テレビ局のインターンって何するの？インターンの内容と選考突破のコツとは

卒業後の就職先にテレビ局を希望する場合、インターンに参加しておきたいと考える人もいるでしょう。具体的な業務内容・雰囲気などに触れられるインターンは、貴重な機会といえます。

しかしその一方で「テレビ局のインターンとはどのようなものなのか知りたい」「応募するにはどうすればいいのかわからない」といった疑問・不安を抱えている人も少なくありません。

本記事では、テレビ局のインターンについて網羅的に解説します。インターンの種類・メリット・応募方法なども含めて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

テレビ局のインターンの主な種類

テレビ局で実施されているインターンの主な種類を紹介します。

アナウンサー

アナウンサーのインターンでは、実際の報道現場体験が可能です。具体的な内容として、以下のようなものがあげられるでしょう。

上記のプログラムを通して、アナウンサーの仕事の幅広さを肌で感じられます。また、得られるスキルは主に以下の通りです。

ディレクター・プロデューサー

ディレクター・プロデューサーのインターンで体験できる内容は、主に以下の通りです。

具体的には企画会議への参加・リサーチ業務・ロケハン同行・編集作業のサポートなど、多岐にわたる業務に携わります。

これにより、以下のようなスキルの習得が可能です。

記者

記者のインターンで体験できる主な内容は、以下の通りです。

上記は報道の一連の流れであり、これらをインターンで体験できる点はメリットといえるでしょう。インターンでは、以下のような具体的な業務に携わります。

これにより、得られるスキルは以下の通りです。

番組制作・技術職

番組制作・技術職のインターンで体験できる主な内容は、以下の通りです。

技術的な側面から制作全体を支える仕事を体験できます。具体的には、以下のような多岐にわたる業務に携わるでしょう。

これにより得られる主なスキルは、以下の通りです。

テレビ局のインターンの開催時期と応募方法

インターンの開催時期と応募方法を紹介するので、参考にしてください。

開催時期と応募の締め切り

テレビ局のインターンは部門によって開催時期が異なるので、一概にはいえません。

部門	開催時期	締め切り
アナウンサー	春（4月～5月頃）	3月～4月頃
総合職系（記者・ディレクター・制作・技術職など）	夏（8月～9月頃）	6月～7月頃
	冬（11月～12月頃）	8月～10月頃

応募方法

テレビ局のインターンへの応募は、企業の採用ホームページ上でエントリーシートを提出することから始まるのが基本です。

エントリーシートには、志望動機・自己PR・学生時代に力を入れたことなどを記述します。ES選考を通過すると多くの場合、Webテストや筆記試験が課せられます。その後、複数回の面接へと進むのが一般的です。

テレビ局のインターンに参加するメリット

テレビ局のインターンに参加するメリットを確認していきましょう。

自分がその業界に合っているかがわかる

テレビ局のインターンに参加する大きなメリットは、自分がその業界に適性があるかを見極められる点です。

テレビ局は、華やかなイメージがあるかもしれません。しかし一方でテレビ局の仕事は、多忙なスケジュールやチームでの連携が不可欠です。実際に体験してみないと分からない側面が多くあります。

テレビ局への就職に活用できる

テレビ局のインターンは、将来の就職活動に直接活かせる大きなメリットがあります。

インターン中に得た経験や学びは、エントリーシートや面接で具体的なエピソードとして活用可能です。説得力のある自己PRにつながるでしょう。

また実際に働く社員との交流を通じて、企業文化や求める人物像を深く理解できます。これにより、企業への志望動機をより具体的に深めることも可能です。

テレビ局の業務のリアルを知ることができる

テレビ局のインターンに参加する大きなメリットは、テレビ局の業務のリアルを肌で感じられることです。

テレビ局の仕事は、華やかなイメージが先行しがちです。しかし実際の番組制作は想像以上に多くの部署や人の連携、そして地道な作業によって成り立っています。

主なテレビ局のインターンの内容

主なテレビ局のインターンの内容を確認していきましょう。

NHK

募集部門	内容・例
記者コース	ジャーナリストの基本業務 （例）ニュース取材、情報収集、記事執筆など
映像ジャーナリスト	映像取材や映像制作 （例）ニュースや報道番組の映像取材、編集、制作など
ディレクターコース	コンテンツ制作全般 （例）番組企画立案、制作進行、演出など
アナウンサーコース	言葉で伝える業務 （例）ニュースリード、リポート、実況、司会など
マネジメントコース	組織運営に関わる業務 （例）営業企画、編成、広報、総務人事など
技術コース	番組制作の技術業務 （例）撮影、音声、照明、映像、放送システムの運用、技術開発など
映像デザイナーコース	ビジュアルと音の演出 （例）番組セット、グラフィック、音響デザインなど
NHKの仕事をまとめて体験コース	上記複数の職種を横断的に体験できるプログラム

日本テレビ

募集部門	内容・例
ビジネスプロデューサー	ビジネスサイド全般 （例）番組やコンテンツの企画、編成、営業、事業戦略など
ディレクター	・クリエイティブな制作業務 ・現役社員がマンツーマンで指導 （例）番組やコンテンツの企画、演出、制作進行など
報道記者	・報道の最前線 ・報道の現場を知り尽くした社員からのマンツーマンアドバイス （例）ニュースの取材、情報収集、原稿作成、企画構成など
アナウンサー	・言葉で伝える専門職 ・現役アナウンサーがプロの目線で一人ひとりの長所や改善点を分析 （例）発声、発音の基礎練習、ニュース読み、リポート実習など
テクノロジー部門	・テレビ局の技術を支える業務 ・多岐にわたる技術業務に触れる体験イベント ・現場社員とのトークタイムあり （例）放送技術、新技術開発、インターネット配信、データ戦略など

TBS

募集部門		内容・例
アナウンサー部門		・アナウンスの基礎を学ぶコース ・現役アナウンサーによる直接指導 （例）発声、発音、原稿読み、リポート中継体験、自己PR動画作成など
コンテンツ制作・ビジネス部門	講習編（1day）	・グループワークが中心 ・番組企画、新ビジネスの事業立案などを体験
	実践編（5日間～2週間）	・助監督やディレクター、ADなどとして実際の現場で業務を体験 ・現場プロデューサーやディレクターによる講義や企画書作成ワーク
テクノロジー・デザイン部門		・技術とクリエイティブの融合 ・スタジオ設備や11.1ch音響を使用したグループワーク （例）放送技術、システム開発、デザインなど

テレビ朝日

募集部門	内容・例
コンテンツ制作・ビジネス部門	・多岐にわたる制作・ビジネスサイドの業務 ・オンラインでの講義と、テレビ朝日本社でのリアルな現場体験を組み合わせたプログラム （例）番組制作の企画立案、コンテンツを活用した新たなビジネスの考案など
テクノロジー部門	・放送技術の最前線に触れる部門 ・若手社員との交流や技術現場の体験 （例）スタジオでの機材操作、放送システムの運用、新しい技術開発など
デザイン・CG部門	・ビジュアル表現を学ぶ部門 ・実際のコンテンツ制作事例を基にしたレクチャーとワークショップ
アナウンサー部門	・将来アナウンサーを目指す学生向け ・現役アナウンサーによる直接指導 （例）発声・発音の基礎やニュース読み、リポート実習など

フジテレビ

募集部門	内容・例
総合職	・幅広い職種を対象 ・ワークショップ、社員による講演や交流会、現場見学などを実施 ・番組制作、コンテンツビジネス、技術、一般職など
アナウンサー職	・アナウンサー志望の学生を対象とした専門性の高いプログラム ・アナウンサーに必要な基礎スキルを現役アナウンサーやベテラン講師から直接指導 ・自己PR動画作成指導、模擬番組収録など

テレビ東京

募集部門	内容・例
ビジネス総合コース	テレビ東京の多岐にわたるビジネス戦略を学ぶコース （例）ワークショップ、社員による講演会や交流会など
クリエイティブ総合コース	さまざまなジャンルの番組制作に携わるディレクターやプロデューサーの仕事を体験するコース （例）企画立案ワーク、現場同行など
技術職コース	番組制作と放送を支える技術系の仕事に特化したコース （例）放送技術体験、技術者との交流など
アナウンサーコース	発声・発音の基礎、ニュース読み、フリートークなどを学ぶコース （例）発声・滑舌指導、ニュース読み・リポート実習など

テレビ局のインターン選考の流れ

テレビ局のインターン選考の流れを紹介します。

テレビ局のインターンの概要を把握する

テレビ局のインターン選考において、まず重要なのはインターンの概要を正確に把握することです。

各局のホームページや採用サイトで公開されている募集要項を注意深く確認してください。特に以下の内容は、注目ポイントです。

インターン先のテレビ局を決める

テレビ局のインターン選考において、次に重要なのはインターン先のテレビ局を決めることです。

具体的には、以下のような点に注目して比較検討してください。

自身の興味や将来のキャリアビジョンと、最も合致する局を選びましょう。例えば、各テレビ局において以下のような異なる特色があります。

テレビ局のインターン選考に応募する

テレビ局のインターン選考の最終ステップは、いよいよインターン選考への応募です。募集要項で示された期間内に、指定された方法で必要書類を提出しましょう。

多くのテレビ局では、エントリーシート（ES）の提出が必須です。ESでは、以下の内容を具体的に記述してください。

テレビ局でインターンシップに参加したいという熱意と、自身の強みを効果的にアピールしましょう。

特に面接では、質問に対して結論ファーストで簡潔に答えなければなりません。論理的思考力やコミュニケーション能力を示す必要があります。

事前にしっかりと準備を行い、自身の個性や潜在能力を最大限にアピールできるよう努めましょう。

テレビ局のインターン選考を突破するコツ

テレビ局のインターン選考を突破するコツを紹介するので、参考にしてください。

証明写真はプロに撮ってもらう

テレビ局のインターン選考を突破するうえで、証明写真はプロに撮影してもらうことを強くおすすめします。特にアナウンサー職といった人前に出る機会の多い職種では、第一印象が非常に重要視されるからです。

プロが撮影した写真は、光の加減・表情・姿勢などが最適化されています。また、清潔感・明るさ・真剣さといった好印象を与える要素を最大限に引き出してくれる点もメリットです。

志望するテレビ局の番組を分析する

テレビ局のインターン選考を突破するためには、志望するテレビ局の番組を徹底的に分析することが非常に重要です。特に、以下の点に注目して理解を深めましょう。

例えば「バラエティ色が強いのか」「報道に力を入れているのか」「ドラマが人気なのかなど、それぞれの局の特色や個性を把握することが肝心です。

動画選考での動画の質を高める

テレビ局のインターン選考において、動画選考での動画の質を高めることは非常に重要です。特にアナウンサーやディレクター志望の場合、動画はあなたの表現力やセンスをアピールする絶好の機会といえます。

スマホで撮影するにしても明るい場所を選び、雑音が入らないようにする工夫が必要です。画角・表情に気を配るだけでも、印象は大きく変わります。また、以下のような点も意識することをおすすめします。

面接での逆質問を積極的にする

テレビ局のインターン選考において面接での逆質問を積極的にすることは、合否を左右する重要なポイントです。

「何か質問はありますか？」と聞かれた際に企業や業務内容について具体的に質問することで、意欲の高さと企業への理解度をアピールできます。

テレビ局のインターンは本選考に有利なの？

テレビ局のインターンにおける本選考での有利性について解説します。

テレビ局のインターンは本選考に有利！

テレビ局のインターンに参加することは、本選考において非常に有利に働く可能性が高いでしょう。

インターンを通じて、実際の業務内容や社風への理解を深めることが可能です。そのため、志望動機の説得力が格段に増します。面接では「その局でなければならない理由」「入社後に貢献したいこと」を、具体的なエピソードを交えながら語れるでしょう。

また、インターン中は社員と交流する機会が豊富です。顔や名前を覚えてもらえることで、本選考で良い印象を与える可能性が高まります。

インターンは単なる企業理解に留まらず、自身の適性を確認してキャリアを具体化する貴重なステップといえるでしょう。

上級者インターンに招待されることもある

テレビ局のインターンで高い評価を得ると、上級者インターンに招待されることがあります。通常のインターンシップよりもさらに実践的で、専門性の高い業務に深く関わる機会です。少人数制で実施されることが多く、社員との距離も近いため、より具体的な指導やフィードバックを受けられます。

上級者インターンへの招待は、能力と意欲が企業に認められた証拠です。本選考では、非常に有利に働きます。場合によっては、そのまま早期選考や特別ルートでの採用につながるケースも珍しくありません。内定への大きな一歩となるでしょう。

テレビ局のインターンで得られるスキル

テレビ局のインターンで得られるスキルを確認していきましょう。

機材操作スキル

テレビ局のインターンでは、機材操作スキルを実践的に習得できる貴重な機会が豊富です。

特に技術職や一部の制作職のインターンシップでは、以下のようなさまざまな機械に触れられます。

企画力・演出力

テレビ局のインターンでは、企画力・演出力を大きく高められます。

特にディレクターやプロデューサー職のインターンシップでは、以下のような業務を体験できるでしょう。

インターンとはいえ、プログラムではコンテンツを魅力的に見せるためのあらゆる要素を考える機会が与えられます。インターン中は、現役のクリエイターから直接フィードバックをもらえる点も魅力的です。

編集技術

テレビ局のインターンでは、編集技術を実践的に学ぶ貴重な機会があります。

特に技術職や一部の制作職のインターンシップでは、プロ仕様の映像編集ソフトウェアや機材に触れる機会が豊富です。

現場での連携力

テレビ局のインターンでは、現場での連携力を実践的に習得できます。

番組制作は、多くの専門スタッフが協力し合うことで成り立っています。インターンシップ中に協力しながら一つの目標に向かって動く経験を積むことで、コミュニケーション能力やチーム全体を見渡す視野が身につくでしょう。

まとめ

テレビ局のインターンについて解説しました。

テレビ局のインターンは局によって、インターンを募集している部門が異なります。習得できるスキルや体験できる業務内容にも違いがあり、応募する前には徹底した情報収集・調査が欠かせません。

本記事で紹介した種類・応募方法・局ごとのインターンの内容などを参考にして、希望にマッチしたインターンに参加してください。