
休学して長期インターンに参加することは、目的意識があればあなたのキャリアを飛躍させる絶好の機会になります。計画なしに踏み出すと貴重な時間を失ってしまうリスクも伴います。
そもそも長期インターンとは?
大学生のキャリア形成において、長期インターンへの注目が高まっています。実務経験を積める貴重な機会として多くの学生が参加を検討していますが、まずは長期インターンの基本的な仕組みや特徴を理解することが重要です。
長期インターンは、主に1ヶ月以上の期間にわたって行われるインターンシップを指します。中には半年から1年以上にわたって実施されるものもありますが、具体的な期間は明確に義務付けられていません。
勤務頻度は週に数日から1日数時間、またはフルタイムでの参加が求められることが多いです。夏休みなどの学校の長期休暇には週5日勤務する場合もあります。
長期インターンの最大の特徴は実際の業務に深く関わることができる点です。企業の一員としてプロジェクトやタスクを担当するのが一般的となっています。この経験を通じてスキルや知識を習得し、企業での実際の働き方を体験することが可能です。
長期インターンに参加する時期
経済産業省が発表した調査結果によると、長期インターンに参加した時期について興味深いデータが明らかになりました。
参加時期 | 割合 |
大学3年生7〜9月 | 22.1% |
大学3年生1〜3月 | 15.3% |
大学3年生4〜6月 | 10.7% |
大学2年生 | 10.7% |
大学3年生10〜12月 | 8.4% |
大学1年生 | 6.9% |
この調査結果から、大学3年生の夏季期間に参加する学生が最も多いことが分かります。しかし長期インターンは長期休みに限らず通年で募集されており、大学1〜2年生を対象としているものも数多く存在します。
今後は1年生や2年生が長期インターンに参加するケースがさらに増加する傾向にあると予想されます。
長期インターンと短期インターンの違いとは
長期インターンと短期インターンにはいくつかの重要な違いがあります。これらの違いを理解することで、自分の目的に合ったインターンを選択できるようになります。
期間
短期インターンは数日から1〜2週間程度で実施されることが一般的です。会社説明やグループワーク、模擬業務の体験が中心となります。
一方で長期インターンは1ヶ月以上の期間で実施され、中には半年以上に渡るものも存在します。この期間の違いにより実際の業務により深く関わることが可能になります。
対象
インターンシップへの参加は大学3年生が最も多いものの、1年生や2年生でも参加することが可能です。
早期からインターンに参加することで業界理解を深められるでしょう。
仕事の内容
長期インターンでは社員のサポート業務だけでなく、一定の成果が求められる実務を任されることもあります。特にスタートアップやベンチャー企業では裁量のある仕事を経験できる可能性が高いのが魅力です。
就職活動において実践的なスキルや業界理解を深められる点で大きなメリットがあります。短期インターンが企業研究や業界理解を深めるきっかけになるのに対し、長期インターンはその企業や職種に本格的に関われる点が最大の特徴といえるでしょう。

今の大学生の休学事情は?
近年、大学生の休学に対する考え方が大きく変化しています。自己成長や将来への投資として休学を選択する学生が増えており、その背景には多様な価値観と新しい学びのスタイルがあります。
休学の期間は?
基本的に半期(前期または後期)もしくは1年間単位で休学することが可能です。どこの大学でも共通していますが、休学を検討している方はまず教務課に確認しましょう。
休学期間と同じく重要なのが申請期間です。大学によっては休学の際に教授との面談が実施されるため、1〜2ヶ月前までに申請を完了しなければならない場合が多いです。
休学期間中に学費はかかる?
学費の扱いは国立大学と私立大学で異なる仕組みになっています。
大学の種類 | 休学期間中の学費 |
国立大学 | 基本的に学費はかからない |
私立大学 | 10万円程度の休学費用が必要な場合が多い |
私立大学では各大学により規定が異なるため、詳細については自分の所属する大学の教務課に問い合わせてみることをおすすめします。
国立大学の場合は経済的な負担が少ないため、休学による学習機会を活用しやすい環境が整っているといえるでしょう。
大学生が休学してやっている事とは?
大学生が休学する理由として以下の4つが特に多くなっています。
- 長期インターンに参加する
- 海外へ留学する(交換留学・ワーキングホリデー)
- 家庭の事情
- 健康問題
休学制度を利用することで学業以外のことに集中できる期間を設けることができます。将来の自分の進路ややりたいことについてじっくり考える貴重な時間となるでしょう。
上記のような理由が基本的には多いですが、最近では特に長期インターンや留学など自己成長のために休学する学生が急増しています。
特に長期インターンでは学生のうちに実際に社会人として働く経験を積むことが可能です。この経験は自分の就職活動における判断軸を明確にする効果があります。
また就職活動の際の面接などで強いアピールポイントになるため、学生の間で非常に人気が高まってきています。実務経験を通じて得られるスキルや知識は、座学だけでは習得できない価値のあるものです。
休学を通じて多様な経験を積むことで、より充実した大学生活と将来への準備が可能になります。

休学して長期インターンに参加するメリット
休学して長期インターンに参加することは、大学生活において大きな決断です。しかし、この選択は将来のキャリアに多くのメリットをもたらします。専念できる環境で実務経験を積み、他の学生との差別化を図れる貴重な機会となるでしょう。
ビジネスキルをアップできる
休学することで学業から一時的に離れ、仕事に完全に集中できる環境を作れます。これは新たなスキルを習得し、貴重な経験を積む絶好の機会となります。学業を気にせずインターンに没頭することで、業務理解や実務能力の飛躍的な向上が期待できるでしょう。
習得できるスキルは多岐にわたります。プログラミングや会計などの専門的な知識・スキルはもちろん、チームワークに必要なコミュニケーション能力も身につけられます。問題解決能力などの汎用的な能力は、どの業界でも通用する強力な武器となります。
他の就活生と差別化できる
現在の日本では新卒一括採用が当たり前になっています。これまでは新卒で入社後に自社で教育し、そこでスキルを磨く傾向が強くありました。
しかし近年はその傾向が薄まってきています。グローバル化が進み、優秀な人材を海外から積極的に取り入れる機会が増加しました。即戦力の人材を求める会社が増えているからです。
その影響が徐々に就活でも現れています。多くの企業が大学生のうちから経験を積み、自分の適性を理解している学生を即戦力として求め始めているのです。通常の学生がアルバイトやサークルを強みとするのに対し、長期インターンで実務をこなした経験は圧倒的に強力な武器となります。
自己分析をする良い時間になる
3つ目のメリットは自己分析をする時間ができることです。長期インターンでより具体的な実務をこなすことにより、自分に合った仕事ややりたい仕事が明確にイメージできるようになります。
現在の就活では短期インターンがメインとなっています。多くの学生が1〜2日間の体験だけで志望企業を決めるケースが多いでしょう。しかし、その短期間で実際の仕事を経験することは困難です。
長期インターンでは実務をこなすため、より具体的なイメージを描けるようになります。

休学して長期インターンに参加するデメリット
休学して長期インターンに参加することは多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
目的意識がないと1年が無駄になる
休学して長期インターンに参加する際に最も重要なのは、明確な目的意識を持つことです。やりたいことが曖昧なまま休学すると、貴重な1年間を無駄にしてしまう可能性があります。
目的意識が不明確だと、インターン先での学びが浅くなりがちです。また何を得たいのかが分からないため、経験を活かす方向性も見失ってしまいます。
さらに長期インターンを通じて将来のキャリアにどう活かしたいかも明確にしておきましょう。目的意識があれば、困難な状況でも継続する動機となり、より充実した経験を積むことができます。
大学の友達とのつながりが薄くなる
休学を選択すると、同期の仲間たちと共有していた日常的なキャンパス体験から切り離されることになります。復学のタイミングで再び顔を合わせたとしても、履修科目や時間帯のズレが生じているため、共通の話題を見つけにくく、関係性が希薄化してしまう傾向にあります。
1年間の休学期間を設けた場合、同期生は先に卒業の道筋を歩むことになり、取り残されたような孤立感に苛まれる瞬間もあるかもしれません。ただし、サークルという組織を活用することで、復学後においても従来通りの同期との結びつきを維持することは十分に実現可能です。
他の人より1年が遅れてしまう
休学中は授業に参加できないため単位を取得できません。そのため休学した期間分だけ卒業時期がそのままスライドし、結果として卒業までに時間がかかってしまいます。
卒業までの期間が延びることで注意したいのが金銭的コストです。在学期間が延びる分、一人暮らしの場合は賃貸費用や生活費用も追加で発生します。
コスト項目 | 影響 |
学費 | 1年分追加 |
生活費 | 12ヶ月分追加 |
賃貸費用 | 12ヶ月分追加 |

休学期間を使い長期インターンに参加する場合の就活への影響は?
休学して長期インターンに参加することが就活にどのような影響を与えるのか、多くの学生が気になる点でしょう。実際には休学が不利になることはなく、むしろ有利に働く可能性が高いのが現実です。
休学によって就活が不利にはなることはない
最初に明言しておきますが、休学という経歴そのものが就職活動において不利な要素として働くことはないのが実情です。それどころか、大学という枠組みを一度離れて獲得した多様な体験や具体的なエピソードは、採用担当者の関心を引きつける要素となり、プラス評価へと結びつく可能性が高いのです。
わざわざ休学という重要な決断を下してまで追求したかった目標は何だったのか、そしてインターンシップを通じて実際に習得したスキルや知見こそが、評価の核心となるのです。
休学中の経験が就活で有利になる
休学期間中に積んだインターンシップの経験は、就職活動において大きなアドバンテージになる可能性があります。特に、現場で培ったビジネス思考や実務スキルは、即戦力として非常に評価されるポイントです。
日本の社会では、「普通」や「一平凡」と見なされることが多い中、休学して積極的にインターンに参加した学生は、「変わっている」と捉えられることもあります。
しかし、その「他と違う経験」は、むしろあなたの強みとなる証拠です。根拠と明確な数字を基に、自信を持って自分の実績を伝えることが鍵です。休学を選んで得た貴重な経験は、他の応募者との差別化要素として、あなたの武器になるでしょう。

実際に休学して長期インターンを始めた方にインタビュー
実際に、休学して長期インターンを始めた、弊社でインターンを行なっている学生に、インタビューを行いました。
休学して長期インターンを始めたきっかけや理由があったら教えてください
長期インターンではどのような業務を体験しましたか?
休学して後悔したことはありますか?
休学して長期インターンに参加するのはおすすめですか?

長期インターンはどうやって探す?
長期インターンを探す方法は複数存在し、それぞれに特徴があります。自分の目標や希望に合わせて適切な方法を選択することで、理想的なインターンシップを見つけることができるでしょう。効率的な探し方を理解して活用しましょう。
企業の採用HP・SNS
長期インターンシップは「3ヶ月以上学生が実務経験を積むために企業で働く」制度です。主にベンチャー企業で取り入れられていることが多く、有名大手企業では1日〜1週間程度の短期インターンシップのみ行っているケースが多いのが現状です。
しかし中には「就業型インターンシップ」として、長期のインターンを募集している大手企業も存在します。このような求人の場合、一般的な求人サイトに掲載されることは少なく、企業の採用HPで募集していることが多いです。
そのためSNSを使って情報収集をしたり、既に行きたい企業がある場合は随時HPをチェックしたりする必要があります。TwitterやLinkedInなどのSNSでは企業の採用担当者が直接情報を発信している場合もあり、貴重な情報源となります。
長期インターンの求人サイト
長期インターンシップを探す際の基本的方法として、専門求人サイトの活用をおすすめします。このようなサイトでは、常に最新の求人情報が提供されていることを覚えておきましょう。皆さんが検索条件を設定することで、数多くの求人の中から自分の希望条件に合った機会を見つけることができます。
職種、業界分野、通勤可能な地域、自分のスケジュールに合った勤務時間など、具体的な条件で検索できる点は非常に有用であると理解しておくべきでしょう。
求人サイトの特徴 | メリット |
随時更新 | 最新の求人情報を入手可能 |
条件検索 | 希望に合った求人を効率的に発見 |
スカウト機能 | 企業からの直接アプローチ |
補足しておきますと、企業側から候補者へ直接アプローチする機能を備えた求人サイトも存在します。皆さんが自己PRを含むプロフィール情報を丁寧に整備しておくことで、予想外の業界や企業からスカウトメッセージを受け取る可能性が生まれます。
大学の就職キャリアセンター
大学のキャリアセンターを通じて長期インターンシップを探すという方法も覚えておくとよいでしょう。各大学には独自の企業とのつながりがあり、一般的な求人情報では知ることのできない貴重な機会が眠っていることがあります。興味のある方は、定期的に情報を確認する習慣をつけることをお勧めします。
専門の求人サイトと比較すると、提供される求人数は確かに少ないという現実があります。しかし、皆さんの先輩が働いている企業や、国際的な経験ができる海外インターンシップ、公共サービスについて学べる行政機関でのインターンシップなど、一般的な求人サイトでは得られない情報を入手できることが、キャリアセンターを活用する大きな意義です。
知人の紹介
知人の紹介による長期インターンの探し方も有効な手段の一つです。先輩や友人から直接紹介を受けることで、一般には公開されていない貴重な機会に出会える可能性があります。
紹介による応募では企業側も安心感を持って選考を進められるため、通常より高い確率で採用される傾向があります。また実際に働いている人からリアルな職場環境を聞けることも大きなメリットです。

休学中の長期インターンに参加する際の注意点
休学中の長期インターンは貴重な成長機会ですが、計画的に取り組まなければ思うような成果を得られません。成功するために押さえておくべきポイントを確認しましょう。
復学の期限を決めて始めること
休学してインターンに取り組む際は、復学の期限をあらかじめ設定しておくことが重要です。この期限を明確にして取り組むことで、復学意欲を維持しながらインターンを進めることができます。期限を決める最大の利点は、計画的に行動できる点にあります。
具体的には、インターン終了日を基準にして、段階的な成長目標を複数設定し、それに向かって効率的に動くことが可能です。たとえば、「3か月後にマーケティングの基礎を習得する」といった具体的な目標を掲示し、その達成を目指すことができるのです。
目的意識を持ってインターンに参加すること
休学中にインターンをする際は、なぜ参加したいのかを自分と向き合って考えることが重要です。休学制度を利用する必要性についても慎重に検討してください。
インターンに参加した後のステップを意識しておくことも大切な要素です。
インターンの目的:早い段階から集中的にビジネススキルを磨く
インターンの次のステップ:就活時の選択肢を増やす、起業を目指す
このようにインターンシップで習得したスキルをどのように活用したいのか、その目的意識を持つことで、成長のスピードを一段と加速させることが可能です。復学後の活動も見据えながら、期間中のインターンシップを有効に活用しましょう。
休学前に家族と相談すること
休学を決める際には、大学生活を支えてくれる家族に対して配慮を忘れないことが重要です。彼らの金銭的・生活的なサポートがあってこそ、自分の日常が成り立っていることを理解し、その感謝の気持ちを持つことが必要です。
家族と話し合う際には以下の内容を明確に説明することが重要です。
- 休学をしてインターンに参加する目的
- インターン後の将来設計
- 復学までの具体的な期限

長期インターン参加までの流れは?
長期インターンに参加するまでには、いくつかのステップがあります。求人サイトへの登録から実際の参加まで、順序立てて進めることが成功の鍵となります。
求人サイトの会員登録
長期インターンを始める最初のステップは、求人サイトへの会員登録です。多くの企業が求人サイトを通じてインターン生を募集しています。登録時に必要な情報を正確に入力することで、自分の希望条件に合った求人情報を効率的に収集できます。プロフィールは企業側も確認するため、丁寧に作成しましょう。
求人サイトでの企業リサーチおよび情報収集
長期インターンに申し込む前に、申込先の企業について詳しく調べることが重要です。事前リサーチはミスマッチを防止する有効な手段となります。
企業についてリサーチする際は、以下のポイントを重点的に確認してください。
確認項目 | 詳細内容 |
企業のビジョンやミッション | 企業の理念や目標が自分の価値観と合致しているか |
業務内容 | インターンでどのような業務に携わることができるか |
職場環境 | 企業の文化や職場環境が自分に適しているか |
これらの情報は企業の公式サイトや求人詳細ページで確認できます。また、実際に働いている社員の声やインタビュー記事も参考になります。
応募と面接
長期インターンに応募すると、インターンサイトや企業から選考方法について詳細な案内が送られてきます。
選考方法は企業によって異なりますが、一般的には以下の形式が採用されています。
- 書類選考
- 適性検査
- 筆記試験
- 面接
インターンを始める
インターンへの参加が正式に決定したら、企業の担当者と初出勤日の調整を行います。
当日までに確認すべき事項は以下の通りです。
- 服装規定の確認
- 必要な持ち物の準備
- 出勤場所や交通手段の確認
- 勤務時間や休憩時間の把握
初日を迎える前に、改めてインターンに参加する目的を振り返ってみましょう。明確な目標を持って臨むことで、より充実したインターン経験を得ることができます。
実際にインターンが始まったら、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。分からないことがあれば遠慮せずに質問し、自分から学ぶ姿勢を示しましょう。
また定期的に自分の成長を振り返る時間を設けることもおすすめします。週ごとや月ごとに目標の達成度を確認し、必要に応じて軌道修正を行うことで、より効果的な学習が可能になります。
インターン期間中は新しい環境に慣れるまで時間がかかる場合もありますが、積極的な姿勢を維持することで必ず成長につながります。困ったときは上司や先輩社員に相談し、サポートを求めることも大切な学習の一部です。

まとめ
休学して長期インターンに参加することは、現代の大学生にとって非常に価値のある選択肢となっています。確かにリスクも存在しますが、明確な目的意識を持って取り組めば、そのリスクを大幅に上回るメリットを得ることができるでしょう。
実務経験を通じて身につけられるビジネススキルや業界知識は、通常の大学生活では決して習得できない貴重な財産です。また他の就活生との差別化を図れる点も、将来のキャリア形成において重要な要素となります。自己分析を深める機会としても、長期インターンは非常に有効な手段といえるでしょう。
現在の就職市場では即戦力となる人材がますす求められており、学生時代から実務経験を積んでいる人材の価値は今後さらに高まることが予想されます。自分の未来への投資として、休学による長期インターンへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。最終的な判断は自分自身が下すものですが、一歩踏み出す勇気があなたの人生を大きく変える可能性を秘めています。
