SPIとは?採用活動で最も導入されている適性検査「SPI3」完全ガイド!

SPI

SPIは日本で最も多くの企業が導入している適性検査で、トヨタ自動車や日清食品、NECなど有名な大手企業も実施しています。

就職活動において非常に重要な選考ステップの1つですが、事前準備や対策のやり方でお悩みの方も多いでしょう。

たとえば、「SPIにはどんな種類があるの?」「どんな問題が出題されるの?」「どうやって対策すればいいの?」など、様々な疑問が出てくると思います。

そこでこの記事では、就職活動で重要なSPIについて、基礎知識や対策方法など詳しく解説します。

SPI対策におすすめの参考書やアプリも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

SPIってなに?

SPIとは、リクルートが開発した人材採用のための適性検査です。多くの企業が採用活動で導入しており、日本で最も使われている採用テストとして知られています。

対象者は主に大学や高校などの新卒や中途採用者ですが、公務員試験でも実施されることもあります。

主な検査内容は、応募者の「知的能力」「性格的な特徴」で、履歴書や面接だけでは把握しきれない能力や性格的な特徴を客観的に数値化することができます。

SPIは年間で約14,000社以上の企業が実施し、210万人以上が受験しています。新卒・転職を問わず、就職活動をする人は受験する可能性が高いテストと言えます。

以下でSPIの基礎知識についてより詳しく見ていきましょう。

SPIで何がわかる?

まず、企業がSPIを導入する理由や、SPIを通じてどのようなポイントを見極めているのかを解説します。

会社で活躍できる人材か見極められる

SPIでは、能力検査と性格検査の2つのテストを通じて、「基礎能力」「職務への適応のしやすさ」などの観点で応募者の能力や性格の特性、適性を数値化します。

面接や書類選考だけでは見抜けない「適性」「活躍できる可能性」を数値化してくれるため、応募者のポテンシャルを判断しやすくなります。

それに加えて、SPIの結果は入社後の配属先を決定する際の参考材料としても活用されています。各人材の能力や性格に合った部署や職種に配属させることで、配属ミスや早期離職のリスクを減らせます。

たとえば、「内向的で慎重な性格傾向」が強ければ事務職への配属を検討するなど、本人のポテンシャルを最大限に活かす配属が可能になります。能力を活かせる部署や適性のある仕事を判断しやすくなるため、適材適所に人材を配置できるのがメリットです。

企業との適合性を確認できる

SPIの性格検査では応募者の性格や価値観、行動パターンなどを客観的に知ることができます。

この性格検査の結果をもとに、企業が求める人材と応募者との適合性を確認できるため、ミスマッチを防ぐことができます。

さらに、採用後に職種や配属先を決定する際にも、SPIの結果をもとにして応募者の強みが活かせる部署を見極め、適材適所に配置することができます。

また、SPIの報告書には「コミュニケーション上の注意点」も記載されており、各人材に合わせた適切なコミュニケーション方法や指導方法を把握できます。

入社後のミスマッチやコミュニケーションのすれ違いを防げるため、早期離職のリスクを減らすことができます。

面接での質問や見極め精度が向上する

SPIを活用することで、面接での質問の精度を向上させたり、応募者の回答内容の評価や見極めの精度を向上させることもできます。

SPIの性格検査では「職務への適応のしやすさ」が数値化されるため、その結果をもとに面接で確認すべきことが分かります。

また、「面接で確認すべきポイントと質問例」から、応募者の性格傾向や行動パターンなどをもとに面接で深堀りの質問がしやすくなります。

面接官は応募者へ効果的な質問がしやすくなるため、短期間で多数の面接を行う場合でも見極めの精度を維持しやすくなり、経験の浅い担当者でも効果的な質問ができるようになります。

SPIの種類

SPIの原型が開発されたのは1963年のことで、その後長い期間にわたって改善が続けられています。2002年にはSPI2が登場し、最新のSPIは2013年に登場したSPI3です。

SPIは対象者によって複数種類のテストがあります。以下で主なSPIの種類とその対象者について解説します。

新卒向け「SPI-U」

SPI-Uは、SPI3の新卒採用向けのテストです。大学卒業程度の学力や能力、性格特性を測るために用いられます。

出題範囲は言語分野、非言語分野、性格検査が基本で、企業によっては英語能力検査、構造的把握力検査も実施されます。出題範囲が広く、テストセンターで実施されることが多いのが特徴です。

大卒の新卒採用での選考や配属先の決定に最適で、多くの企業で使用されているのがこのタイプです。

高校生採用向け「SPI-H」

SPI-Hは、主に高卒採用で使われるテストです。高校を卒業後に大学や短大に進学せず、そのまま就職する人が対象です。

中学から高校レベルの問題が出題され、大卒向けや中途採用向けのSPIと比べると、問題のレベルや出題範囲が高校生向けに調整されているのが特徴です。

転職・公務員試験向け「SPI-G」

SPI-Gは、主に社会人の中途採用やキャリア採用、第二新卒などの転職者や、公務員試験で実施されるテストです。

出題範囲や問題数、制限時間は新卒向けのSPI-Uとほぼ同じです。言語分野の難易度はSPI-Uと比較して若干高く、非言語分野の難易度がやや易しい傾向があるのが特徴です。

事務職採用向け「SPI-R・SPI-N」

SPI-RSPI-Nは、事務職採用向けで活用されるSPIテストです。

SPI-Rは一般職を採用するためのSPIで、短大や大卒の新卒を対象に実施されることが多いです。一般職は事務や経理補助などマニュアルに沿って進める定型的な業務が多いため、試験内容もそれに合わせて調整されています。

SPI-Nは事務職を採用するためのSPIで、主に短大や高卒の新卒を対象としています。事務能力を測定する問題が多く、「照合」「置換」といった特殊な問題が出題されるという特徴があります。

SPI-Nはペーパーテストで行われ、基本的にはPCでの受験はありませんので注意してください。

性格検査のみ「SPI-P」

SPI-Pは、SPIの性格検査のみを実施する形式のことです。

SPIは能力検査と性格検査の両方を実施するのが一般的ですが、一部の企業では性格検査のみを実施しています。能力検査が行われない場合は、SPI-Pとなります。

SPIの検査内容

Skill Concept. The meeting at the white office table.

SPIは大きく分けて「性格検査」「能力検査」との2種類があります。

その人の性格の特徴や価値観、行動パターンなどを計測しながら、ビジネスで求められる基本的な計算力、コミュニケーション力なども数値化しています。

以下でより詳しく具体的に解説します。

①性格検査

応募者の性格や人柄を客観的に把握するためのテストです。

応募者の日常での行動や考え方について最大300問ほどの質問に約30分で回答していくことで、人柄や価値観、仕事への向き合い方や働く姿勢を確認することができます。

優劣をつけるものではないため出される問題に正解はなく、受験者は質問に対して自分によく当てはまる選択肢を直感で回答していく心理テストのようになっています。

主な目的は、応募者が企業の業務や社風、求める人物像にマッチしているかを判断することです。面接での質問内容を検討したり、履歴書などの書類だけでは見えてこない本来の性格や行動について知ることができます。

また、採用後にどの部署に配属させ、どのような業務を担当させるべきか判断する参考としても使われます。

②基礎能力検査

応募者の知的能力や初歩的な学習能力を判断するテストです。

日本語の能力やビジネスで求められるレベルの計算力がどれくらい備わっているかチェックすることで、業務で必要な論理的な思考力やコミュニケーション能力などを判断しています。

試験では80問前後の問題が出題され、制限時間は約35分です。

言語分野は日本語の基本についてのテストで、文章を理解するスキルや語彙力などが求められます。

非言語は数学についてのテストで、様々な種類の計算やグラフを読み取る能力などが求められます。

その他に、一部の企業では英語の試験や、構造的把握力の試験が実施される場合もあります。

以下でどのような問題が出題されるのかより詳しく見ていきましょう。

言語分野

言語分野では「国語力」を測る問題が出題されます。

具体的には、日本語の語彙力や読解力、文法力、語句の使い方など、社会人として必要な基礎的な言語能力を測定します。

難易度は中学~高校レベルの国語が中心で、例として以下のような問題が出題されます。

  • 言葉の意味や用法
  • 文章の並べ替え問題
  • 空欄を補充する問題
  • 長文読解
解くうえでのポイントは、語彙力を高めて頻出語句や漢字の意味を覚えておくことが重要です。文章の並べ替えなどの問題は出題パターンが決まっているため、繰り返し練習することで得点しやすくなります。長文読解は要点を掴むために先に設問を確認してから本文を読むのが効率よく解くコツです。

出題数は40問で、時間配分としては合計15〜20分程度となるため、1問あたり1分未満のスピードで解いていく必要があります。

非言語分野

非言語分野は、「数学的思考力」「数的処理能力」を測定する問題が出題されます。

内容は中学~高校レベルの数学が中心となり、計算力だけでなく、論理的に考える力や情報を整理する力も問われます。

たとえば、以下のような問題が出題されます。

  • 推論
  • 場合の数
  • 確率
  • 金額
  • 速度算
  • 割合
  • 集合
  • 表の読み取り
  • 濃度算
  • 通過算
このように範囲が広いため、苦手分野を作らず全体をバランスよく勉強することが大切です。基本的な公式や問題の解き方を理解しておくことで素早く解答できる問題が多いですが、推論分野は難易度が高く出題頻度も高いため重点的に学習することが大切です。

30問程度を15〜20分程度で解く必要があるため、1問あたりに使える時間は1分未満となります。

③英語

SPIの英語では、語彙力、文法力、読解力などが測定されます。

ビジネスで必要な基礎的な英語力を測定し、英語を使ったコミュニケーションのポテンシャルがあるか、資料作成やメールなど実務で英語を使う能力があるかを判断します。

ただし、英語検査は必ず実施されるわけではなく、企業によって異なります。

難易度は中学〜高校卒業レベルの英語が中心で、出題範囲は以下のとおりです。

  • 同意語
  • 反意語
  • 空欄補充
  • 英英辞典(語句の意味
  • 誤文訂正
  • 和文英訳
  • 長文読解
まず頻出単語や熟語を暗記して語彙力を強化し、基本的な文法を復習しておくことが大切です。出題形式はほとんど変わらないため、パターンを押さえて対策本やアプリで繰り返し練習すれば得点しやすくなります。

問題数は受験者の回答状況によって変動しますが、目安は20〜30問程度を20分で解く必要があります。

④構造的把握

構造的把握は、物事の関係や共通性を読み解いて、情報を構造的に把握する能力を測定するテストです。

ビジネスの現場で求められる論理的思考力や問題解決力、情報整理力が問われるため、特にコンサルティング業界や商社、広告業界などで重視されています。

ただし、企業によっては実施されない場合もありますので、応募先で必要になるか早い段階で確認することが大切です。

テストでは複数の文章を読んで論理構造や意味の共通点でグループ分けしたり、計算を含む文章問題をグループ分けしたりする必要があり、共通点を見つけて分類する作業が重要となります。

解答のポイントは、接続詞や論理構造に注目して文章のつながりを意識することがコツです。

出題される問題数は約20問、解答時間は20分なので、1問あたり1分のペースで解いていく必要があります。

SPI4つの実施方法

SPIには4つの実施方法があります。どの方法で受験するかは企業によって決められるため、どの方式でも対応できるよう準備しておくことが重要です。

以下でそれぞれの特徴を解説します。

①テストセンター

リクルートが運営する全国の主要都市に設置された会場で、専用のパソコンを使用して受検する方式です。

静かな会場で1人ごとに区切られたブースで、集中して受験できる環境が整っています。もし分からないことがあればスタッフに相談することでサポートを受けることができますので、初めてでも安心して受験できるでしょう。

受験の流れは、企業からのSPI受験の案内に従って、希望する会場と日時を予約します。当日は予約した会場に行き、受付後にパソコンでSPIを受験します。問題用紙や解答用紙は使わず、画面上に表示される選択式の問題にマウスやキーボードで回答します。

試験の所要時間は、能力検査が35分で実施され、性格検査が30分で実施されるため合計すると65分となります。
全国どこでも受験できて日程の自由度が高いところが特徴で、自宅でインターネット環境の準備をしなくても受験できるのもメリットです。企業にもよりますが、一度受験すれば結果を複数の企業で使い回せることがあるのもあります。

②インハウス CBT

応募先の企業でSPIを受験する方式です。

応募先の企業が試験会場となり、用意されている受験用の端末の画面上で出題される問題に選択式で回答していきます。

所要時間は35分の能力検査と30分の性格検査が実施され、合計で65分となります。

応募先の企業で受験するため、面接と同じ日にSPIの受験もできる場合が多い点が特徴です。企業に何度も足を運ぶ必要がないため、就職活動の日程が効率的になります。
ただし、企業ごとに受験するため、結果を複数社で使い回すことはできません

③WEBテスティング

SPIを自宅や学校など好きな場所、好きな時間に手持ちのパソコンで受験できる方式です。安定したインターネット環境があれば受験できるため、自由度が高いのが特徴です。

受験の流れは、応募先企業の案内に従って自分の都合の良い場所・日時に受験用のURLにアクセスし、パソコンの画面に表示される問題に回答していきます。

なお、WEBテスティングでは計算問題に電卓の使用が可能です。

所要時間は上記の2つの方式と同じく、35分の能力検査と30分の性格検査で合計65分です。ログインなどの作業が必要になりますので、1時間半程度の時間を確保しておくとよいでしょう。

場所にとらわれず受験できるのが特徴ですが、スマートフォンやタブレットでは受験できないため注意してください。

④マークシート

ペーパーテスティングとも呼ばれる方式で、紙の問題用紙で受験するのが特徴です。受験場所は、応募先企業が用意した会場で受験します。

受験の流れは、企業からの案内に従って指定された会場に集合し、配布される紙の問題用紙を使い、選択肢を塗りつぶす方法で回答していきます。問題は選択式で、記述式の問題はありません。

所要時間は能力検査が70分、性格検査は30分で、合計100分(1時間40分)の試験となります。
パソコンを使わないため、操作が苦手な人でも実力を発揮しやすいのが特徴です。
ただし、回答の塗りつぶしミスをしないため、焦らず落ち着いて受験することが大切です。

SPIのために準備すること

SPIで高得点を取るためには、ある程度の期間をかけて計画的に学習しておくことが大切です。

以下で事前準備と効果的な学習方法を解説します。

筆記試験の3か月くらい前から勉強しよう

SPIの勉強は、筆記試験の約3か月前から始めるとよいでしょう。

SPI対策に必要な勉強時間の目安は一般的には約50時間です。1日あたり1〜2時間程度の学習を継続する場合、毎日続けることができれば1〜2ヶ月で50時間を達成できます。

しかし、実際は学業やアルバイト、面接対策などで勉強時間が確保できない日もあるでしょう。そこで、余裕を持って3ヶ月程度前からスタートしておくと安心です。

また、出題範囲の把握や、苦手分野の対策など学習計画を考える時間、本番形式での練習時間も必要なので、余裕を持った学習計画を立てましょう。

以下で、具体的にどのような準備をすればよいのかさらに詳しく解説します。

1.問題の種類を理解する

まずは出題される問題の種類を理解することが重要です。種類や出題パターンを全く知らないまま受験すると、焦りから実力が発揮できなくなるからです。

あらかじめ出題範囲や問題例を把握しておけば、テスト本番でも落ち着いて対処できます。自分が得意な種類、苦手な種類の問題も把握できますので、学習の計画も立てやすくなるでしょう。

たとえば、言語分野(国語)では言葉の意味や文章の並べ替え、空欄補充、長文読解などが出題されます。非言語(数学)では推論や確率、集合、割合、速度算、表の読み取りなど様々な種類の計算問題が出題されます。

この記事の後半でSPIの例題を多数掲載していますので参考にしてください。

2.問題集を絞って繰り返し解く

使用する問題集を絞って同じ問題集を繰り返し解く方法がおすすめです。

問題集によって解説方法が異なるため、いろいろな種類の問題集を使用すると混乱してしまい記憶に残りにくくなります。同じ問題集を繰り返せば、出題パターンや解法のコツが身に付きやすいため効率よく実力をつけることができます。

気に入った問題集を1冊選んで問題を解いてみて、間違えた問題や苦手な分野を特定しましょう。その後は苦手分野を重点的に復習し、もう一度全体を通して問題を解いてみます。繰り返し行うことで苦手な分野が減っていき、着実に実力を高めることができます。

3.解答時間を意識してプレテストを行う

SPIでは、制限時間内にできるだけ多くの問題に正解する必要がありますので、時間配分を意識した練習が重要です。

問題を解くスピードの目安は、1問あたり40秒〜80秒程度です。時間内に解けない問題は飛ばして確実に解ける問題で得点を稼ぐという時間配分が重要です。たとえば、苦手分野で解くのに2分、3分と時間がかかる問題は飛ばして、1分未満で得意な問題で点数を稼ぐ方が高得点を狙いやすくなります。

テストの本番でも、解きやすい問題と苦手な問題の時間配分が重要となるため、事前に回答時間や時間配分を意識した本番形式のプレテストを行って練習しておくのが効果的です。

4.パソコンでの試験に適応しておく

SPIはテストセンターやWEBテスティングなどパソコンで実施されることが多いです。本番で実力を発揮するために、受検中の画面操作に慣れて適応しておくしましょう。

問題は画面上に表示され、計算が必要な場合は手元の紙で行い、回答は画面上の選択式で行います。答えを選択すると前の画面には戻れないため、選択ミスにも注意が必要です。初めてだと戸惑ってしまう場合がありますので注意が必要です。

事前に慣れる方法として、SPI対策のWebサイトやアプリを利用して、実際に問題を解く練習をすることができます。あらかじめ操作に慣れてから本番に臨みましょう。

5.性格検査は正直に答えよう

SPIの性格検査は価値観や性格を数値化する検査なので、特に対策は必要ありません。無理に良い結果を出そうとするのではなく、正直に直感で答えることが大切です。

企業は性格検査の結果をもとに「自社とマッチするか」「どんな部署や職種が向いているか」などを判断しています。

しかし、企業の価値観や求める人物像に合致した回答ばかりを無理に選んでいると、「自分を良く見せようとする傾向あり」と判定されてしまい、それが企業側にも伝わります。

そのことで信頼を損ねてしまうリスクがありますので、性格検査は正直に回答するよう心がけましょう。

SPI対策本のおすすめ3選

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ここからは、SPIの勉強に活用できるSPI対策本について見ていきましょう。

市販の対策本を活用すれば、最新の傾向を踏まえたSPIの問題を実際に解くことができ、出題形式や難易度を体感できます。解答や解説を読んでじっくり学習したり、模擬テスト形式や分野別問題集で苦手な分野を集中的に強化することもできます。

SPI対策本はたくさんの種類がありますが、以下の基準で選ぶとよいでしょう。

  1. 受験するSPIの種類
  2. 対策本のタイプで選ぶ
  3. 自分に合った難易度

SPIには新卒向けや高卒向けなど種類がありますので、自分が受験する予定のものを選びましょう。新卒なら「SPI-U」、高卒なら「SPI-H」、転職や公務員志望なら「SPI3-G」、事務職志望なら「SPI-R」を選びましょう。

また、対策本には主に「解説タイプ」「問題集タイプ」の2種類があります。解説タイプは丁寧な解説があるため基礎から理解したい人や初心者向けです。一方で、問題集タイプはたくさん問題を解いて高得点を目指したい人向けです。

上記のうち、自分の難易度に合ったものを選びましょう。興味のある対策本が初心者向けなのか、または基礎を習得済みで高得点を目指す人に適しているのか確認してから選ぶとよいでしょう。

以下で特におすすめなSPI対策本を3つ紹介します。

「これが本当のSPI3だ!2026年度版」

アマゾンのランキングでも1位を獲得し、売上No.1を誇るSPI対策本の定番です。

テストセンター、WEBテスティング、ペーパーテストの主要な3方式に対応し、「出る順」でまとめられた出題範囲表で一目で過去の出題傾向を把握できます。

講義形式の丁寧な解説で学べるため、中学や高校レベルの国語や数学を忘れてしまっている人も基礎からじっくり思い出すことができます。

問題数・解説のボリュームともに十分で、性格検査の解説もあるため、一冊で基本的なSPI対策を完結させることができます。

SPIの基礎から丁寧に学べるため、SPIや就職活動が初めての人におすすめです。

「1週間でSPI3の解き方がわかるテキスト&問題集」

テストセンター、WEBテスティング、ペーパーテストに対応した、SPIを基礎からやさしく学べる入門書です。

タイトルの通り、1週間という短期間で効率よく解き方を身につけることをコンセプトにしています。

7日間でSPI3の主要な分野を網羅し、問題集付きで実戦的な模擬問題にもチャレンジできるため、短期間で対策をしたい人に向いています。

難易度は初心者向けで、「方程式ってどうやって解くんだっけ?」という入門から基本レベルからスタートするため、SPIの勉強が初めての人におすすめです。

「2026最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集」

通称「青本」と呼ばれている人気のSPI対策本です。

テストセンターとペーパーテスティングの出題傾向を徹底的に分析し、最新の頻出問題を復元・解説しています。

本番での時間配分を意識し、「1問あたり30秒〜1分」で解けるようになる実戦的なスピード解法を身に付けられるのが特徴です。

目標時間を設定できる実践トレーニング問題も掲載されているほか、40分でレベル判定ができる模擬テストも収録されていますので、高得点を目指してしっかりと実力をつけたい人におすすめです。

無料のSPI対策本アプリ

無料のSPI対策アプリをスマホに入れておけば、電車での移動時などスキマ時間を利用して勉強できるためおすすめです。

アプリの選び方は以下のポイントをチェックするとよいでしょう。

  1. 無料で利用可能か
  2. 問題の難易度や収録数
  3. 解答や解説の質

SPI対策アプリは無料でも質の高いものが多いため、まずは無料アプリから試してみるのがおすすめです。

アプリに収録されている問題の難易度が本番に近いかどうか、収録数は十分かを確認しましょう。

目安として言語と非言語で各100問以上収録しているアプリを選ぶのがおすすめです。

また、解答や解説が分かりやすいか、自分に合っているかも重要です。初心者向けのアプリか、または高得点を目指すための上級者向けのアプリかもチェックするとよいでしょう。

以下で特に人気の高いおすすめの無料SPI対策アプリを2つ紹介しますので参考にしてください。

「SPI言語・非言語対策問題集 就活/転職対策アプリ」

言語分野、非言語分野、英語の3分野で合計1,000問以上を収録しているのが特徴の無料アプリです。

特徴は何と言っても問題数が圧倒的に多いところで、ボリュームで物足りなさを感じる心配はないでしょう。定期的な問題の追加・更新も行われていますので、最新のSPI出題傾向にも対応できるのがメリットです。

累計ダウンロード数は150万以上とユーザーからの評価も非常に高い人気アプリです。

「SPI言語・非言語 就活問題集 -適性検査SPI3対応-」

こちらも言語分野と非言語分野、英語の3分野に対応した無料のSPI対策アプリです。

特徴は同年代の利用者と得点ランキングで競うことができ、自分のレベルや理解度を客観的に把握しつつ、飽きずに楽しみながら継続できるところです。

また、目標を設定して通知をONにすることで、毎日忘れずに学習ができる機能も便利です。

問題総数は382問と十分なボリュームで、主要分野をしっかりカバーしています。基礎から応用まで幅広く対策したい人、飽きずに楽しみながらスキマ時間を活用してSPIの学習を続けたい人におすすめです。

SPIの例題

SPIで実際に出題される例題をひと通り知っておけば、計画的に学習できるようになり、試験本番も落ち着いて問題が解けるようになります。

以下で、SPIではどのような問題が出題されるのか、検査内容や分野ごとの例題を紹介します。

性格検査の問題例

以下の質問について、最も当てはまるものを選んでください。
(A:非常にそう思う、B:そう思う、C:どちらでもない、D:そう思わない、E:全くそう思わない)

問題1
チームでの作業において、自分から積極的に意見を述べる方だ。
A – B – C – D – E

問題2
新しいことに挑戦するよりも、慣れ親しんだことを続ける方が好きだ。
A – B – C – D – E

問題3
困っている人を見かけたら、声をかけずにはいられない。
A – B – C – D – E

能力検査の問題例

次に、能力検査で出題される問題の例を紹介します。

言語分野

言語分野では、言葉の意味や文章の意味を理解する能力を問う問題として、以下のような問題が出題されます。

  • 二語の関係
  • 語句の意味
  • 語句の用法
  • 文の並べ替え
  • 文中の空欄補充
  • 長文読解
  • 熟語の成り立ち

以下で問題例を紹介します。

二語の関係

最初の二語の関係と同じ関係になるように、適切な語句を選んでください。

問題1
医師:病院 = 教師:?
ア. 学校 イ. 生徒 ウ. 授業 エ. 教科書 オ. 黒板

問題2
春:桜 = 秋:?
ア. 葉 イ. 紅葉 ウ. 風 エ. 収穫 オ. 寒さ

解答:
1. ア(場所の関係)
2. イ(季節の象徴)

語句の意味

下線部の語句の意味として最も適切なものを選んでください。

問題1
彼の発言は示唆に富んでいる。
ア. 批判 イ. ほのめかし ウ. 指摘 エ. 賞賛 オ. 疑問

問題2
その計画は杜撰だった。
ア. 完璧 イ. いい加減 ウ. 複雑 エ. 単純 オ. 斬新

解答:
1. イ(示唆=ほのめかすこと)
2. イ(杜撰=いい加減)

語句の用法

下線部の語句の用法として正しいものを選んでください。

問題1
「因む」の正しい用法はどれか。
ア. 彼の名前は祖父に因んでつけられた
イ. 成功は努力に因んでいる
ウ. この結果は予想に因んでいる
エ. 問題の原因に因んで調査する
オ. 天候に因んで計画を変更する

問題2
「拘らず」の正しい用法はどれか。
ア. 雨が降ったが拘らず出かけた
イ. 忙しい拘らず手伝ってくれた
ウ. 年齢に拘らず参加できる
エ. 困難な拘らず挑戦する
オ. 反対された拘らず実行した

解答
1. ア(「因む」は由来・関連を表す)
2. ウ(「拘らず」は「関係なく」の意味)

文の並べ替え

次の文を意味が通るように並べ替えて、正しい順序を答えてください。

問題1
A: しかし、継続することで必ず成果は現れる。
B: 新しいことを学ぶとき、最初は困難に感じることが多い。
C: だからこそ、諦めずに取り組むことが重要である。
D: 多くの人がここで挫折してしまう。
正しい順序:(  )→(  )→(  )→(  )

問題2
A: その結果、地球温暖化が進行している。
B: 近年、二酸化炭素の排出量が急激に増加している。
C: これは産業発展と人口増加が主な原因である。
D: 私たちは今すぐ対策を講じる必要がある。
正しい順序:(  )→(  )→(  )→(  )

解答
1. B→D→A→C
2. B→C→A→D

非言語分野

非言語分野では、以下のように数的な処理や論理的な思考力を測定する問題が出ます。

  • 推論【正誤】
  • 順列・組み合わせ【並べ方と選び方】
  • 確率の基礎
  • 確率の応用
  • 割合と比
  • 損益算
  • 料金割引
  • 仕事算
  • 代金精算
  • 速度算
  • 集合
  • 表の解釈
  • 特殊算
  • 情報の読み取り
  • 物の流れ
  • グラフの領域
  • 条件と領域
  • SPIタイプ 推論【命題】

以下で具体的な出題例を紹介します。

推論
問題1
A、B、C、D、Eの5人が一列に並んでいる。
条件:
・AはBの左隣にいる
・CはDより右にいる
・EはAより右にいる
この条件を満たす並び方として正しいものはどれか。
ア. A-B-E-D-C イ. A-B-D-C-E ウ. B-A-E-D-C エ. A-B-C-D-E オ. A-B-D-E-C解答:イ
順列
問題1
6人の学生が一列に並ぶとき、並び方は何通りあるか。
ア. 36通り イ. 120通り ウ. 720通り エ. 1440通り オ. 5040通り

問題2
8人の中から会長、副会長、書記の3役を選ぶとき、選び方は何通りあるか。
ア. 24通り イ. 56通り ウ. 168通り エ. 336通り オ. 504通り

解答:
1. ウ(6! = 6×5×4×3×2×1 = 720通り)
2. エ(8P3 = 8×7×6 = 336通り)

組み合わせ
問題1
10人のクラスから3人の委員を選ぶとき、選び方は何通りあるか。
ア. 30通り イ. 60通り ウ. 120通り エ. 240通り オ. 720通り

問題2
赤玉5個、青玉3個の中から4個を選ぶとき、赤玉2個、青玉2個を選ぶ組み合わせは何通りか。
ア. 15通り イ. 20通り ウ. 30通り エ. 60通り オ. 90通り

解答:
1. ウ(10C3 = 10×9×8÷(3×2×1) = 120通り)
2. ウ(5C2×3C2 = 10×3 = 30通り)

確率
問題1
赤玉3個、白玉2個が入った袋から、玉を1個ずつ2回取り出す(戻さない)。1回目が赤玉、2回目が白玉である確率はいくらか。
ア. 3/20 イ. 3/10 ウ. 2/5 エ. 1/2 オ. 3/5

解答:イ(3/5×2/4 = 3/10)

英語の問題例

英語検査はテストセンターまたはペーパーテストで実施されることがある検査です。

以下のように、英語の語彙力や文章の理解力を測定する問題が出ます。

  • 同意語
  • 反意語
  • 単語の意味
  • 空欄補充
  • 整序問題
  • 誤文訂正
  • 英訳
  • 長文読解

こちらも出題例をいくつか見ていきましょう。

同意語

次の単語と同じ意味の語を選んでください。

問題1
abundant
ア. scarce イ. plentiful ウ. expensive エ. difficult オ. ancient

問題2
crucial
ア. easy イ. optional ウ. essential エ. temporary オ. complex

解答:
1. イ(abundant = plentiful:豊富な)
2. ウ(crucial = essential:重要な)

単語の意味

下線部の単語の意味として最も適切なものを選んでください。

問題1
The company needs to implement new safety measures immediately.
ア. 計画する イ. 議論する ウ. 実施する エ. 延期する オ. 拒否する

問題2
Her innovative approach solved the long-standing problem.
ア. 伝統的な イ. 革新的な ウ. 複雑な エ. 単純な オ. 慎重な

解答:
1. ウ(implement:実施する、実行する)
2. イ(innovative:革新的な、新しい)

空欄補充

次の文の空欄に入る最も適切な語句を選んでください。

問題1
The new employee showed great ______ in learning the company procedures.
ア. hesitation イ. confusion ウ. enthusiasm エ. resistance オ. indifference

問題2
Despite the challenges, the team managed to ______ their goals on time.
ア. abandon イ. accomplish ウ. avoid エ. postpone オ. ignore

解答:
1. ウ(enthusiasm:熱意)
2. イ(accomplish:達成する)

まとめ

この記事では、就職活動で実施されるSPIについて、基礎知識や対策方法などを解説しました。

SPIは日本で最も多くの企業が実施している適性検査で、就職活動で重要な選考ステップの1つとなっています。

言語(国語)と非言語(数学)の基礎能力検査と性格検査を中心とした構成で、企業によっては英語能力を測定する検査も実施されます。

SPIの対策は、目安として3ヶ月程度の学習期間が必要になるのが一般的です。まずは出題範囲や問題の形式を把握し、繰り返し問題集を解くことで実力をつけていくことが大切です。

SPI対策本や対策アプリなども活用し、しっかりと勉強をして実力を発揮できるようにしましょう。

ぜひこの記事でまとめたことを参考にしていただき、SPIの勉強や準備に役立ててください。

               
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この記事の監修者株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括/安藤 雄啓
安藤 雄啓 株式会社SOKKIN コーポレート統括本部 本部統括

株式会社サイバーエージェントでは、Ameba事業本部ママ事業部ビジネス責任者に従事、広告事業本部においては自社アドテク事業の立ち上げメンバーとして活躍。また、様々なベンチャー企業を渡り歩き、営業・広告事業部の部長として事業規模の拡大に励む。2024年、株式会社SOKKINに入社。コーポレート統括本部の本部統括として、販管・採用業務に従事。

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