SPIとは?科目や出題形式を例題付きで徹底解説!

SPI

今回は就職活動で重要なSPIについて、例題や対策方法を含めて詳しく解説しますね。多くの企業が導入している適性検査なので、しっかりと対策を進めていきましょう。

多くの企業が採用試験の際に導入しているSPI。SPIが企業の選考基準を占める割合は年々高まっており、希望の会社での採用率を高めるためには徹底した対策が必要です。

しかしSPI受検者のなかには「どのような対策をすればいいのかわからない」「出題される問題が独特すぎて戸惑う」といった不安・悩みを抱えている人が少なくありません

本記事ではSPIの例題を中心に解説します。企業がSPIを導入する理由・対策方法なども含めて網羅的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

SPIとは?

SPIとは、企業が新卒・中途採用の選考時に実施する適性検査のひとつです。

採用試験の一環として企業が実施する適性検査には、以下のようなものがあります。

  • 玉手箱
  • GAB(ギャブ)
  • CAB(キャブ)
  • 内田クレペリン検査
  • SCOA(スコア)

上記は適性検査の一部であり、これらがすべてではありません。

そのなかでもSPIの導入率は高く、年々増加傾向にあります。ほかの適性検査よりも選ばれている理由の一つとして、結果のわかりやすさと活用のしやすさがあげられるでしょう。

SPIの検査結果は採用担当者にわかりやすい形式となっており、応募者の性格・特性・能力などが直感的に理解できるように工夫されています。面接での質問・入社後の配置検討にも活用しやすいため、導入する企業が増加しているのです。

一方で受検者にとっては、出題される問題に戸惑う人が多いでしょう。SPIの問題は、一般的な定期試験・入試とは異なる内容です。また問題数が多いにもかかわらず制限時間が短いため、最後まで解答できないといったケースも少なくありません。

具体的な出題内容・対策方法については以降の見出しで解説するので、そちらを参考にしてください。

SPIは他の適性検査とは違うんですね。問題に戸惑うという点が気になります。

そうですね。SPIは独特な問題形式なので、初めて見る方は戸惑うことが多いです。でも安心してください、しっかりと対策すれば必ず攻略できますよ。

SPIの検査内容

SPI検査の内容について解説します。

性格検査

性格検査とは、応募者の性格や考え方を企業側が知るための検査です。「性格テスト」と表現されることもありますが、正解・不正解があるわけではありません。普段の行動・考え方に近いものを選択する形式です。

出題数:300問
制限時間:30〜40分程度

制限時間に幅があるのは、実施する企業によって設定が異なるからです。

性格検査の出題内容は主に以下の2つに分類されます。

分類 質問内容 例題
考え方・行動 ・特定の状況を問う内容
・「非常にあてはまる」~「まったくあてはまらない」までの選択肢から近いものを選んで回答
・計画を立ててから行動する
・新しいことに挑戦するのが好き
・困難に直面しても粘り強く取り組む
仕事・組織 ・仕事に対する価値観を問う内容
・会社で働く上での考え方を問う内容も出題
・仕事はプライベートよりも優先すべきだ
・新しいアイデアを積極的に提案したい
・チームで行動することは苦手だ

「考え方・行動」では、社交性・積極性・忍耐力といったさまざまな側面を確認する内容です。一方の「仕事・組織」では、入社後の働き方やどのような組織が向いているかなどを確認します。

結果は面接時の質問にも活用されるため、正直に答えることが重要です。SPIでの結果と面接時の回答に食い違いがある場合、「信用性が低い」といったマイナスのイメージを抱かれかねません。深く考えすぎないように、直感で素直に回答しましょう。

能力検査

能力検査とは、仕事をするうえで必要な基本的な知識やそのレベルを測る検査です。知識やそのレベルといっても、暗記した知識量を測る問題が出題されるわけではありません。例えば、以下のような能力の有無やレベルを確認します。

  • 与えられた情報を正確に読み取る能力
  • 素早く処理できる能力
  • 基礎的な知識の応用力

これらは、仕事を進めるうえで必要不可欠な、いわゆる「地頭」と呼ばれる能力です。これらの有無・レベルを測ることで、実際の仕事に従事したときにどれだけ活躍できるのかといったことを調べます。

能力検査は国語系を中心とする言語系と、数字を主体とした非言語系の2種類で構成されるケースが基本です。ただし、業界・職種・企業によっては英語・構造的把握のオプション検査を追加で実施することがあります。

前述で紹介した性格検査同様、能力検査にも制限時間が設けられており、その時間内に正しい解答を導き出さなければなりません。性格検査と違って能力検査では、正解・不正解が存在する問題が出題されます。問題の難易度はあまり高くありませんが、準備を怠ると思うように点数が取れません。事前に対策をしなければ、高得点を取ることは難しいでしょう。

能力検査の言語・非言語・英語・構造的把握については、以降の見出しでそれぞれ例題なども含めて紹介します。各分野の検査を掘り下げて解説するので、あわせて参考にしてください。

企業がSPIを導入する理由

企業がSPIを導入する理由について、確認していきましょう。

受験者の性格や能力を見極めるため

企業がSPIを導入する主な理由のひとつは、受検者の性格・能力を見極めるためです。

SPIの能力検査では、基礎学力・地頭を確認できます。これらは学歴や経験だけでは見えにくい部分であり、SPIの能力検査をすることで本来の基礎的な能力の確認が可能です。

また書類・面接のみでは、人柄・特性は把握しきれません。協調性・主体性の有無などを確認するとともに、本人も気づいていないような潜在的な強み・弱みも見極めます。

このようにSPIは、応募者のバックグラウンドにとらわれない公平な基準での能力・内面性の評価が可能なツールです。応募者の本質を的確に見抜く補助ツールとして、企業は導入しているという一面があります。

採用ミスマッチを防ぐため

採用時のミスマッチを防ぐために、導入しているケースも多いでしょう。

採用試験を行う企業には、独自の価値観・仕事の進め方などがあります。採用後に仕事の進め方・社風に合わない場合、早期離職のリスクが増加するでしょう。企業側は、仕事にやりがいを感じて長く働いてくれる人材を求めています。そのためには、企業の社風・文化などとのマッチング率が高くなければなりません

また応募者側のミスマッチ防止といった観点でも、SPIが導入されています。SPI自体は、選考を行う企業側の補助ツールです。しかし企業側が合わないと感じているということは、応募者側も同様のことを思っている可能性が高いといえます。入社後に企業の独自の価値観・社風にあわなければ退職し、再び就職活動をしなければなりません。

このように採用でのミスマッチは、企業と応募者双方にとってのデメリットです。このデメリットを回避するために、多くの企業はSPIを導入しています。

入社後に人材を適切に配置するため

入社後に人材を適切に配置する目的も、企業がSPIを導入する理由としてあげられるでしょう。SPIの結果は、入社後の人材配置にも活用されるからです。

企業側は、入社して間もない社員の特性・能力などを把握し切れていません。人材を適切に配置するためには特性・能力といった情報は欠かせず、その参考となるのがSPIの結果です。

また、入社後のOJTや研修計画を立てる際にも役立てられます。個別メニューを作成する際には、SPIの結果を参考にするケースが多いでしょう。

長期的な視点での人材育成・戦略としても、SPIの結果は大いに役立ちます。

企業がSPIを導入する理由がよくわかりました。単なる足切りではなく、入社後のことまで考えて活用されているんですね。

その通りです。SPIは選考だけでなく、入社後の配置や育成計画にも重要な役割を果たしています。だからこそ、しっかりと対策して臨むことが大切なんですよ。

【例題付き】能力検査の出題内容

SPIの能力検査は言語・非言語と、オプション検査の英語・構造的把握の4種類です。

これら4つの検査の内容と出題内容を、例題も含めて紹介します。

言語

能力検査のなかの言語分野とは、国語力を測る検査です。日常生活や仕事で使用する読解力・語彙力・論理的思考力などを中心とした問題が出題されます。

言語分野は後述で紹介する非言語分野とワンセットで実施されますが、言語分野のみの出題数と目安となる制限時間は以下の通りです。

  • 出題数:約40問
  • 試験時間:PC形式は15分程度、ペーパーテストは30分程度
問題数に対して制限時間は短めに設定されているため、わからない問題の見切りが鍵といえるでしょう。

主な出題範囲とその内容および問われる力は、以下の通りです。

出題分野 特徴・概要 問われる力
二語の関係 ・2単語の関係性を問う
・問題文と同じ関係が成り立つペアを選ぶ
・類義語、対義語など
語彙力、類推力、論理的思考力
語句の意味と用法 ・提示された語句の意味を問う
・適切な語句の使い方を選択する
語彙力、言葉の正確な意味と使い方の理解力
熟語の成り立ち 熟語の構成を問う 語彙力、論理的思考力、関係性の把握力
文の並べ替え ・文の正しい順序の並べ替え
・意味が通じる文章にする
論理的思考力、文章校正力、文脈理解力
空欄補充 文中の空欄に適切な語句を補充 文脈理解力、語彙力、適切な表現の選択力
長文読解 長文の内容を理解したうえで詰問に答える 読解力、要約力、情報把握力、論理的思考力

言語問題の例題

①二語の関係

問題:
「教師:生徒」の関係と同じ関係にある語句の組み合わせはどれか。

選択肢:
ア. 医師:患者
イ. 店員:商品
ウ. 運転手:乗客
エ. 作家:読者
オ. 親:子供

===============

解説:
「教師:生徒」は「指導する人:指導される人」の関係。
ア. 医師:患者 → 治療する人:治療される人(同じ関係)
イ. 店員:商品 → 人:物(関係が異なる)
ウ. 運転手:乗客 → サービス提供者:利用者(やや異なる)
エ. 作家:読者 → 創作者:受け手(やや異なる)
オ. 親:子供 → 血縁関係(関係が異なる)

解答:
ア. 医師:患者

②語句の用法

問題:
次の文の下線部「手を抜く」の意味として最も適切なものはどれか。
「彼は重要な仕事でも手を抜くことがある。」

選択肢:
ア. 手を休める
イ. いい加減にする
ウ. 作業を中断する
エ. 丁寧に行う
オ. 協力を求める

===============

解説:
「手を抜く」は慣用句で、「努力を怠る」「いい加減にする」という意味。真面目に取り組まない、手軽に済ませるという否定的なニュアンスを持つ。

解答:
イ. いい加減にする

③空欄補充

問題:
次の文章の空欄に入る最も適切な語句はどれか。
「少子高齢化が進む現代社会では、地方の過疎地域において住民の数が減少し、地域社会の(   )が深刻な問題となっている。」

選択肢:
ア. 活性化
イ. 空洞化
ウ. 多様化
エ. 効率化
オ. 簡略化

===============

解説:
文脈から「住民の数が減少」→「地域社会に何らかの問題が生じる」という流れ。住民が減ることで地域の機能や活力が失われることを表す語句が適切。「空洞化」は中身が空っぽになること、実質的な内容が失われることを意味する。

解答:
イ. 空洞化

非言語

能力検査の非言語分野は、算数・数学に近い内容が出題される検査です。処理能力・論理的思考力などを測っており、単に計算力だけを確認しているわけではありません。

非言語分野は前述で紹介した言語分野と同時に行われますが、非言語分野のみの出題数と目安の試験時間は以下の通りです。

  • 出題数:PC形式は20~22問、ペーパーテストは約30問
  • 試験時間:PC形式は約20分、ペーパーテストは約40分

言語分野よりも時間がかかるため、正確性とスピードの双方が求められます

主な出題分野と特徴および問われる能力は、以下の通りです。

出題分野 特徴・概要 問われる能力
推論 ・情報から論理的に結論を導き出す
・難易度および出題頻度が高い
論理的思考力、情報を整理する力、前提から結論を導く思考力
表の読み取り 図表を参考にして割合や数量などを計算 抽出力、正確性、分析力
割合 割合や比に関連した計算 割合や比の概念理解、計算力、文章から数式への変換力
損益算 ・ビジネス上での金銭計算
・仕入れ値、利益、割引など
経済的な概念の理解、複雑な条件の表現力
料金の割引 プランや割引の条件を比較して適切なものを選択 条件分岐から適切に計算する力
速度算 速さ、距離、時間に関連した問題 速さ・時間・距離の関係式の理解力と応用力
仕事算 複数人分担などの条件下で、仕事が完了するまでの時間を計算 仕事量を数値化する能力、効率計算力
集合 ・特定の条件に当てはまる人や割合を計算
・アンケート結果など
情報の整理力、正確性

非言語問題の例題

①推論(順序を考える問題) 

問題:
P
,Q,R,Sの4人が、カフェに順番に入店した。4人が入店した順番について、次のことが分かっている。
(ⅰ) Sの次にPが入店した
(ⅱ) 最初に入店したのはRではない
次の推論ア、イ、ウのうち、必ずしも誤りとはいえないものはどれか。AからHまでの中から1つ選びなさい。

ア. Qが2番目に入店した
イ. Rが3番目に入店した
ウ. Sが4番目に入店した

選択肢:
A. アだけ
B. イだけ
C. ウだけ
D. アとイの両方
E. アとウの両方
F. イとウの両方
G. アとイとウのすべて
H. アとイとウのいずれも誤り

===============

解説:
条件を満たす並びは下記。
1. S P Q R
2. S P R Q
3. Q S P R
4. Q R S P
以上の選択肢のうち、可能性があるのが、イしかない。

解答:
B. イだけ

②場合の数

問題:
A、B、C、D、E、F、Gの7人の中から委員長1人、副委員長2人を選出する。ただし、AとBは同時に副委員長になることはできない。選出方法は何通りあるか。

選択肢:
ア. 180通り
イ. 150通り
ウ. 120通り
エ. 100通り
オ. 90通り

===============

解説:
全体から制約のある場合を引く方法で解く。
【全体の場合の数】
委員長を選ぶ:7通り
残り6人から副委員長2人を選ぶ:C(6,2) = 15通り
全体:7 × 15 = 105通り
【AとBが同時に副委員長になる場合】
委員長がA、Bどちらでもない場合:5通り
AとBが副委員長:1通り
制約違反:5 × 1 = 5通り
求める答え:105 – 5 = 100通り

解答:
エ. 100通り

③確率

問題:
赤玉5個、青玉3個、白玉2個が入っている袋から、玉を1個ずつ3回続けて取り出す(取り出した玉は戻さない)。1回目に赤玉、2回目に青玉、3回目に白玉を取り出す確率はいくらか。

選択肢:
ア. 1/24
イ. 1/30
ウ. 1/36
ウ. 1/40
オ. 1/48

===============

解説:
全体の玉の数:5 + 3 + 2 = 10個
1回目に赤玉を取る確率:5/10
2回目に青玉を取る確率:3/9(残り9個)
3回目に白玉を取る確率:2/8(残り8個)
求める確率:(5/10) × (3/9) × (2/8) = 30/720 = 1/24

解答:
ア. 1/24

英語

能力検査の英語は、特定の業界・職種・企業が実施するオプション科目です。外資系・貿易関連など、英語の使用頻度が高い場合に実施されることが多いでしょう。

試験時間・問題数は受検形式によって異なりますが、目安は以下の通りです。

  • 試験時間:テストセンターは約20分、ペーパーテストは約30分
  • 問題数:テストセンターは20~30問、ペーパーテストは約40問
テストセンターで実施する場合、問題数は正答率によって変動するので一律ではありません。

基本的な英語の知識と読解力を確認するための検査ですが、言語・非言語と比較すると難易度は高めなので対策は入念に行っておいたほうがよいでしょう。

主な出題分野と特徴および問われる能力は、以下の通りです。

出題分野 特徴・概要 問われる能力
同意語・反意語 指定された英単語と同じ意味または反対の意味の英単語を選択 語彙力、単語の知識
空欄補充 英文中の空欄に当てはまる単語・熟語を選ぶ問題 語彙力、文法知識、文脈理解力
英英辞典 英語で書かれた単語の定義から、正しい単語を選択 語彙力、英語の定義文を読み解く力
誤文訂正 問題の英文から文法的に間違っている部分を指摘 英文法知識
和文英訳 問題文の日本語と同じ意味の英文を選択 英文法知識、英単語力、日本語から英語への変換能力
長文読解 短めの英文に関する質問に答える問題 読解力・情報把握力、推論力
整序問題 バラバラの語句・フレーズの並べ替え 英文法知識、語順の理解

英語問題の例題

①同意語問題

問題:
下線部の単語と最も意味の近い語を選びなさい。
The company decided to abandon the project due to budget constraints.

選択肢:
A. continue
B. give up
C. improve
D. postpone

===============

解説:
abandonは「放棄する、諦める」という意味です。give upも「諦める、放棄する」という意味で同じです。

解答:
B. give up

②反意語問題

問題:
下線部の単語と最も意味の反対の語を選びなさい。 The new policy will expand our business operations.

選択肢:
A. increase
B. develop
C. reduce
D. extend

===============

解説:
expandは「拡大する、広げる」という意味です。その反対語はreduce「減らす、縮小する」です。

解答:
C. reduce

③空欄補充問題

問題:
次の文の空欄に入る最も適切な語を選びなさい。
The company’s profits have _______ significantly over the past year.

選択肢:
A. declined
B. remained
C. ignored
D. forgotten

===============

解説:
文脈から会社の利益について述べており、「大幅に減少した」という意味になるdeclinedが最も適切です。

解答:
A. declined

構造的把握

構造的把握とは、物事の背後にある関係性などを読み解いて構造的に理解する力を測る検査です。

SPIの検査のなかでは比較的新しい分野であり、コンサルティング・ITといった限定的な業界・企業で実施されます。前述で紹介した英語同様、すべての企業のSPIで行われる検査ではありません。実施されるかどうか、事前にチェックしておくことが重要です。実施する場合は、テストセンターのみで行います。

試験時間:約20分
出題数:約20問(正答率によって変動)

主な出題分野と特徴および問われる能力は、以下の通りです。

出題分野 特徴・概要 問われる能力
言語系 ・文章の論理的行動や関係性が似ているもののグループ分け
・意図や構成などに注目することが重要
読解力、論理的思考力、文章構造を抽象的に捉える力
非言語系 ・文章で出題された計算や状況などのグループ分け
・計算に至る思考の構造を見抜くことが重要
論理的思考力、数的問題を抽象的に捉える力、解放パターンの把握力

構造的把握というのは初めて聞きました。どの企業で実施されるか事前に確認が必要なんですね。

そうですね。構造的把握は比較的新しい分野で、実施する企業は限定的です。志望企業がどの検査を実施するか、事前に調べておくことが大切ですよ。

構造的把握の例題

言語系問題

問題:
次のア~オの文を、最も論理的な順序に並び替えなさい。

ア:しかし、近年では環境への配慮から電気自動車が注目されている。
イ:自動車の歴史は19世紀後半に始まった。
ウ:20世紀に入ると大量生産により自動車は一般に普及した。
エ:その結果、現在では多様な車種が開発されている。
オ:当初はガソリンエンジンが主流となった。

選択肢:
A. イ→オ→ウ→ア→エ
B. イ→ウ→オ→ア→エ
C. ウ→イ→オ→ア→エ
D. イ→オ→ア→ウ→エ

===============

解説:
時系列順に整理すると、
自動車の歴史の始まり(イ)
→ガソリンエンジンが主流(オ)
→大量生産による普及(ウ)
→環境配慮による電気自動車への注目(ア)→多様な車種の開発(エ)となります。

解答:
A. イ→オ→ウ→ア→エ

非言語系問題

問題:
下の図形の規則性を把握し、「?」に入る図形を選びなさい。

○ △ □
△ □ ○
□ ○ ?

選択肢:
A. ○
B. △
C. □
D. ◇

===============

解説:
各列で図形が左に1つずつシフトしています。第1列で○→△→□、第2列で△→□→○、第3列では□→○→△となります。

解答:
B. △

SPIの受検形態

SPIの受検形態について解説します。

テストセンター

会場 リクルートマネジメントソリューションズ運営の会場
受検方法 パソコン
解答方法 選択式
所要時間 ・能力検査:35分
・性格検査:30分
特徴 ・解答済みの正答率によって問題数や内容に変化あり
・受検期間の制限あり
・会場の選択は自由
・結果は1年間有効(最新のもののみ)
・問題の難易度や出題数は正答率により変動
受検の流れ ①企業からの受検依頼メールを確認
②テストセンターの予約(能力検査のみ)
③性格検査の事前受検(自宅のPCやスマホで受験)
④予約した日時にテストセンター会場へ
⑤受付および本人確認
⑥能力検査を受検
メリット ・パソコンやインターネットを準備するが必要ない
・監視下での受検のため、公平性や信頼性が高い
注意点 ・問題を飛ばしたり後戻りしたりできない
・検査全体とは別に問題ごとの制限時間があり
・早めに予約しないと希望日時が取れない可能性あり

WEBテスト

会場 自宅
受検方法 パソコン
解答方法 記述式
所要時間 ・能力検査:35分
・性格検査:30分
特徴 ・テストはすべて記述式
・電卓の使用可
・受検期間の設定あり(期間内は24時間受検可能)
・本人確認は自己申告
・問題の難易度や出題数は正答率により変動
受検の流れ ①企業からの受検依頼メールを確認
②受験用URLにアクセス
③受験情報の入力および確認
④動作環境の確認
⑤性格検査→能力検査の順で受検
メリット ・場所や時間の選択が自由
・監督者による監視なし
注意点 ・安定したインターネット環境とパソコンが必要
・カメラやマイクが別途必要な場合あり
・スマートフォンでの受検不可
・受検結果の使いまわし不可
・公平性や信頼性に欠ける

ペーパーテスト

会場 応募した企業または企業が指定する場所
受検方法 ペーパーテスト
解答方法 選択式(マークシート)
所要時間 ・能力検査:70分
・性格検査:30~40分
特徴 ・昔からある伝統的な受検スタイル
・監督者による監視のもとで受検
・前の問題に戻って解答可能
・時間配分や解答順が自由
・問題の難易度や出題数は固定
受検の流れ ①企業からの受検案内を確認
②企業が指定した日時に会場へ
③受付および本人確認
④テスト用紙とマークシートの配布
⑤試験開始
メリット ・メモ用紙を活用した計算ができる
・電卓に頼らないため、基礎能力として評価される
注意点 ・電卓の持ち込みおよび使用不可
・ストップウォッチの使用不可
・受検結果の使い回し不可
・受検日時は固定
・時間配分が重要

インハウスCBT

会場 応募した企業の社内
受検方法 企業指定のパソコン
解答方法 選択式
所要時間 ・能力検査:35分
・性格検査:20分
特徴 ・企業が受検環境を管理
・Webカメラや監視員など不正行為への対策あり
・質問しやすい環境
・面接の直前に実施されることが多め
・電卓の使用が許可されているケース多め
受検の流れ ①企業からの受検案内を確認
②指定された日時に企業へ訪問
③受付および本人確認
④指定されたパソコンで受験
メリット ・選考の時間およびプロセスの効率化
・不正のリスク低減
注意点 ・電卓の使用不可な場合あり
・1問あたりの解答時間は短め
・受検結果の使い回し不可

SPI対策はいつから始めればいい?

SPI対策をいつから始めればいいのかについて解説します。

大学3年の1月に始めると良い!

SPI対策は、大学3年の1月から始めることが効果的とされています。その理由は、この時期はSPI対策に割ける時間が確保しやすくなるからです。

多くの企業は1月ごろから、就職活動者向けのインターンシップが本格化します。本選考に関連した情報収集もしやすくなり、就職活動をするには最適な時期です。

なお、多くの企業が採用広報を解禁するのは3月です。採用広報が解禁されれば、企業研究用の情報収集に時間を費やさなければなりません。SPI対策をするゆとりはなくなってくるでしょう。

また大学3年は後半から、ES作成・企業研究・面接対策といった本質的な選考対策をしなければなりません。1月からSPI対策をしておくことで、後半で本質的な対策に集中できる点はメリットです。

1月から始めればSPIの出題範囲を把握するとともに、得意分野と不得意分野の洗い出しができます。対策をするうえでこれらは重要な要素ですが、本格的かつ丁寧に行う際にはまとまった時間が必要です。

SPIは慣れとスピードが重要ですが、1月から対策を始めれば、実践的な演習を繰り返し行う期間が充分確保できます。何度も問題演習を重ねることで、本番でも焦らずにSPIに取り組めるでしょう。

SPIの対策には50時間程度が必要

SPIの対策には平均すると50時間程度必要とされています。ただしこれはあくまで目安の平均時間であり、すべての人がこの時間に該当するわけではありません。

目安の時間 特徴
30~40時間 ・要領のいい人
・不得意分野があまり多くない人
・初回で高得点が出せた人
50~60時間 ・不得意分野がある人
・正答率が平均点に満たない人
・高得点を目指している人

初めてSPIを学習して高得点が出せた人のなかでも、平均点程度取れれば充分と考えている人なら、対策時間は30時間以下でも充分でしょう。

反対に不得意分野がある人やそのような問題が多い人、大手企業への就職を目指している人は60時間でも足りないかもしれません。

一般的にSPI対策に1日1時間確保していた場合:2カ月程度で平均点が採れるようになります
1日2時間確保した場合:1カ月弱です
週末のみSPI対策の時間をまとめて確保する人もいるようですが、このような学習方法はあまりおすすめしません。試験当日は、正確性とスピード性が求められるからです。これら2つを当日に充分発揮させるためには、毎日練習をして慣らしておく必要があります。

少なくとも1時間程度は毎日時間を確保して、トータル50時間を目安に対策を行いましょう。

SPIは何割取れれば安心?

SPIの結果は、受検者には通知されません。そのため、目安となる正答率なども非公開です。

これからSPIを受検する予定がある人のなかには、何割取れればよいのかと不安・疑問を抱いている人もいるでしょう。

平均点やボーダーラインは非公開ですが、目安となる点数などを紹介します。あくまで目安であり、絶対ではない点を考慮して参考にしてください。

SPIの平均点は6割程度

SPIの検査結果は、受検者本人には通知されません。

またWebテスティング・テストセンターで受検した場合には、正答率によって出題される問題の難易度・数が変動します。同じ時間・会場で複数人が受検していたとしても、全員が同じ問題に取り組んでいるとは限りません。そのため、正確な平均を出すことは困難な状況です。

正確な数字を提示することは困難ではありますが、SPIは6割程度取れていれば多くの企業で採用されるとされています。

SPI対策用の問題集・アプリなどには、模擬試験が付属しているものが多く出回っているので、これを利用するとよいでしょう。ある程度学習してから模擬試験に挑戦し、6割以上取れていればおおむね合格といえます。
ただし、業界・企業によって求められる平均点は異なるので一概にはいえません。6割程度というのは最低ラインである点を考慮して、対策を行ってください。

業界別ボーダーラインの目安

SPIで求められる点数は、業界によって大きく異なります。しかし、すべての業界・企業ではSPIで得られた結果を公開していないため、正確な数字はわかりません。

以下は業界別のSPIで求められるボーダーラインの目安です。

業界 SPIの目安
外資系企業 8割
メガバンク・大手商社 7割
日本大手メーカー・IT 6~7割
日系大手食品・保険・その他 6割
上記はあくまで目安のボーダーラインであり、採用される可能性が高い数字ではありません。

例えば外資系企業への就職を望んでいた場合、SPIで8割の正答率では不十分とされることがあります。この割合は最低ラインであるため、採用されたい場合は9〜10割を目指しましょう

上記の業界への就職を望んでいるなかでSPIの点数が目安に届かない場合は、ひとまず目安を目指して学習してください。そこから、1〜2割上乗せした本番用の対策にステップアップしましょう。

業界によってボーダーラインが違うんですね。外資系は特に高い水準が求められるということがわかりました。

はい、業界や企業規模によって求められる水準は異なります。志望業界に合わせた目標設定をして、しっかりと対策を進めていくことが大切ですね。

SPIの対策方法

出題形式・受検時期を把握する

SPIの出題形式と受検時期を把握しておきましょう。

SPIの形式には「Webテスティング」「テストセンター」「ペーパーテスト」「インハウスCBT」の4種類あることは、すでに解説しました。

これら4つの受検方法によって、出題される頻出問題は異なります。例えば言語分野の場合、テストセンターおよびペーパーテストでは「二語の関係」「語句の意味や用法」が高めですが、Webテスティングでは「文章整序」「空間補充」の頻度が高めです。

このように同じSPIであっても受検形式によって頻出問題に違いがあるため、個別に対策をしなければなりません

また、受検時期も異なります。複数の企業でSPIを受検する場合、実施される時期にあわせて対策をしなければ間が空いてしまうでしょう。

問題集を1冊極める

対策を行う場合は、問題集を1冊に絞って極めてください。

SPI対策用の問題集は、さまざまな出版社から多数出ています。問題集によって中身が異なるため、複数冊を使用して勉強したほうがより多くの点数が採れると思う人もいるかもしれません。

しかしSPIは、短い時間でいかに正確にスピーディーに正答率を積み重ねていくかが鍵です。問題を見た瞬間に解答がわかるくらいのレベルまで学習しておかければ、試験当日は時間が足りずに最後まで解けないということになりかねません。

問題集を1冊に絞って繰り返し学習したほうが、効率よく得点アップにつながります。特に間違えた問題は、一定の時間をおいて繰り返しチャレンジしておきましょう。

公式を暗記する

暗記するものは徹底しておくことも重要です。SPI対策で徹底的に暗記しておいたほうが良いものは以下の通りです。

  • 漢字
  • 英単語
  • 公式

問題文を見た瞬間に答えがわかるくらいまで覚えておきましょう。上記の暗記を徹底しておけば、解答時間の短縮になります。1問にかかる解答時間が短縮できれば、時間のかかる問題に回せます。

暗記ものは、スキマ時間を活用することがポイントです。単語帳のようなポケットに入るサイズのものを活用し、移動時間や休憩時間といったスキマ時間を利用してこまめに覚えていきましょう。

苦手分野を反復する

苦手分野の反復練習も重要です。

SPIはさまざまな種類の問題が出題されますが、なかには苦手と感じるものや間違いが多い分野もあるでしょう。このような問題を捨ててしまうと、SPI全体の点数が下がってしまいます

得意分野を徹底して学習することもひとつの方法ですが、苦手分野を反復練習して克服しておけばさらなる高得点が狙えるでしょう。

対策の時期で紹介しましたが、大学3年の1月から学習を始めれば苦手分野を克服する時間は確保できるはずです。SPIは出題・解答ともにパターン化されているので、反復練習すれば克服できます。諦めたり捨てたりするのではなく、繰り返し問題に挑戦して解けるようにしておきましょう。

時間測って解く

SPIの対策をする際は、時間を測って解く練習もしてください。

SPIは全体的に問題数に対して、試験時間が短めです。素早く正確に解く練習をしておかなければ、最後まで解けない可能性が高くなるでしょう。

またテストセンター・Webテスティングでは、1問の制限時間も設定されています。制限時間を過ぎると自動的に次の問題に移動してしまい、戻って解答できません。

全体的な時間はもちろん、1問にかける時間も測って解く練習をしておけば当日焦るリスクは軽減されるでしょう。

おすすめのSPIの対策本

おすすめのSPIの対策本を紹介します。

2026最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集

出版社 ナツメ社
著者 オフィス海
特徴・強み ・最新頻出問題を復元および解説
・非言語分野と言語分野の両方の対策が可能
・メモの取り方や計算方法なども掲載
・方式ごとの出題分野および傾向が一目でわかる
対応する実施方法 テストセンター
向いている人 ・練習問題や模試試験の解答を別冊で活用したい人
・1冊の問題集のみで対策したい人
・多くの練習問題を解いておきたい人

これが本当のSPI3だ! 2026年度版

出版社 講談社
著者 SPIノートの会
特徴・強み ・丸善ジュンク堂書店全店「就職試験」ジャンルで売上1位
・出題頻度順に作成された出題範囲表あり
・性格検査の解説も掲載
・メモの取り方や計算方法なども開設
・目標時間を掲載
対応する実施方法 「テストセンター」「ペーパーテスト」「WEBテスティング」の3方式に対応
向いている人 ・新卒者
・初めてSPI対策をする人
・わかりいやすくて実践的な対策本が欲しい人

2027年度版 7日でできる! SPI必勝トレーニング

出版社 高橋書店
著者 就職対策研究会
特徴・強み ・1週間でSPIが攻略できるようにプログラミング
・1日30分、6回分の実践テスト+1回分の模擬テストで出題範囲を網羅
・各問題には正解率を掲載
・補習と復習に便利な攻略法も掲載
・解答と解説は別冊仕様
・対策用アプリも配信
対応する実施方法 テストセンター
向いている人 ・1日30分程度の時間確保で学習したい人
・試験本番まであまり時間がない人
・各問題の目安となる正解率を知りたい人

無料のおすすめSPI対策アプリ

「SPI対策アプリ produced by CareerMine」は、無料で利用可能なSPI対策アプリです。

収録問題数:362問
対応科目:言語・非言語・英語の3科目
対応バージョン:最新のSPI3に対応

すべての問題には丁寧な解説がついており、理解を深めながら学習できるので、苦手克服にも役立つでしょう。なお、苦手な分野・科目が手軽にわかるようにアプリ内に学習データが蓄積されていきます。

ランダムに問題が出題される「シャッフル問題」、全国のアプリ利用者と競える「ランキング機能」なども搭載されているので、ゲーム感覚で楽しみながら学習できる点も特徴です。

無料のアプリがあるのは助かります。ゲーム感覚で学習できるというのも続けやすそうですね。

そうですね。スマホアプリなら通学時間などのスキマ時間も有効活用できます。問題集と組み合わせて活用すると、より効果的な対策ができますよ。

まとめ

SPIの例題・対策方法について解説しました。

SPIで出題される問題は中学〜高校レベルなので、難易度はさほど高くありません。充分な対策をすれば、平均点以上は目指せるでしょう。

本記事で紹介した出題内容・対策の開始時期・対策方法などを参考にして、早めに準備を始めてください。

SPIは対策次第で確実に点数を上げることができる試験です。今回解説した内容を参考に、計画的に対策を進めてくださいね。就職活動、応援しています!
               
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この記事の監修者株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括/安藤 雄啓
安藤 雄啓 株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括

株式会社サイバーエージェントでは、Ameba事業本部ママ事業部ビジネス責任者に従事、広告事業本部においては自社アドテク事業の立ち上げメンバーとして活躍。また、様々なベンチャー企業を渡り歩き、営業・広告事業部の部長として事業規模の拡大に励む。2024年、株式会社SOKKINに入社。コーポレート統括本部の本部統括として、販管・採用業務に従事。

SPI
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