
就職活動の際、多くの企業で履歴書・職務経歴書とともにES(エントリーシート)の提出が求められます。ESにはさまざまな項目が設けられていますが、そのなかでも多くの人が戸惑うのが長所の欄です。
「ESの長所欄は、どのように書けばいいのかわからない」「自分の長所が見つけられない」といった不安・悩みを抱えている人も少なくありません。
本記事ではESのなかでも長所にフォーカスして解説します。企業が長所を聞く理由・長所の考え方・書く時のコツなども含めて網羅的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
長所・強みとは?
長所・強みとは、他人と比較した際に自分のほうが優れている点や得意なことです。具体的な例として、以下のようなものがあげられるでしょう。
・性格・特性
・経験
上記にあげたような長所・強みは、仕事でのパフォーマンスを向上させたり、日常生活での課題を解決したりする際に役立ちます。
特に就職活動での採用面接では、長所・強みは自分自身を企業に売り込むための重要なアピールポイントです。採用すれば企業側にプラスになる点・メリットが多いことをつたえるためには、長所・強みが欠かせません。
具体例としてあげた長所・強みは、採用面接では企業に活かせる能力として伝える必要があります。
なぜ、企業は長所を聞いてくるのか?
採用時の面接で、なぜ企業は長所を聞いてくるのでしょう。その主な理由について確認していきましょう。
特徴を知るため
面接で長所・短所を聞かれる理由は、その人の特徴を知るためです。
面接官は事前に提出された履歴書・職務経歴書などの書類を見て、ある程度の特徴は想像しています。しかし書面から読み取った場合と実際に対面した場合とでは、印象が異なることも少なくありません。
長所・短所の質問に対して、どのような回答をするのか、表情や表現はどうかといったことを確認してその人の特徴をより深く知ろうとしているのです。
自己分析ができているか知るため
企業が面接時に長所を聞くのは、自己分析ができているかどうか知るためでもあります。
自己分析とは、自分の性格・価値観・能力などを理解するプロセスのことです。企業がこの自己分析を重視するのには、以下のような理由があげられます。
・課題解決能力の有無
・コミュニケーション能力の高さ
自己分析ができていれば、苦手な部分や短所といった課題点の解決能力・克服するための成長意欲の有無の確認が可能です。
また自分という存在を的確にわかりやすく説明するコミュニケーション能力の高さも、企業は同時にチェックしています。
自己分析ができているかどうかを知ることで上記のような点がわかるため、面接で長所を聞くのです。

社風と合うかどうか知るため
社風とマッチするかどうかを知るために、長所を聞いているということもあるでしょう。
例えば採用後に社風とあわなかった場合、早期退職してしまう可能性が高まります。時間をかけて採用試験を行い、採用後に研修も行ったにもかかわらず早期退職されては、企業としては大きな痛手です。退職者の代わりを探すため、再び採用の準備などを行わなければなりません。
企業側は、採用者にはできるだけ長く勤務してほしいと思っています。早期退職をされると双方にとってデメリットが大きいため、そのリスクを少しでも減らすために長所を聞いて社風とマッチするか確かめているのです。
入社後に活躍できるか見るため
入社後の活躍を見るため、という理由もあげられるでしょう。
企業が採用試験・面接を行うのは、求める能力に見合った人材を採用したいからです。採用試験では多種多様な検査が行われますが、これらだけの情報・データですべてがわかるとはいえません。
面接で長所を聞くことで、その人が回答した長所が求める人材とマッチしているかどうかを確認しています。
回答した内容が求める能力と合致していれば、入社後に活躍してもらえるでしょう。企業にとっても採用者側にとってもメリットが大きいといえます。
長所の考え方
長所の考え方について紹介するので、参考にしてください。
自分の特徴を書き出してみる
長所を探す前に、自分の特徴を書き出してみるましょう。あらゆる側面から、自分の特徴を探してみてください。長所を探すことは、自己分析の第一歩です。自分自身を客観的に見つめることにもつながるので、徹底して自分自身を分析しましょう。
自分の特徴の書き出しが完了したら、ポジティブなものだけをピックアップします。具体的な例として、以下のようなものに注目してピックアップするとよいでしょう。
・計画性がある
・協調性がある
・交渉力がある
・社交的である
・責任感が強い
・好奇心旺盛
・几帳面
・真面目
上記は一例ですが、このような特徴があなたの長所です。
長所がポジティブなものだけをピックアップするという方法は、書き出した特徴が少ない場合には困難かもしれません。より多くのポジティブな特徴を見つけるためにも、可能な限りたくさんの特徴を書き出しましょう。
自分の過去の経験から考えてみる
過去の経験から考えてみることも、長所を探す際のひとつの方法です。
過去の経験から長所を探す際には、以下のようなポイントに注目するとよいでしょう。
長所になる体験 | 具体的な掘り下げポイント |
成功体験 | ・具体的な状況 ・成功した理由の分析 |
困難を乗り越えた経験 | ・具体的な困難と対処法 ・この経験で学んだこと |
人から頼られた経験 | ・頼られた内容 ・無意識に行っていること |
感謝されたこと | ・どのようなことで感謝されたのか ・そのときの具体的な行動 |
時間を忘れて取り組んだこと | ・夢中になった事柄 ・その時の自分の状態 |
上記は経験から長所を探す際の一例です。具体的な体験を思い出し、その体験を掘り下げて長所を探していきましょう。

他人に聞いてみる
他人に聞いてみることもおすすめです。
自分自身のことは外側から観察できません。自分以外の人の目を通すことで、外側からの自己分析ができます。他人に聞いてみると、意外な長所が見つかるかもしれません。
他人に長所を聞いてみることはいい方法ではありますが、答えてもらった長所は自己分析して深掘りしておきましょう。
短所を長所に言い換えてみる
短所を長所に変換してみることも、おすすめの方法です。
短所 | 長所に言い換え | 回答例 |
せっかち | 行動力がある | 指示を待つのではなく、自ら考えて行動できます |
慎重すぎる | 注意深い | 物事を熟考して検討する傾向があります |
優柔不断 | ・さまざまな可能性に配慮できる ・柔軟性が高い |
さまざまな選択肢を比較検討して、最善策を見つける努力をします |
頑固 | 責任感が強い | 任された仕事は最後まで完遂します |
完璧主義者 | ・妥協しない ・向上心が高い ・責任感が強い |
細部までこだわって納得いくまでやり遂げます |
負けず嫌い | 成長意欲が旺盛 | 目標を達成するためにたゆまない努力を続けられます |
不器用 | 地道に努力するタイプ | どのような仕事でも手を抜きません |
お人よし | ・サポート力が高い ・協調性がある |
チームの協調性を大切にして、周囲をサポートすることが得意です |
心配性 | ・危機管理能力が高い ・計画性に富んでいる |
リスクや問題点を先回りして予測するとともに、対策を立てられます |
上記は短所を長所に変換したものであり、あわせて回答方法も掲載しました。参考にしてください。
書く時のコツ
長所を書く時のコツを紹介します。
長所を1つに絞る
長所は1つに絞ってください。
複数の特徴を面接時に伝えてしまうと、どのような特徴・特性を持った人物なのか伝わりにくくなります。印象を良くしようと考えて長所を複数伝えようとする人は、決して少なくありません。しかし反対にイメージがぼやけてしまい、印象そのものが薄くなってしまいます。
就職活動での面接は、何人もの人が受ける採用試験です。そのなかで少しでも印象に残すためには、長所を1つに絞りましょう。具体的なエピソードなども交えながら掘り下げて伝えることで、面接官・採用者の印象に残りやすくなるでしょう。
仕事で活かせるものを選ぶ
長所は、仕事で活かせるものを選びましょう。就職活動は、採用した後のことを想定しているからです。
例えば、オフィスワークがメイン業務だったとします。長所で体力に自信があると答えた場合、どのようにこの長所を活かせるでしょうか。オフィスワークでも、ときには重いものを運ぶといった体力を必要とする業務もあります。しかし、メイン業務ではありません。
オフィスワークがメイン業務の場合、真面目・丁寧・注意深いといった点を長所として書いたほうがよいでしょう。
このようにメインの業務内容によって、長所を書き分けることが重要です。
長所と短所が矛盾しないようにする
長所と短所が矛盾しないように注意しましょう。この2つが矛盾していると、自己分析が浅いと判断される可能性が高まります。また、信頼性を損なうことにもなりかねません。
例えば、長所で責任感があると書いたとしましょう。短所で頼ることが苦手と書いてしまうと、矛盾してしまいます。責任感の強さが、協調性・タスク分担といった点で短所になりえるからです。
長所で責任感があると書いた場合には、責任感とはかけ離れたものを短所としてあげるといった工夫をしましょう。
苦労した経験を書く
苦労した経験を書くことも、ESの長所の書き方のコツです。
苦労した経験は、そのときの工夫・努力なども一緒に明記することで長所として捉えてもらえます。単純に長所のみを書くよりも、苦労した経験を書いたほうがリアリティが増して印象づけられる可能性も高まるでしょう。
苦労した経験を書く際は、そのときの努力なども具体的に明記してください。また、経験で得たことも忘れず書いておきましょう。これらを書いておくことで、プラスの印象を与えられます。
長期にわたって発揮しつづけた能力を選ぶ
長所では、長期にわたって発揮し続けた能力を選ぶとよいでしょう。説得力を高める効果が期待できるからです。
一時的に発揮された能力よりも継続的に発揮されている能力のほうが、安定性という点で信頼感につながります。採用担当者は、「入社後も長所の能力を継続して発揮し続けてくれる」と考えてくれるでしょう。
継続的に発揮されている能力は、時間をかければかけるほどさらなるスキルアップも期待できます。スキルアップは企業にとって、生産性・効率性の向上につながるので注目度は高いのです。

文章の構成
長所を書く際の文章の構成は、以下のようなパターンを参考にするとよいでしょう。
順序 | 構成 | ポイント |
1 | 長所を明記 | ・自分の強みを最初に書く ・結論から書くことで採用担当者の気持ちを引きつける ・複数のESを確認しなければならない担当者への配慮 |
2 | 具体的なエピソード | ・最初に書いた長所を裏付けるエピソード ・「いつ」「どのように」「努力・工夫したこと」など ・具体的に書くことがポイント ・数字を盛り込むことで、より具体性が増す |
3 | 将来的な活かし方 | ・採用後の業務に長所を結び付ける ・活かし方は具体例を交えて詳細に明記 ・採用担当者がイメージしやすいように書くことが重要 |
上記は、ESで長所を書く際の構成とポイントを示した一覧表です。
エピソード・活かし方は、採用担当者がイメージしやすいように書いてください。イメージしやすいように具体的に書けているかどうか不安な場合は、家族・友人知人に確認してもらってもよいでしょう。
長所の例文20選
長所の例文を紹介するので、ESで書く際の参考にしてください。
行動力がある
私の長所は行動力があることです。大学2年生の時、所属するテニスサークルの部員数が減少し、存続の危機に直面しました。多くの部員が「仕方がない」と諦めている中、私は現状を変えるために即座に行動を起こしました。
まず、部員減少の原因を探るため、退部した先輩方に直接連絡を取り、ヒアリングを実施しました。その結果、練習内容が単調で魅力に欠けることが主な原因だと判明しました。そこで、新しい練習メニューの導入や初心者向けの指導体制を整備し、SNSを活用した積極的な新入生勧誘活動を企画・実行しました。
さらに、他大学との合同練習会や交流イベントも自ら提案し、実現させました。これらの取り組みにより、翌年には新入部員を15名獲得することができ、サークルの活性化に成功しました。
この経験から、問題を発見したときは迅速に行動を起こし、周囲を巻き込みながら解決策を実行することの重要性を学びました。貴社でも、この行動力を活かして積極的に課題解決に取り組み、組織の発展に貢献したいと考えています。
改善力がある
私の長所は改善力があることです。アルバイト先のコンビニエンスストアでレジ担当をしていた際、平日夕方の時間帯に長い行列ができ、お客様をお待たせしてしまう問題がありました。
この状況を改善するため、まず1週間かけて時間帯別の来店客数と商品の売れ筋を詳しく調査しました。その結果、17時から19時にかけて会社員の方が多く来店し、特に弁当や飲み物の購入が集中することが分かりました。
そこで、混雑予想時間の30分前から弁当を見やすい位置に補充し、レジ横にはよく売れるガムや電池を配置する改善案を店長に提案しました。また、レジ作業の効率化のため、袋詰めの手順を見直し、お客様が財布を出している間に袋を準備する方法も導入しました。
これらの改善により、平均待ち時間を約40%短縮することができ、お客様からの苦情もゼロになりました。店長からも「売上向上にもつながった」と評価していただきました。
この経験から、現状を分析し、具体的なデータに基づいて効果的な改善策を実行することの重要性を学びました。貴社でも、常に改善の視点を持ち、業務効率化や品質向上に貢献したいと考えています。

コミュニケーション能力がある
私の長所はコミュニケーション能力の高さです。アルバイト先の塾講師として、成績が伸び悩む中学生を担当した際にこの能力を発揮しました。
その生徒は数学が苦手で、授業中も無反応な状態が続いていました。私は一方的に教えるのではなく、まず生徒の話をじっくり聞くことから始めました。雑談を交えながら関係性を築き、「どこでつまずいているのか」「なぜ数学が嫌いなのか」を丁寧に聞き取りました。
その結果、生徒は基礎的な計算でミスが多く、それが自信喪失につながっていることが分かりました。そこで、生徒のペースに合わせて基礎から丁寧に復習し、小さな成功体験を積み重ねられるよう工夫しました。また、生徒の興味のあるスポーツの話題を交えながら数学の問題を作成するなど、親しみやすい授業を心がけました。
3ヶ月後、その生徒の数学の成績は30点から70点まで向上し、「数学が楽しくなった」と言ってもらえました。この経験から、相手の立場に立って話を聞き、適切な方法でコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。
貴社でも、顧客や同僚との良好な関係構築に努め、チーム全体の成果向上に貢献したいと考えています。
集中力がある
私の長所は高い集中力です。大学3年次に卒業論文の準備として取り組んだ文献調査において、この能力を最大限に発揮しました。
研究テーマに関する先行研究を調べる必要があったのですが、関連する論文や資料が膨大な量にのぼりました。多くの同級生が途中で挫折する中、私は毎日図書館に通い、1日8時間以上の集中した作業を3ヶ月間継続しました。
集中力を維持するために、2時間ごとに10分の休憩を取り、作業内容を細かく区切って達成感を得られるよう工夫しました。また、スマートフォンは別の部屋に置き、集中を妨げる要因を徹底的に排除しました。
その結果、最終的に200本以上の論文を精読し、研究の土台となる包括的な文献リストを作成することができました。指導教授からも「これほど丁寧で網羅的な調査は珍しい」と高い評価をいただきました。
この経験から、目標達成のためには長時間の集中した作業が不可欠であり、環境を整えて取り組むことの重要性を学びました。貴社でも、この集中力を活かして質の高い業務に取り組み、確実な成果を出していきたいと考えています。
計画性がある
私の長所は計画性があることです。大学3年生の時、TOEICで800点を取得するという目標を設定し、この能力を発揮しました。
当初のスコアは550点で、目標まで250点のギャップがありました。まず、自分の弱点を分析するため模擬試験を受け、リスニングとリーディングの各パートごとに課題を洗い出しました。その結果をもとに、6ヶ月間の詳細な学習計画を立てました。
具体的には、平日は毎日2時間、休日は4時間の学習時間を確保し、月ごとに重点分野を設定しました。1〜2ヶ月目はリスニング強化、3〜4ヶ月目は語彙力向上、5〜6ヶ月目は総合演習というように段階的に進めました。また、毎週末に進捗チェックを行い、計画通りに進んでいない場合は翌週の学習内容を調整しました。
さらに、モチベーション維持のため、2ヶ月ごとに模擬試験を受けて成長を確認しました。結果として、計画通り6ヶ月後に目標の800点を達成することができました。
この経験から、明確な目標設定と現実的な計画立案、そして継続的な進捗管理の重要性を学びました。貴社でも、プロジェクトの成功に向けて綿密な計画を立て、着実に成果を出していきたいと考えています。
温厚
私の長所は温厚な性格です。大学のゼミで5人のチームプロジェクトを進めていた際、メンバー間で意見の対立が生じ、険悪な雰囲気になってしまいました。一部のメンバーは感情的になり、建設的な議論ができない状況が続いていました。
そこで私は、まず全員の気持ちを落ち着かせることを優先しました。感情的になっているメンバーの話を冷静に聞き、それぞれの立場や考えを理解するよう努めました。そして、対立している両者の意見の共通点を見つけ出し、「みんな良いプロジェクトにしたいという気持ちは同じですよね」と穏やかに話しかけました。
その後、各メンバーの意見を整理し、お互いの主張の良い部分を組み合わせた新たな提案を示しました。冷静で建設的な議論を促すことで、チーム全体が協力的な雰囲気に戻り、最終的に全員が納得できる解決策を見つけることができました。
この経験から、温厚な性格は単に穏やかなだけでなく、チームの調和を保ちながら問題解決に導く力になることを実感しました。貴社でも、多様な価値観を持つメンバーとの協働において、この温厚さを活かしてチームの結束力向上に貢献したいと考えています。
ポジティブ
私の長所はポジティブ思考です。大学の文化祭で所属する軽音楽部がライブを行う予定でしたが、開催1週間前にドラム担当のメンバーが怪我で参加できなくなりました。他のメンバーは「今年は出演を諦めよう」と落ち込んでいましたが、私は「これをチャンスに変えよう」と提案しました。
急遽、私がドラムを担当することになりましたが、これまでギターしか経験がありませんでした。しかし、「新しい楽器に挑戦できる絶好の機会だ」と前向きに捉え、連日夜遅くまで練習に励みました。また、メンバーの不安を和らげるため、「みんなでサポートし合えば必ず成功する」と励まし続けました。
練習は厳しいものでしたが、私の前向きな姿勢がメンバーにも伝わり、チーム全体のモチベーションが向上しました。結果として、当日は大成功を収め、観客からも大きな拍手をいただくことができました。メンバーからは「あなたのポジティブさがチームを救った」と感謝されました。
この経験から、困難な状況でも前向きに捉えることで、周囲にも良い影響を与え、チーム全体で課題を乗り越えられることを学びました。貴社でも、このポジティブ思考を活かして、困難な局面でもチームの士気を高め、目標達成に向けて貢献したいと考えています。
謙虚
私の長所は謙虚さです。大学3年生の時、マーケティングの授業で企業の新商品提案を行うグループワークがありました。チームリーダーに選ばれた私は、自分なりにアイデアをまとめていましたが、謙虚な姿勢でメンバー全員の意見を聞くことを心がけました。
最初に自分の案を発表した後、「皆さんはどう思いますか?改善点があれば遠慮なく教えてください」と積極的に意見を求めました。すると、メンバーから「ターゲット層が曖昧」「コスト面での検討が不足」といった鋭い指摘をもらいました。
私は素直にこれらの意見を受け入れ、「確かにその通りですね。一緒に改善していきましょう」と答えました。その後、メンバーそれぞれの専門知識を活かした役割分担を行い、全員が積極的に参加できる環境を作りました。私自身も他のメンバーから学ぶ姿勢を持ち続けました。
結果として、当初の私の案とは大きく異なる、より実現性の高い提案が完成し、クラスで最優秀賞を受賞することができました。この経験から、謙虚さは自分の成長だけでなく、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながることを学びました。
貴社でも、先輩方や同僚から積極的に学び、多様な意見を取り入れながら成長していきたいと考えています。
責任感が強い
私の長所は責任感の強さです。大学祭の実行委員会で広報担当リーダーを務めた際、この強みを発揮しました。
開催1ヶ月前に、チラシ配布やSNS運営を担当していたメンバーが体調不良で長期休養することになりました。他のメンバーは「仕方がない」と諦めムードでしたが、私は広報担当として来場者数の目標達成に責任を感じ、一人でも多くの人に大学祭を知ってもらうために行動を起こしました。
休養したメンバーの分も含めて、毎日2時間の街頭でのチラシ配布を継続し、SNSでは1日3回の投稿を欠かさず行いました。さらに、地域の商店街や他大学にも協力を依頼し、ポスター掲示や相互宣伝の体制を築きました。授業やアルバイトとの両立は大変でしたが、チーム全体の成功のためには自分が頑張るしかないと考えていました。
結果として、前年比120%の来場者数を達成することができました。この経験から、困難な状況でも最後まで責任を持ち続けることの重要性を学びました。
貴社でも、どんな業務においても責任感を持って取り組み、チームの目標達成に全力で貢献したいと考えています。

リーダーシップがある
私の長所はリーダーシップがあることです。大学3年生の時、学園祭実行委員会で展示企画チームのリーダーを務めた際にこの能力を発揮しました。
チームは8名で構成されていましたが、準備期間が残り1ヶ月となった時点で、メンバーの参加意欲にばらつきが生じ、作業が大幅に遅れていました。このままでは企画が成功しないと判断し、私は状況を立て直すためにリーダーシップを発揮しました。
まず、各メンバーと個別に面談を行い、それぞれが抱えている課題や不安を聞き取りました。その上で、メンバー一人ひとりの得意分野や興味に応じて役割を再配分し、全員が自分の力を発揮できる体制を構築しました。また、週2回の定期ミーティングを設け、進捗共有と課題解決を行いながら、チーム全体のモチベーション維持に努めました。
さらに、作業が遅れているメンバーには積極的にサポートを提供し、「一緒に頑張ろう」という声かけを心がけました。結果として、学園祭当日は予定通り企画を成功させることができ、来場者からも高い評価をいただきました。
この経験から、真のリーダーシップとは指示を出すだけでなく、メンバーの気持ちに寄り添い、全員が力を発揮できる環境を作ることだと学びました。貴社でもこのリーダーシップを活かし、チーム一丸となって目標達成に取り組みたいと考えています。
負けず嫌い
私の長所は負けず嫌いな性格です。大学の英語スピーチコンテストに参加した際、この特性を最大限に発揮しました。
予選で同じクラスの友人が私よりも高い評価を受け、悔しい思いをしました。しかし、この経験をバネにして、絶対に次は勝ちたいという強い気持ちが湧き上がりました。友人の優れた点を冷静に分析し、発音の正確性と表現力で差をつけられていることを発見しました。
そこで、毎日2時間の練習時間を確保し、ネイティブ講師との個人レッスンを週3回受講することにしました。また、鏡の前で表情や身振り手振りの練習も欠かさず行いました。さらに、様々な英語スピーチの動画を研究し、効果的な話し方を学びました。
3ヶ月後の本選では、これまでの努力が実を結び、見事に優勝することができました。審査員からは「表現力と情熱が素晴らしい」と評価していただけました。
この経験から、負けず嫌いな性格は単なる対抗心ではなく、現状に満足せず常に向上心を持ち続ける原動力になることを学びました。貴社でも、この負けず嫌い精神を活かして高い目標に挑戦し、継続的な成長と成果創出に努めたいと考えています。
努力家
私の長所は努力家であることです。大学入学時、英語が苦手でTOEICスコアは450点でした。しかし、将来のキャリアを考えて700点以上を目標に設定し、2年間継続的に学習に取り組みました。
まず、自分の弱点を分析するため模擬試験を受け、リスニングが特に課題であることを把握しました。そこで、毎日30分の英語ニュース視聴と単語学習を習慣化し、週末には3時間の集中学習時間を確保しました。また、学習記録をつけて進捗を可視化し、モチベーションを維持する工夫も行いました。
途中、成績が伸び悩む時期もありましたが、学習方法を見直し、オンライン英会話や英語学習アプリも活用しました。さらに、英語サークルにも参加し、実践的な会話練習も取り入れました。
その結果、2年後には目標を上回る750点を取得することができました。この経験から、明確な目標設定と継続的な努力、そして効果的でない方法は柔軟に変更することの重要性を学びました。
貴社でも、この粘り強い努力する姿勢を活かし、業務スキルの向上や目標達成に向けて継続的に取り組み、会社の成長に貢献したいと考えています。
諦めない
私の長所は絶対に諦めない精神力です。大学受験で第一志望校に不合格となり、浪人を決意したときに最もこの強みを発揮しました。
現役時代の模試では志望校のE判定が続き、周囲からも志望校の変更を勧められました。しかし、どうしてもその大学で学びたいという強い想いがあり、諦めることはできませんでした。浪人生活では、まず自分の弱点を徹底的に分析し、特に苦手だった英語に重点を置いた学習計画を立てました。
毎日12時間の勉強を継続し、英語の偏差値を45から65まで上げることに成功しました。途中、成績が伸び悩む時期もありましたが、「必ず合格する」という信念を持ち続け、勉強方法を見直しながら努力を継続しました。予備校の先生や友人に相談しながら、常に改善点を見つけて実行していきました。
その結果、翌年の入試で見事第一志望校に合格することができました。この経験から、明確な目標を持って継続的に努力すれば、どんな困難な状況でも乗り越えられることを学びました。
貴社でも、高い目標に向かって最後まで諦めずに取り組み、必ず成果を出せる人材として貢献したいと考えています。
慎重
私の長所は慎重さです。大学の学園祭で模擬店の責任者を務めた際、この特性を活かすことができました。
チームメンバーは「人気メニューだから大丈夫」と楽観的でしたが、私は事前準備を重視しました。まず、過去3年間の学園祭データを調べ、天候や客足の変動パターンを分析しました。その結果、雨天時は来場者が30%減少することが判明し、食材の仕入れ量を慎重に検討しました。
さらに、食中毒などのリスクを想定し、保健所への事前相談や衛生管理マニュアルの作成、緊急時の連絡体制も整備しました。チームからは「心配しすぎ」と言われましたが、当日は予想通り雨が降り、来場者数が大幅に減少しました。
しかし、事前の準備により食材ロスを最小限に抑え、衛生面でも問題なく運営することができました。結果として、他の模擬店が赤字になる中、私たちのチームは黒字で終えることができ、メンバーからも「慎重な準備のおかげ」と感謝されました。
この経験から、慎重に物事を進めることで、リスクを回避し確実な成果を生み出せることを学びました。貴社でも、この慎重さを活かしてリスク管理や品質向上に貢献したいと考えています。
冷静
私の長所は冷静さです。大学の学園祭で実行委員長を務めていた際、開催3日前に会場設営のメインスタッフ5名がインフルエンザで倒れるという緊急事態が発生しました。他の委員たちがパニックになり「学園祭を中止するしかない」と言い出す中、私は冷静に状況を分析しました。
まず、残りのスタッフ数と必要な作業量を整理し、どの作業が最も重要かを優先順位で分類しました。その上で、他の委員会に協力を依頼し、作業の簡素化できる部分を見直すことで、限られた人員でも実現可能なプランを再構築しました。
さらに、不安になっている委員たちに対して、具体的な解決策と役割分担を示すことで、チーム全体の士気を回復させることができました。結果として、予定通り学園祭を成功させることができ、来場者数は前年を上回る3000名を記録しました。
この経験から、困難な状況でも感情に流されず、客観的に問題を分析して最適な解決策を見つけることの重要性を学びました。貴社でも、予期せぬトラブルや緊急事態において、この冷静さを活かして適切な判断を下し、チームを正しい方向に導きたいと考えています。
流されない
私の長所は周囲に流されず、自分の信念を貫く強さです。大学3年生の時、所属する学生団体でボランティア活動の企画を担当していました。メンバーの多くが「簡単で負担の少ない活動にしよう」と提案する中、私は本来の目的である「地域社会への貢献」を重視した企画を主張しました。
周囲からは「面倒だ」「参加者が集まらない」という反対意見が相次ぎましたが、私は地域の高齢者施設での定期的な交流活動という当初の企画を諦めませんでした。反対するメンバーに対し、なぜこの活動が重要なのか、どのような意義があるのかを丁寧に説明し続けました。
また、企画の実現可能性を高めるため、施設との事前調整や参加しやすいスケジュール作成など、具体的な準備を進めて不安要素を取り除きました。その結果、最終的にメンバー全員の賛同を得ることができ、1年間継続して20名以上の学生が参加する充実した活動になりました。
この経験から、周囲の意見に耳を傾けつつも、正しいと信じることは最後まで諦めずに取り組むことの大切さを学びました。貴社でも、困難な状況に直面しても自分の考えをしっかりと持ち、チーム全体の利益を考えた提案を続けていきたいと思います。
継続力がある
私の長所は継続力があることです。大学入学と同時に始めた英語学習において、この能力を最も発揮しました。
入学時のTOEICスコアは450点で、将来の目標である海外展開企業への就職には程遠い状況でした。そこで、毎日最低1時間の英語学習を自分に課し、3年間継続することを決意しました。
具体的には、朝の通学時間にリスニング、昼休みに単語暗記、夜に文法問題を解くという習慣を作りました。時には勉強が嫌になったり、友人との遊びを断らなければならない日もありましたが、「1日でも休むと習慣が崩れる」という信念のもと、体調不良の日でも最低15分は英語に触れることを徹底しました。
また、モチベーション維持のため、半年ごとにTOEICを受験し、成果を数値で確認しました。その結果、3年生の終わりには750点を取得することができ、300点のスコアアップを達成しました。
この経験から、目標達成には日々の小さな積み重ねが重要であり、困難な状況でも継続することで必ず成果につながることを学びました。貴社でも、この継続力を活かして長期的な視点で業務に取り組み、着実に成果を上げていきたいと考えています。
信頼関係を構築できる
私の長所は人との信頼関係を構築できることです。居酒屋でのアルバイトにおいて、新人スタッフの教育を任された際にこの能力を発揮しました。
担当することになった新人は、覚えが悪く他のスタッフから厳しく指導されることが多く、萎縮してしまい更にミスを重ねるという悪循環に陥っていました。私は、まず相手の気持ちに寄り添うことから始めました。休憩時間に積極的に声をかけ、仕事の悩みだけでなく、趣味や学校生活についても話を聞きました。
また、指導の際は相手のペースに合わせ、できたことを必ず褒めることを心がけました。ミスがあった時も感情的に叱るのではなく、「次はこうしてみよう」と建設的なアドバイスを伝えました。さらに、約束したことは必ず守り、困った時はいつでもサポートすることを伝え続けました。
その結果、新人スタッフは私に対して心を開き、分からないことを素直に質問してくれるようになりました。3ヶ月後には一人前のスタッフとして活躍し、「あなたがいてくれて本当に良かった」と感謝の言葉をもらえました。
この経験から、相手を理解し、一貫した姿勢で接することで深い信頼関係が築けることを学びました。貴社でも、お客様や同僚との信頼関係を大切にし、長期的な協力関係の構築に貢献したいと考えています。
論理的思考力がある
私の長所は論理的思考力があることです。アルバイト先のカフェで売上が前月比20%減少した際、この能力を発揮しました。
店長から原因究明を任された私は、まず売上データを詳細に分析しました。時間帯別、商品別、曜日別に売上を整理した結果、平日の午後2時から5時の売上が特に落ち込んでいることが判明しました。次に、この時間帯の客層や競合店の動向を調査し、近隣にオープンした新しいカフェが同じターゲット層を狙っていることを発見しました。
問題の原因を「平日午後の客層が競合店に流れている」と特定した私は、解決策を論理的に検討しました。競合店との差別化を図るため、この時間帯限定で「勉強応援セット」(ドリンク+軽食+Wi-Fi利用券)を企画・提案しました。学生や在宅ワーカーのニーズに合わせた戦略的なアプローチです。
実施から1ヶ月後、平日午後の売上は前年同期比で15%向上し、全体の売上回復に大きく貢献しました。この経験から、データに基づいて問題を分析し、論理的に解決策を導く重要性を学びました。
貴社でも、この論理的思考力を活かして課題解決に取り組み、事業成長に貢献したいと考えています。
相手の立場に立って考えられる
私の長所は相手の立場に立って考えられることです。アルバイト先のレストランで、外国人のお客様への接客を担当した際にこの能力を発揮しました。
ある日、英語で注文をされたお客様が、料理の内容について何度も質問をされていました。他のスタッフは「注文に時間がかかって困る」と言っていましたが、私はお客様の気持ちを考えてみました。慣れない日本で食事をする不安や、アレルギーがあるかもしれない心配など、様々な事情があるのではないかと思いました。
そこで私は、メニューの写真を見せながらゆっくりと説明し、主要な食材を英語で伝えました。また、辛さのレベルや量についても丁寧に説明しました。お客様は安心した表情を見せ、「とても親切にしてくれてありがとう」と感謝の言葉をいただきました。
その後も、そのお客様は何度も来店してくださり、他の外国人のお友達も連れてきてくださるようになりました。店長からも「お客様目線でのサービスが素晴らしい」と評価していただきました。
この経験から、相手の状況や気持ちを想像し、それに応じた対応をすることで、より良い関係を築けることを学びました。貴社でも、顧客や同僚の立場を理解し、相手にとって最適なサポートを提供することで、信頼関係の構築に貢献したいと考えています。

NGな長所の内容
NGな長所の内容を紹介するので、ESを作成する際の参考にしてください。
プライベートな内容ばかり述べる
プライベートな内容ばかり述べることは、ESの長所ではおすすめしません。ESは、採用後の業務などを想定した書類だからです。
採用担当者はESから、応募者のビジネスパーソンとしての人柄・素質などを確認しています。プライベートな内容ばかりでは、ビジネスパーソンとしてのイメージがしにくくなるでしょう。
社会人としての自覚を持った内容を書くようにしましょう。
強みが漠然としている
強みが漠然とした内容も、マイナスイメージを抱かれる原因になるでしょう。自己分析ができていないと判断される可能性が高いからです。
ESでの長所は、応募者がどれだけ自己分析をしているかどうかを確認するためのデータでもあります。深掘りした自己分析ができる人は、粘り強さや成長意欲が高いといったメリットがあると判断される確率が高いでしょう。
漠然とした強みを書くのではなく、具体的なエピソードなどを盛り込んで明確に書くようにしてください。
受動的な長所になっている
受動的な長所もおすすめしません。これも前述した項目同様に、自己分析ができていないと判断されかねないからです。
「アルバイト先でこのようにいわれた」「友人からよくいわれる」といった受動的な書き方を避けるだけで、受動的な長所を能動的なものに変換できます。
ESで長所を書く際は、能動的に書くことを意識してください。
企業が求めている人材とミスマッチしている
企業が求めている人材とミスマッチした書き方は避けましょう。ESを確認している採用担当者は、入社後のことをイメージしているからです。
企業が行う採用試験は、求めている人材をイメージして行われています。このイメージに乖離した人材は、ESを含む採用試験の結果が良かったとしても採用されないかもしれません。
企業研究をして、求めている人材を調べておきましょう。そのイメージにマッチした長所をESに書くようにしてください。
業種・職別のおすすめ長所一覧
業種・職種別のおすすめ長所を、一覧表で紹介します。
業種・職種 | おすすめの長所 |
営業職 | 傾聴力、課題解決力、目標達成意欲など |
事務・オフィスワーク | 正確性、効率性、責任感など |
教育 | 共感力、準備力、対応力など |
IT・エンジニア | 論理的思考力、知的好奇心、探求心など |
コンサルティング | 問題解決力、傾聴力、キャッチアップ能力など |
金融・保険 | 誠実性、分析力、傾聴力など |
Webマーケティング | 課題発見力、仮説検証能力、情報収集力など |

まとめ
ESでの長所について網羅的に解説しました。
採用担当者はESの長所から、応募者の自己分析能力の有無・マッチング率などを確認しています。長所の目的・理由を知ったうえで、それらに沿った書き方をしなければなりません。
本記事で紹介した長所の考え方・書く時のコツ・例文などを参考にして、企業が求める人材に沿った長所をESに書いてください。
