家族に客観的な意見を聞いてみることで、自分では意識していなかった強みや特徴を発見できることもあります。信頼できる身近な人に性格や長所・短所を分析してもらうことを他己分析と呼びます。
やり方はとても簡単で、家族や友人、クラスメイトなどに、就職活動のためと伝えたうえで、「私の強みや特徴は何だと思う?」と質問をしてみましょう。「どんなときに一番輝いて見える?」「私に任せると安心できることは?」といった質問も効果的です。
普段から接している身近な人は、本人よりも客観的に見ることができるため、性格や特徴をより正確に把握している場合も多いです。自分では当たり前だと思っていることが、実は他の人から見ると長所や強みに映ることもあるでしょう。
ESや面接、履歴書など提出先ごとの自己PRの作り方
面接やES、履歴書など様々な場面で自己PRを求められますが、場面ごとに最適な自己PRを作ることが大切です。
以下で提出先ごとの自己PRの作り方を詳しく解説します。
ES
ES(エントリーシート)は、書類選考の段階で企業に提出する応募書類です。
企業によって様式は異なりますが、多くの場合は200〜400文字程度の文字数で簡潔に自己PRを書く必要があります。
ESに記入する自己PRは、この記事で紹介したPREP法の構成を基本として、指定された文字数内で、可能な限り具体的でインパクトが出るよう工夫しましょう。
また、面接官がESの自己PRに興味を持った場合に、面接で深掘りされても答えられる内容にしておくことが重要です。
面接
面接では、自分が口頭で話すペースで1〜2分程度で自己PRを完結させることが一般的です。上記で紹介したPREP法で自己PRを作り、一度声に出して読んでみて時間を計ってみましょう。
文章で書くESとは異なり、対面またはWeb面接の画面越しに話すため事前の練習をしておくことも大切です。伝える内容だけでなく、表情や適度なアイコンタクト、ハキハキとした話し方が印象を大きく左右します。
一言PR
一言PRは、短時間の面談や複数人が参加する場面で求められる簡単な自己PRです。「自己PRを簡潔にお願いします」などと伝えられた場合に、より短い時間で自分の強みを分かりやすくアピールする必要があります。
一言PRでは、目安として30秒程度で自己PRを行うことになります。PREP法の「P(結論)」と「E(具体例)」の部分を中心に、最も印象的なエピソードを一つ選んで簡潔に表現するとよいでしょう。
履歴書
履歴書では、一般的に100〜200文字程度の限られたスペースで自己PRを記載することが多いです。
ESよりも文字数が少なくなるため、PREP法の構成を基本としながら、重要なポイントに絞って簡潔な表現で作成しましょう。一言PRと同じように、「P(結論)」と「E(具体例)」に重点を置いた構成で記入しましょう。
履歴書は他の応募書類と一緒に扱われることが多いため、ESや職務経歴書と一貫性を保つことが重要です。もちろん、面接でより深い質問をされることも多いため、面接で詳しく説明できる内容にしておきましょう。
職務経歴書
職務経歴書は主に転職活動で使用される書類で、職歴や経歴と合わせて自己PRを記載します。これまでの職場で経験した職種や担当した業務、身に付けたスキルを記入するための書類です。
職務経歴書の自己PRは、目安として200〜300文字程度にまとめるとよいでしょう。履歴書よりも詳しく記入できるため、履歴書では伝えきれなかった自分の強みを詳細にアピールできるチャンスです。
自己PRの組み立て方は、これまでの職歴での実績や身に付けたスキルを中心に構成し、入社後にどのように活かせるかをアピールしましょう。新卒の自己PRとは異なり、これまでの具体的な成果や実績を具体的な数字を使って盛り込むことが重要です。
短所を聞かれたときの効果的な答え方


面接では自己PRで強みや特徴を伝えるだけでなく、短所を聞かれることもあります。
「短所」と自己PRで伝える「長所・強み」は表裏一体でもあり、お互いに関連し合っています。短所をどう答えるか考えるときは、自己PRとの整合性も意識しておくことが大切です。
短所を答えるときのポイントとしては以下の3つを意識しておきましょう。
2. 改善可能な短所を選ぶ
3. 具体的な短所を伝える
まず、短所をネガティブな言い回しで伝えるのではなく、前向きな表現に言い換えることが大切です。たとえば、「心配性」という短所は、「ミスがないよう慎重に物事を進める」と表現すれば、仕事に対する高い責任感を持っていることになります。短所が裏を返せば長所になることを意識した答え方を心がけましょう。
自分の努力や心がけで改善できる短所を選ぶことも重要です。たとえば、「時間にルーズ」「協調性がない」など、業務に大きな支障が出る短所は避けるべきです。自分の努力で直せる短所で、改善することで長所に転換できるような短所を選びましょう。
また、短所を述べるときは抽象的な表現ではなく具体的に伝えましょう。たとえば、単に「優柔不断で迷いやすい」とだけ伝えるよりも、「優柔不断で、最適な選択肢を選ぶのに時間がかかることがあります」というように、具体的に表現した方が伝わりやすくなります。しっかりと自己分析ができている印象になり、その短所をどのように克服しているかというエピソードや改善策にも説得力が出るため評価されやすくなります。
【例文】自己PR

ここからは、自己PRの実践的な例文を紹介します。
「行動力」や「協調性」など、メインで伝えたいセールスポイントごとに最適な例文を掲載していますので参考にしてください。
「コミュニケーション能力」を伝える自己PR
「行動力」を伝える自己PR
「忍耐力」を伝える自己PR
「継続力」を伝える自己PR
「協調性」を伝える自己PR
「誠実性」を伝える自己PR
「責任感」を伝える自己PR
「リーダーシップ」を伝える自己PR
「計画性」を伝える自己PR


自己PRでしてはいけないこと
自己PRを作成するときに気をつけたいNGな例を見ていきましょう。
以下で特に注意が必要な「自己PRでしてはいけないこと」を3つ紹介しますので参考にしてください。
文字量が少なすぎる、多すぎる
自己PRの文字量は、多すぎても少なすぎてもよくありません。場面に応じた適切な文字量にまとめるようにしましょう。
文字量が少なすぎる場合、能力や適性はあっても「志望度が低い」「熱意が足りない」と評価されてしまうリスクがあります。または、志望度は高くても「自己分析が不十分」「表現力に欠ける」といった印象を与えてしまいます。
逆に、文字数が多すぎる場合は、「要点を整理できていない」「聞き手や読み手に配慮できていない(コミュニケーション能力が低い)」と判断される可能性があります。
抽象的な内容にはしない
抽象的で具体性に欠ける自己PRは自分の魅力が伝わりにくいため避けるようにしましょう。
「頑張りました」「努力しました」といった抽象的な表現だけだったり、具体的なエピソードが含まれない自己PRはNGです。採用担当者の印象に残りにくく、高い評価が得られないからです。
面接官や採用担当者は短期間で多数の応募者を評価していますので、具体的でインパクトのある自己PRを考えることが大切です。
話を盛らない
面接での深掘り質問で矛盾が生じたり、入社後のミスマッチにつながる可能性があるからです。
採用担当者は多数の応募者を評価してきた経験がありますので、不自然なエピソードや話の矛盾点は敏感に察知します。面接で詳細を質問された際に答えられなかったり、話の辻褄が合わなくなったりすると、信頼を損ねることになります。
仮に選考を通過できたとしても、話を盛りすぎたり誇張しすぎて実際の能力とズレが生じると、入社後に期待される役割を果たせないなど、ミスマッチになる場合があります。
まとめ

この記事では、面接に受かるための自己PRの書き方や評価のポイントなどを解説しました。
自己PRでは、その人の人柄や性格、コミュニケーション能力、自社との相性、入社後にどのように強みを活かせるかといった、ESや履歴書では判断しにくい部分が評価されています。効果的な自己PRを作成するために、まずは企業が自己PRを通じて何を評価しようとしているかをもう一度しっかり確認しておきましょう。
自己PRを考えるときは、「PREP法」を活用することで説得力のある自己PRが作成できます。最初にPoint(結論)、続いてReason(理由)とExample(具体例)、最後に再度Point(結論)の流れを意識して印象的な自己PRを作りましょう。

