【SPIに苦戦している方へ】試験の難しさと攻略法を詳しく解説!

SPI

今回は多くの学生さんが苦戦するSPIについて、難しさの理由と攻略法を詳しく解説しますね。しっかり対策すれば必ず乗り越えられますよ。

能力と性格の2つで構成されるSPIは、就職活動時の採用試験で用いられることが多い適性検査です。第一関門となるケースも多いこの試験を突破するためには、事前に対策を講じる必要があります。

このような適性検査のSPIは、「難しい」「対策や勉強の仕方がわからない」といった声も少なくありません。これから就職活動を控えている人のなかには、このような声を聞いて不安を覚える人もいるでしょう。

本記事ではSPIに苦戦している人に向けて、難しさと攻略法を解説します。難易度・勉強方法なども紹介するので、これから対策をしようと考えている人もぜひ参考にしてください。

  1. 【受検形式別】SPIの難易度
    1. WEBテスティング
    2. テストセンター
    3. マークシート
  2. SPI能力検査の難易度
    1. 言語分野の難易度
    2. 非言語分野の難易度
  3. 会社ごとにSPIの難易度は異なるのか?
  4. SPIが難しいと言われる理由
    1. ①慣れていない受検方法だから
    2. ②独特な問題が多いから
    3. ③素早い解答が求められるから
    4. ④試験の傾向が理解できていないから
    5. ⑤正答率に合わせて難しくなる出題形式だから
    6. ⑥結果が知らされないから
  5. SPIの勉強方法
    1. SPIの勉強時間は約30~60時間
    2. 1.問題集を1冊に絞って繰り返し解く
    3. 2.頻出語彙や公式を暗記する
    4. 3.解答時間を意識してプレテストを行う
  6. もう難しくない!SPIの解き方!
    1. 時間を考えて問題を解く
    2. ペーパーテストではわかる問題から解く
    3. メモ用紙を利用する
    4. 言語分野の解き方
    5. 非言語分野の解き方
  7. 難しいSPIの問題を攻略しよう!
    1. 言語分野「文の並べ替え」
    2. 非言語分野「推論」
    3. 非言語分野「場合の数」
    4. 非言語分野「確率」
  8. SPIでやってはいけないこと
    1. 複数人で受ける
    2. 代理受験を頼む
  9. おすすめのSPI対策本・アプリ
    1. 「これが本当のSPI3だ!2026年度版」
    2. 「2026最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集」
    3. 「SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ」
    4. 「SPI言語・非言語 就活問題集 -適性検査SPI3対応-」
  10. どうしても全く解けないときはどうすればいいの?
    1. 「SPIができないと不利になりますか?」
    2. 「健康上の理由や特性によりSPI受験が困難です」
    3. 「SPIができなくても受かる可能性はありますか?」
  11. まとめ

【受検形式別】SPIの難易度

SPIの受検形式には以下の4つがあります。

・WEBテスティング
・テストセンター
・マークシート(ペーパーテスト)
・インハウスCBT
上記のなかで「インハウスCBT」とは、応募・訪問した企業先でパソコンが用意されており、これを利用して受検する形式です。しかしこの形式でSPIを行っている企業は少ないため、ここでは割愛します。

インハウスCBT以外の3つの形式については、次の項目で詳細を解説するので参考にしてください。

WEBテスティング

会場 自宅
受検方法 パソコン
解答方法 記述式
問題数 ・能力検査:約60問(言語40問、非言語20問程度)
・性格検査:約300問
所要時間 ・能力検査:35分
・性格検査:30分
1問あたりの制限時間 約1分程度
難易度 比較的高め
特徴 ・テストはすべて記述式
・電卓の使用可
・受検場所の制限なし

WEBテスティングとは、インターネット環境下でパソコンを使用して受検するスタイルです。

応募した企業からメール・メッセージアプリなどで、テスト用のURLが送信されてきます。このURLをクリックして受検します。URLが記載されたメッセージには受検期間が明記されていることが一般的であり、その期間内に受検しなければなりません。期間を過ぎると応募が無効になるので、必ず期間内に行いましょう。

受検場所の指定は、特に設けられていません。よって自宅・学校など、好きな場所で受けられます。

ただし、試験はパソコンのみにしか対応しておらず、スマートフォンでの受検はできません。タブレットについては一部のみ受検可能な場合がありますが、SPIのような特別なWEB試験はパソコン受験が原則なので、できないと思っておいたほうがよいでしょう。

テストセンター

会場 リクルートマネジメントソリューションズ運営の会場
受検方法 パソコン
解答方法 選択式
問題数 ・能力検査:約60問(言語40問、非言語20問程度)
・性格検査:約300問
所要時間 ・能力検査:35分
・性格検査:30分
1問あたりの時間制限 約1分程度
難易度 低め
特徴 ・解答済みの正答率によって問題数や内容に変化あり
・受検期間の制限あり
・会場の選択は自由

テストセンターは、SPIの主催および運営を手掛けるリクルートマネジメントソリューションズが提供している会場に赴いて受検するスタイルです。

それぞれの問題には制限時間が設けられており、解答できていなくても時間切れになると自動的に次の問題に移ります。戻って解いたり後回しにしたりといったことはできません。

時間制限があると焦ってしまいそうです。

確かに焦りやすい形式ですが、事前の練習で慣れることができますよ。

また受験会場の選択は自由ですが、受検期間はあらかじめ設けられています。この期間内に会場にて受検しなければ無効になるので、注意しましょう。

マークシート

会場 応募した企業または企業が指定する場所
受検方法 ペーパーテスト
解答方法 選択式(マークシート)
問題数 ・能力検査:約70問(言語40問、非言語30問程度)
・性格検査:約300問
所要時間 ・能力検査:70分
・性格検査:30~40分
1問あたりの時間制限 なし
難易度 高い
特徴 ・前の問題に戻って解答可能
・電卓の使用は禁止
・時間配分や解答順が自由

マークシートは、応募した企業または指定された場所で受検するスタイルです。

WEBテスティング・テストセンターと比較すると、試験の所要時間は長めに設定されています。しかし電卓の使用が禁止されているのでスピーディーに解答しなければ、時間の長さのメリットは感じにくいでしょう。

ほかの2つとは異なり、1問あたりの制限時間は設けられていません。時間配分・解答順は自由に決められるので苦手分野は後回しにして、得意なものや簡単と感じるものから素早く解答することがポイントです。

SPI能力検査の難易度

SPI検査は主に以下の4つについて測定します。

概要 出題内容 測定内容
性格検査 ・その人の人となりを測定
・自社の業務内容や社風に合うかどうかをチェック
・入社後も長く勤務できるかどうか
物事などに対する考え方としてあてはまるものを選択 ・性格
・人との接し方
・仕事の取り組み方
能力検査 ・基礎学力や一般常識などを測定
・言語分野と非言語分野の2つで構成
中学~高校レベルの内容が出題 知的能力
英語 ・SPIのオプション検査
・外資系企業や総合商社など
・英語を使用する業務に従事する際に実施されることが多め
・難易度は高め
・同意語や反意語の選択問題
・長文読解
・和文英訳
など
高卒以上の英語力の有無
構造的把握 ・テストセンターのみで実施
・オプション検査
・コンサルティングや総合商社などでの実施傾向が高め
・言語系は論理的なつながりなどを見抜く問題を出題
・非言語系は数字や計算構造の把握が求められる問題を出題
物事の本質を取り合える力の有無

上記のなかでも能力検査は言語分野と非言語分野の2つで構成されており、難易度・問題の分野は同じではありません。これら2つについて、さらに掘り下げて確認していきましょう。

言語分野の難易度

難易度 低め
出題範囲 中学~高校レベル
問題の分野 ・二語の関係:指示された二語の関係性と同じ組み合わせの単語を選ぶ
・語句の意味や用法:語句の正しい意味や使い方を問う
・熟語の成り立ち:熟語にがどのような意味を持つ漢字で成り立っているのかを問う
・文の並べ替え:文章の断片を正しい順番に並べ替える
・空欄補充:空欄に当てはまる語句を選ぶ
・長文読解:長文の内容に対する詰問に答える
頻出度合い ・「二語の関係」「語句の意味や用法」はテストセンターおよびマークシートでの頻出度高め
・「文章整序」「空間補充」はWEBテストでの頻出度高め
受検形式 WEBテスト、テストセンター、マークシート

言語分野とは、能力検査のなかでも国語系の能力を測る検査です。

出題数が多いので時間配分が難しく、即座に問題の意味を理解して素早く解答しなければなりません。問題の出題形式も多様であることから、形式に慣れる必要もあるでしょう。

非言語分野の難易度

難易度 高め
出題範囲 小学校高学年~高校レベル
問題の分野 ・推論:与えられている情報をもとに論理的に結論を導き出す
・場合の数や確率:順列や組み合わせ、確率の計算
・損益算:商品の原価、売価、利益率などに関する計算
・料金計算:サービスなどの料金体系に基づいた計算
・速度算:速さ、時間、距離に関する計算
・集合:複数グループに属する要素の数を求める
・表の読み取り:表やグラフをもとに詰問に答える
・割合と比:割合や比率に関する計算
頻出度合い 「推論」「確率」「表の読み取り」は全検査において頻出度合いが高め
受検形式 WEBテスト、テストセンター、マークシート

非言語分野は、論理・数学の問題を中心に出題される検査です。

出題問題自体は高校レベルまでであることから、難易度が高いとはいえません。しかし受検者の多くは難しいと感じることが多いようです。その理由として以下のような点が考えられます。

・制限時間が短い
・問題が多い
・出題レベルの変化
・苦手意識

なるほど、問題のレベルが変わるんですね。

特にテストセンターで受検した場合、解答済みの正答率に応じて問題の難易度が変化します。正答率が高ければ思考力を必要とする問題が出題される傾向が強くなるため、難しいと感じるのでしょう。

会社ごとにSPIの難易度は異なるのか?

SPIの難易度は、実施されるタイミング・企業などによって異なることはありません。大手企業は難易度が高く中小企業は低いということはないので、SPIとしての対策をしておけばどこの企業・会社の試験にも対応できます。

企業ごとの合格ボーダーラインは機密事項であることから、公開されていません。6割以上の正答率であれば、多くの企業の選考に通過できるといわれているようですが、うわさ程度です。7割以上の正答率であっても希望する企業に合格できるというわけではないので注意してください。

以下は、インターネット上で検索可能な就活系サイト・口コミなどを参考にした目安のボーダーラインです。

ボーダーライン 企業
9割以上 大手コンサルティング会社
8割以上 大手証券会社、メガバンク、大手総合商社など
7割以上 大手メーカー
6割以上 生命保険会社など

海外での取引が多い企業では、高い正答率が求められる傾向にあるといえるでしょう。

SPIが難しいと言われる理由

SPIは難しいという声が上がっている理由について解説します。

①慣れていない受検方法だから

難しいと感じる理由として、受検方法に慣れていない点があげられるでしょう。

SPIは「WEBテスティング」「テストセンター」「ペーパーテスト」といったさまざまな受検方法が用意されており、解答方法はいずれも同一ではありません。

例えば、書籍を活用したペーパーテスト形式でのSPIの勉強をしていたとしましょう。応募した企業での実施方法がWEBテスティングだった場合、パソコン画面の操作に戸惑ってしまう可能性があります。

特に紙ベースで対策をしていた場合、実際の受検形式がパソコンになると画面の表示スタイル・操作方法などに慣れるまで時間がかかることは少なくありません。慣れるまでに時間を要すると、解答率が下がるとともに正答率も下がってしまいます。

対策としては、無料受検が可能なWEBテストの模試と対策本に付属しているペーパー形式の両方を活用して慣れておくことです。パソコンと紙ベースの両方に慣れておけば、どのようなスタイルで実施されても素早く対応できるでしょう。

②独特な問題が多いから

独特な問題が多い点も、SPIが難しいと感じる理由の一つかもしれません。

SPIは一般的な学校のテスト・入試とは異なり、思考力・判断力を問う問題が多く出題されます。具体的な例題とその解答は以下の通りです。

例題 解答・解説
「太陽:光」の組み合わせと同じ関係を持つものを1つ選びなさい。
ア.ストーブ:暖房
イ.雨:傘
ウ.努力:成功
エ.電気:熱
【解答】ア
【解説】
太陽と光は「太陽が光を放出する」関係性であることから、同じ関係を持つものは「ア.ストーブ:暖房」

学校で行われるテストや入試では、上記のような内容が出題されることはほぼないでしょう。上記は一例ですが、SPIではこのような独特な問題が多数出てくるため、慣れていなければ解答に戸惑ってしまいます

③素早い解答が求められるから

SPIでは素早い解答が求められることから、難しいと感じる人は少なくありません。

例えば性格検査の出題数は300問であり、制限時間は30〜40分です。性格検査の制限時間が30分であった場合、単純計算で1問につき1分以内に解答しなければ最後の問題までたどり着きません。

SPIは問題の内容を瞬時に判断して解答できるものばかりではなく、計算が必要なものや考えなければ答えが導き出せないものも多数あります。

問題数が多いうえに複雑な内容のものもあり、このような状況下で素早い解答が求められるために難しいと感じる人が多いのでしょう。

④試験の傾向が理解できていないから

試験の傾向が理解できていない場合、難しいと感じることがあります。

SPIの問題は独特なものが多い点が特徴です。しかしこれらはパターンが決まっており、そのパターンを熟知して当てはめていけばスムーズに解答できます

SPIには「WEBテスティング」「テストセンター」「マークシート」といった3つの受検スタイルがありますが、いずれも対策本・アプリなどを活用すれば試験の傾向がつかめるでしょう。

⑤正答率に合わせて難しくなる出題形式だから

正答率によって問題が難しくなる点も、その理由の一つとしてあげられます。

テストセンターではSPI専用のパソコンが用意されており、そのパソコンを使用して受検しなければなりません。用意されているパソコンには特別なシステムが導入されており、正答率に合わせて出題内容が変化する仕組みです。

正答率によって問題が変わるなんて、システムが複雑ですね。

例えば10問までの正答率が50%の人と100%の人とでは、11問目に出題される問題が異なります。50%の人より100%の人のほうが、より高い思考力が求められる問題が出題されるのです。

このような形式をアダプティブテストといい、テストセンター方式と一部のWEBテスティング方式で採用されています。

⑥結果が知らされないから

結果が知らされない点も、難しいと感じる理由のひとつです。

例えば受検中は難しいと感じていても、結果が高得点であれば「大したことがなかった」という印象に変わります。「難しい」というイメージが、高得点という結果によって「簡単だった」に塗り替わるからです。

しかし、SPIでは結果は受検者本人に知らされません。そのため手ごたえのみでしか判断できず、「難しい」という印象のみが強く残ってしまうのでしょう。

また結果が通知されないことで、苦手が克服できないというデメリットもあります。苦手意識は不安な気持ちを増大させる要因のひとつであり、「難しい」というネガティブな感情を強めてしまうのです。

SPIの勉強方法

SPIの勉強方法について解説します。

SPIの勉強時間は約30~60時間

SPIは学校で行われているような一般的な試験・入試とは異なるため、慣れるという意味でも対策をしなければなりません。

具体的な勉強時間の目安は、30〜60時間程度とされています。時間に差があるのは、どの程度まで目指すかによって異なるからです。例えば入社倍率が高い企業を受ける場合は、60時間程度勉强しておいたほうがよいでしょう。一方で基礎的な学力に自信がある人は、30時間程度で充分な場合も少なくありません。

SPIの勉強は就職活動の半年前くらいから、手ごたえの確認として軽く始めてみることをおすすめします。このときの印象・手ごたえなどを参考にして、準備を始めてください。まったく解けない場合はそのまま継続させ、解けた場合は3カ月くらい前からスタートさせましょう。

1.問題集を1冊に絞って繰り返し解く

SPI関連の問題集は多数出版されていますが、1冊に絞って繰り返し解くことをおすすめします。繰り返し解くことの主なメリットは以下の通りです。

・苦手分野の明確化
・苦手分野の克服
・解き方の習得

SPIは短時間で多数の問題を解かなければなりません。しかし苦手分野の問題が出てくると、早く解かなければならないとわかっていても手が止まりがちです。このようなタイムロスを減らすためにも、苦手分野を明確化して対策を立てておく必要があります。繰り返し解けばパターンがわかり、苦手克服も可能になるでしょう。

また、全体的なSPIの出題形式にも慣れます。全体的なスタイルに慣れておけば、当日にわからない問題に遭遇しても焦り・不安は軽減されるので、繰り返し解きましょう。

2.頻出語彙や公式を暗記する

頻出語彙や公式は、暗記しておいてください。これらを覚えておくと解答スピードとともに正確性も上がるからです。

語彙・公式はSPIではよく登場するジャンルであり、数多く正確に覚えておけば限られた時間内で素早く解答できるようになります。頻出度の高いものは問題集・インターネットなどで紹介されているので、そのような媒体を活用するとよいでしょう。

語彙・公式の暗記には、単語カードの活用をおすすめします。単語カードはポケットにも入るサイズなので、スキマ時間の利用も可能です。

公式については、単語カードのみを活用しただけでは暗記が困難な人もいるかもしれません。その場合は問題集で解けなかったもの・間違えたものを中心に、繰り返しチャレンジしてください。同じ問題でも時間をおいて何度も解くことで、公式が覚えられるでしょう。

3.解答時間を意識してプレテストを行う

解答時間を意識したプレテストを行うことも、効果的な勉強方法です。

SPIは多くの問題数を短時間で解かなければなりません。受検スタイルによっては、1問ごとに制限時間が設けられていることもあります。

1問ごとの制限時間の有無にかかわらず、SPIでは1問につき約1分程度で解くことが望ましいでしょう。それ以上の時間をかけてしまうと、最後まで問題が解けない可能性が高くなるからです。

普段の学習環境とは異なるなかで、限られた時間内に大量の問題を正確かつスピーディに解答することは容易ではありません。本番でも落ち着いて正答率を上げていくには、解答時間を意識したプレテストが有効です。

インターネット上では、SPIのオンライン試験を無料で受講できるところがあります。このようなサイトを利用して、繰り返し挑戦してみてください。またペーパーテストの場合は対策用の問題集にプレテストを付属しているものがあるので、これを活用しましょう。

もう難しくない!SPIの解き方!

SPIの解き方を紹介するので、参考にしてください。

時間を考えて問題を解く

SPIは、時間を考えて問題を解くしましょう。

ここまで何度も解説しましたが、SPIは問題数が多いにもかかわらず制限時間は短めです。そのため、1問にかける時間を多く取っていては最後の問題までたどり着けません。

1問にかける時間の目安は約1分程度といわれていますが、実際には1分以上かけないと解答が導き出せないものもあります。

SPIではいかに多くの問題を解答するかが、選考突破のカギです。そのため、時間を考えて問題を解かなければなりません。

わかるもの・簡単なものは解答スピードを上げ、短時間で解答が導き出せない問題に余力を残しましょう

ペーパーテストではわかる問題から解く

ペーパーテストではわかる問題から解くことをおすすめします。ペーパーテストは、後回しにした問題に戻って取り組むことが可能だからです。

WEBテスティング・テストセンターでは、1問に設けられた制限時間が過ぎると自動的に問題が次に移行します。自主的に自分で次に進むことも可能ですが、移行したら過去の問題には戻れません。

しかしペーパーテストは、紙ベースで実施されます。パソコンを使用したスタイルとは異なり、自動的に問題が次に移行することがないので、解き方の順番の選択が可能です。

わかる問題や簡単なものから素早く解いていきましょう。未解答の問題が少なくなれば、精神的なゆとりも生まれます。試験そのものに慣れたところで時間のかかるものやわかる問題に取り組めば、正答率は上がるでしょう。

メモ用紙を利用する

メモ用紙を利用することも、SPIの解き方の秘訣です。

SPIには複数の受検スタイルがありますが、なかには開始前にメモ用紙が配布されるケースがあります。特に数字が中心の非言語では計算が必要な問題が多く、メモ用紙が欠かせません。

メモ用紙を利用したほうが正答率が上がるであろう問題は、主に以下の通りです。

正答率が上がる問題 理由など
推論問題 順序 ・思考の抜け漏れが防げる
・パターンの把握がしやすくなる
位置関係 視覚的に理解しやすい
正誤判断 真偽パターンを書き出す
計算問題 損益算、割引算など 計算ミスを防げる
割合、比 関係性や数値の書き出しで正答率が上昇する
計算式を書き出すことで混乱防止になる

具体的なメモ用紙を活用した解き方については以降の「非言語分野の解き方」で解説するので、そちらもあわせて参考にしてください。

言語分野の解き方

言語分野の解き方について解説します。

長文問題は先に設問を読む

長文問題は先に詰問を読んでおきましょう

長文問題では、詰問の対象となる文章が書かれています。この文章をじっくり読んでから詰問を確認すると、解答するために再度長文を読まなければなりません。

先に詰問を読んでおき、どのような解答を求められているのか把握しておけば、長文を読みながら解答が見つけられます。

具体例は飛ばして読む

具体例は、飛ばして読みましょう。

具体例とは、文章読解問題において筆者の主張などを見抜くための補足事項のようなものです。抽象的な内容の場合は具体例があったほうが理解度が深まりますが、必ずしも読まなければならないものではありません

具体例を読み飛ばすことで読まなければならない文章量が減り、時間も短縮できます。

ただしすべての具体例を読み飛ばしてよいかというと、そうではありません。文章の内容によっては、筆者の主張・糸を見抜くために具体例が必要なケースもあります。最初から具体例も含めて読むのではなく、必要に応じて戻って読む程度にしましょう。

惑わす選択肢に注意する

選択肢のなかには解答者を惑わすものもあり、注意しなければなりません。

例えば、「速やか」と「素早い」はどちらも似た意味です。しかし文脈によって使い方が異なるため、適切なものを選ばなければなりません。

対処法としては、消去法がおすすめです。明らかに間違っているものを排除して、選択肢の数を減らしましょう。そのうえで、全体像を把握したり指示をよく読んだりするなどして正解を導き出してください。

非言語分野の解き方

非言語分野は、メモ用紙を使った解き方がおすすめです。

ここではメモ用紙の使用を前提とした解き方を紹介するので、参考にしてください。

暗算や筆算で時間を削減する

簡単な計算問題は、暗算・筆算で時間を削減しましょう。

非言語分野の制限時間も、問題数に対して少なめに設定されています。そのため、できるだけ素早く正確に答えを導き出さなければなりません。

簡単なものは暗算で手早く計算し、複雑な計算はメモ用紙を活用して筆算しましょう。普段からメモ用紙を活用した筆算の練習をしておくと、当日も手早く計算できます。

推論問題は図を描いて丁寧に考える

推論問題は、図を描いて丁寧に考えることがポイントです。

推論問題にはさまざまなパターンがあり、細かな条件が設定されています。その条件に基づいて詰問に合った解答をしなければなりません。

複雑な順序関係・矛盾する条件などの確認は、図にすることで理解できます。詰問に与えられた条件をメモ用紙に図解して、確実にいえることを考えると効率的に正確な解答が導き出せるでしょう。

性格検査は正直に答える

性格検査は正直に答えることが重要です。

SPIの性格検査は、対象者の人となりを知るとともに社風などのマッチング率を確認します。

応募した企業に採用されたいからといって、好印象を与えられるような回答をすることは厳禁です。企業側に、「自分を故意に見せようとする傾向あり」といった診断結果が表示される可能性があります。

企業がどのような基準で採用者を決定するのかは、公開されていないのでわかりません。想像の域を出ない判断材料を参考にするよりも、正直に答えましょう。そのほうが採用率が上がるかもしれません。

難しいSPIの問題を攻略しよう!

SPIの問題のなかには、「難しい」と感じるものもあります。そのような問題を紹介するので、参考にしてください。

言語分野「文の並べ替え」

文の並び替え
次の文を意味が通るように並び替えて、まとまりのある文章にしなさい。最初に来る文の記号を答えなさい。
ア. しかし、適切な練習方法を身につければ、必ず上達することができる。
イ. そのため、多くの人が途中で挫折してしまうのが現実である。
ウ. また、継続的な努力が何より重要であることも忘れてはならない。
エ. 楽器の習得は一朝一夕にはいかない難しいものである。
オ. つまり、楽器演奏の技術向上には正しい方法と継続性の両方が不可欠なのだ。
【解説】
論理的な流れを整理すると:
楽器習得の困難さを述べる(エ)
その結果として挫折する現実(イ)
逆接で解決策を提示(ア)
追加情報として継続の重要性(ウ)
結論としてまとめ(オ)
並び順:エ→イ→ア→ウ→オ

非言語分野「推論」

推論(内訳を考える問題)
A、B、C、Dの4人が卓球で1回ずつの総当たり戦を行った。
すべての対戦終了後の結果について、次のことがわかっている。
ただし、引き分けはなかったものとする。I)AはCに勝った
II)BはAに負けた
III)CはDに勝った
IV)Dは1勝2敗だった

(1)I~IVの情報だけで、対戦結果がすべてわかるのは4人のうちだれか。

これはかなり複雑な問題ですね。図を描いて整理しないと難しそうです。
【解説】
まず各試合の結果を整理します:
・A ○ – × C(Iより)
・A ○ – × B(IIより)
・C ○ – × D(IIIより)
・Dは最終的に1勝2敗(IVより)Aはすでに2勝、Dは1勝するには残りA戦かB戦で勝つ必要があります。
全体の整合性を考えると、Aが3勝0敗、Bが0勝3敗、Cが2勝1敗、Dが1勝2敗となります。
✅ 正解:A)Aだけ

非言語分野「場合の数」

10人のうちから3人を選んで、A班としてまとめる。さらに、残りの7人の中から2人を選んでB班を作る。ただし、B班には必ず女性が1人以上含まれなければならない。10人のうち男性は6人、女性は4人とする。

このとき、A班・B班を作る方法は何通りあるか。

解答:F. 540通り
A班を選ぶ方法:C(10,3) = 120通り
残り7人からB班を選ぶ際、女性が1人以上必要なので、全体から男性のみの場合を除いて計算します。

非言語分野「確率」

A、B、C、D、Eの5人がレジャー施設に出かけた。施設にはゴーカートが1台あり、2人まで乗れる。誰が乗るかを5本のくじ(当たり2本・はずれ3本)で決めることにした。くじは戻さず、1番目にA、2番目にBが引いたとする。

(1) AとBがともにゴーカートに乗れる確率はどれか。

解答:B. 1/10
Aが当たる確率:2/5
Aが当たった場合、Bが当たる確率:1/4
よって、AとBがともに当たる確率:(2/5) × (1/4) = 2/20 = 1/10

SPIでやってはいけないこと

SPIで不正をすると内定取り消しだけではなく、刑事事件に発展する可能性もあります。

特にやってはいけないことを紹介するので、参考にしてください。

複数人で受ける

SPIの受検スタイルには「WEBテスティング」「テストセンター」「ペーパーテスト」の3種類があります。このうち「WEBテスティング」は受検場所の自由選択が可能であり、自宅で行っても問題ありません。

企業・主催者の監視の目がないため、複数人で協力して受ければ正答率が上がると考える人もいるでしょう。

しかしWEBテスティングの場合は企業側も、監視の目がないことを考慮して実施しています。そのためWEBテスティングとは別にテストセンターやペーパーテストを実施し、2つの試験の点数の差が大きい場合は選考で不採用にするといったケースも少なくありません。仮に選考で通過しても面接でSPI得点を指摘される可能性があります。

いずれにせよ確率は高いので、複数人で協力して受検することはやめましょう

代理受験を頼む

代理受検も違法行為です。

倍率の高い企業への採用を強く望む場合、SPIが得意な友人知人に代理で受検してほしいと思う人もいるかもしれません。しかし、企業側は替え玉での受検を防ぐために、WEBカメラによる本人確認を行うところがあります。

さらにSPIの代理受検を行ったとして、関係者が書類送検されたことがありました。裁判が行われ、執行猶予付きの懲役刑が言い渡されています。

このように代理受検は刑事罰に問われることもあるので、自分で受けましょう。

おすすめのSPI対策本・アプリ

SPIの対策本・アプリはさまざまな種類があるため、選べないと感じている人もいるかもしれません。選ぶ際には以下のようなポイントに注目するとよいでしょう。

タイプ・種類 概要
SPIの種類 新卒者向け SPI-U
※「新卒用」と書かれていることあり
高卒採用向け SPI-H
※「高卒者向け」と明記されていることあり
転職・公務員試験用 SPI-G
事務職・一般応募者向け SPI-R、SPI-N
タイプ別 解説タイプ ・詳しい解説付き
・初心者向き
問題集タイプ ・実践的な問題を収録
・学習に慣れてきた人向き

自分がどのタイプに属するのかを考えて、それに対応した対策教材を活用してください。

また対策本とアプリの場合、対策本のほうが実際の試験で役立つ情報がより多く掲載されています。しかし本は荷物になるため、持ち歩くことに抵抗を感じる人も少なくありません。そのような場合に役立つのがアプリです。
学習教材のメインは対策本とし、アプリはスキマ時間に学習するためのサブ的なものとして利用することをおすすめします。

「これが本当のSPI3だ!2026年度版」

出版社 講談社
著者 SPIノートの会
特徴・強み ・丸善ジュンク堂書店全店「就職試験」ジャンルで売上1位
・出題頻度順に作成された出題範囲表あり
・性格検査の解説も掲載
対応する実施方法 「テストセンター」「ペーパーテスト」「WEBテスティング」の3方式に対応
向いている人 ・新卒者
・初めてSPI対策をする人
・わかりいやすくて実践的な対策本が欲しい人

「2026最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集」

出版社 ナツメ社
著者 オフィス海
特徴・強み ・最新頻出問題を復元および解説
・非言語分野と言語分野の両方の対策が可能
・メモの取り方や計算方法なども掲載
対応する実施方法 テストセンター
向いている人 ・練習問題や模試試験の解答を別冊で活用したい人
・1冊の問題集のみで対策したい人
・多くの練習問題を解いておきたい人

「SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ」

販売元 yuth inc.
特徴・強み ・数字、国語、英語の能力検査対策が可能
・500問以上の問題を収録
・登録不要
・問題は定期的にアップデート
・間違えた問題や苦手な問題はチェックを入れて復習可能
価格 無料
対応デバイス iPhone、Android

「SPI言語・非言語 就活問題集 -適性検査SPI3対応-」

販売元 Ann株式会社
特徴・強み ・非言語、言語、英語のSPI対策ができるアプリ
・それぞれの問題には解説あり
・同年代の得点ランキング機能を搭載
・問題総数は300問以上
・目標設定と通知機能あり
価格 無料
対応デバイス iPhone、Android

どうしても全く解けないときはどうすればいいの?

SPIがどうしても解けないときにはどうすればいいのでしょう。

SPIに関するさまざまなQ&Aも含めて紹介します。

「SPIができないと不利になりますか?」

株式会社インディードリクルートパートナーズが運営する「[就職みらい研究所](https://shushokumirai.recruit.co.jp/)」では、2025年卒業者を対象にした採用活動中間調査のデータ集を公開しています。

これによると適性検査・筆記試験を実施した企業の割合は、以下のようになりました。

対象年度 適性検査・筆記試験(%)
2025年度卒 77.6
2024年度卒 74.0

約8割の企業が実施しているんですね。思っていたより多いです。

約7割の企業が適性検査(SPI)等を実施しており、前年と比較すると3.6%上昇していることがわかります。それだけ多くの企業が適性検査(SPI)を実施しているということです。

また同じ就職みらい研究所が公開している「[『就職白書2024』データ集](https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/hakusho2024_data.pdf)」では、新卒採用時の基準で重視する項目として、適性検査の比重が「自社への熱意」「今後の可能性」の次に大きくなっています。

これらの結果から、対策を行ってできるようになっておかなければ就職で不利になるといえるでしょう。

「健康上の理由や特性によりSPI受験が困難です」

事前に応募先の企業に、健康状態や特性を伝えて相談してください。企業側で何らかの対策を講じてくれる可能性があります。

「SPIができなくても受かる可能性はありますか?」

受かる可能性はあります。SPIの重要性は、企業によって異なるからです。

SPIが苦手な場合は早めに問題集に取り組むなど、何らかの対策を講じておきましょう。そのうえで、面接などほかの部分で好印象を与える努力をすれば、受かる可能性が高まります。

まとめ

SPIの難しさと攻略法について解説しました。最後にポイントをまとめますね。

採用試験の一環としてSPIを導入する企業は、増加傾向にあります。またSPIの結果を重視する企業も少なくないため、苦手意識の有無にかかわらず対策を講じておくことが重要です。

本記事で紹介した具体的な対策方法・対策本・アプリなどを参考にして、早い段階で試験問題・形式に慣れておきましょう。

SPIが難しい理由と対策方法がよくわかりました。早速対策を始めてみます!

その意気ですね!継続的な対策が何より大切です。就職活動、応援しています!
               
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この記事の監修者株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括/安藤 雄啓
安藤 雄啓 株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括

株式会社サイバーエージェントでは、Ameba事業本部ママ事業部ビジネス責任者に従事、広告事業本部においては自社アドテク事業の立ち上げメンバーとして活躍。また、様々なベンチャー企業を渡り歩き、営業・広告事業部の部長として事業規模の拡大に励む。2024年、株式会社SOKKINに入社。コーポレート統括本部の本部統括として、販管・採用業務に従事。

SPI
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